予定していた快活クラブ前に警察車両が止まっていて、ちょっとどうかと思ったので、数km離れた場所にある別な快活に入ったところでDay3は終了。
到着したのは0時すぎだったのでDay4にも入っている。
日の出まで数時間、フェリーで泥のように寝たので眠気はさほどなく、たまたま目にしたジョジョを読んだりして時間を潰した。
Day4
ルート未定
漫画を読み終えて、今更ながらに北海道ツーリングのルートをまったく考えていないことを思い出す。
大まかに決めていたのは「前回行けなかった場所or行かなかった場所に行くこと」と「道東を愉しむ」だった。
X-ADVで行った昨年はあまり天候に恵まれていたとはいえず、やむを得ない事情で行けなかった場所もたくさんあったので、今回は天候と相談しながらではあるが、その場所を重点的に攻めたいと思った。
また、前回のツーリングで道東方面がかなり楽しかったこともあって、今回は使える時間はそちら方面に使いたいと決めていた。そもそも、前回は北海道一周という目的があり、その最中で道東で時間を使いすぎたため後半の道南がかなり雑になってしまったので今回はクルマで余裕もあるし、雨でも撮影が億劫じゃないので思いっきり気になる場所に行ってやる!という気持ちで臨む。
札幌から道東を目指すだけは芸がない。
早朝に出発し、まずは稚内で最北端を堪能し、北見で宿泊する。
行程は昨年の初日と近い。違いは出発地点が小樽港か、札幌市内かってところだけだ。
2回も同じルートを通るのは、このルートが気持ちよく走れるからだ。北海道の海沿いは快走路が続く。言い方を変えれば過疎ってる場所なのだけど、ドライブするには本当に気持ちがいい。
距離的には札幌から稚内まで350km無いくらいなので、東京-名古屋よりちょっと短いくらいだが、この区間をフル下道で行けば10時間コースになる。
このときの距離とほぼ変わらないが、北海道の場合はオロロンラインを使い海沿いをひたすら北上しても半分以下の時間だし、その間は信号もほとんどなく、渋滞も皆無といっていいほどにない。あまりに快走すぎてブレーキを踏むことを忘れるくらいだし、一般道を100km/hで走っていても、それ以上の速度で走る一般車がいるちょっと頭がおかしい区間でもある。ただ、北海道、特に北側の海沿いは基本ぜんぶそんな感じな気がした。
とりあえず、気の向くままに…バイクと違い、最悪宿が取れなくても車中泊ができるメリットがある。宿泊地はそのときに考えればよいのだ。
1,000km
午前4時20分、エンジンスタート。敦賀時点で62,783kmだったので、ここまでは100km程度走っている。海沿いをひた走って北見まで向えばおよそ620kmある。
40リッタータンクの124は満タンでこの距離はぎりぎりいけるか、いけないかだったが、あまり冒険しても仕方がない。それに北上すればガソリン代も高くなるだろうということで、一度札幌市内で給油することにした。
4時台の札幌市内は気温ぎりぎり二桁とはいえ、13℃くらいだ。本州の10月の気温もだいぶ下がってきたとはいえ、さすがにここまで冷えることはないのでオープンにすると結構冷える。ただ、ニット帽とヒーターがあれば余裕なので本州の真冬でもオープンで快適に過ごせるかもしれないとなんとなく思った。
ここまでの燃費はリッター14kmだった。
このあたりで一番安そうな場所でハイオク171円。
そういえば、今回はホクレンで給油をしなかった。バイクのときは給油回数が多く、都合上けっこうな田舎で給油する羽目になり、そうなるとホクレン一強というかホクレンしかない状況だったが、クルマのタンク容量であれば街と街を余裕で行き来できる余裕があるため、大きな街で安いスタンドを探して給油ができた。
とりあえず、ナビは合わせずに勘だけで海側へ向かう。北海道の道はわりかし直線というか、まっすぐ走っていれば行きたいところに行ける印象があり、今回も走ってしばらくで昨年通った道に合流した。
小樽から来ると、この坂で海がどーんと見えるのが気持ちがよかった。
ほどなくして、出発してから1,000kmになった。
体感としては500kmくらいしか走っていないのだけど、それはスタートから基本快走路が続いたからだし、自分のツーリングにしては珍しくちゃんと休んでいるからだろうと思う。
それにしても、ひんやりした空気の中で感じるオープンは気持ちがいい。
バイクも確かに面白い、風を感じられる気持ちよさはあるし、何より軽快だ。でも、オープンカー(和製英語)だって風は感じられるし、ヘルメットがないから開放感は段違いだ。
どうしたってバイクの場合、ヘルメットにプロテクター、ジャケットと厚着をするし、寒くなれば風をシャットアウトする方向になっていく。風を感じながら、風をシャットアウトして寒さから身を守るというのは矛盾しているように思う。
クルマの場合はそれが当然なく、極端な話はこの肌寒い時期に半袖短パンで移動することだってできるし、その場合はとにかく寒いが温度を直に感じることができる。真正面から受ける風が少ないというだけで、窓をあければ風は全身に吹きかかるし、寒い。
今まで二輪車のほうが風を感じられるとばかり思っていたけれど、それはまったくそうとも言えないなという気持ちになっている。
なんか変わった山が見えた。
こがねやまというらしい。変わった形で、一瞬富士山ぽくも見える。
日が昇ってくる中で浮かび上がるシルエットがとても綺麗だった。
オロロンライン北上
5時を過ぎたが、交通量は少なく、たまにめちゃくちゃ遅いトラックが出没する。
それ以外は気持ちよく走れる。
快走路ではあるものの、むやみやたらに飛ばそうという気持ちが起こらない。交通量も少ないし、信号も少ないから一定速度で走っていてもストレスが溜まらない。
クルマの性格も北海道にマッチしていた。
とにかくハイギヤードな6ATはワインディングではシフトチェンジを愉しみつくせないものの、北海道のようなひたすら続く直線道路では最高にマッチする。法定速度を遵守すれば燃費は18km/Lくらいは届きそうなくらいに燃費もいい。
オープンにしているとドロドロとした排気音が後ろから耳に直接入り、気分はバイクに乗っているのとそう大差がない。この方が眠くならなくていい。
屋根を閉めると一気に静かになり、閉そく感も強く眠気が襲ってくる。
今回はできる限り、オープンにして走ろうと決めていた。
増毛
雲は多いが、降水確率は低く、予報的にも午前中に雨に降られることはなさそうだ。
北海道はその広大な面積から移動の最中に著しく天気が変わる。
そりゃそうだろう、1日600kmも移動しようとすれば東京から大阪、兵庫に行くのと変わらない距離を移動することになるし、その道中の気候がまったく同じほうが珍しい。距離もそうだが、海側、山側、そもそも日本海側、オホーツク海側と移動するので天気が一日変わらないほうが驚きだ。
去年のバイクのときは、その目まぐるしく変わる天気に翻弄された。雨具を着て、晴れたからと脱いでも30分後にはまた雨…もう雨具を脱ぐのも面倒だってなってくる。
今回はそんな心配もいらない。
増毛駅に到着した。
そういえば、去年も来ているけれど、こちらのホーム側を見ていなかった。
増毛駅の開業は大正10年(1921年)だから自分はまだ生まれていない。
高倉健主演のSTATIONの舞台でもある。
北海道にはほかにもぽっぽ屋の舞台となった駅もあるし、そこはまた後日に行く。
増毛駅は留萌本線の終着駅でもあったし、計画上は札幌から増毛まで海沿いを行く鉄道建設もあがっていたらしい。もし、実現していたらオロロンラインと並走するような形だったに違いない。
北海道の鉄道需要は現在では絶望的で、この留萌本線も今年2023年4月に大部分が廃線となり、今や14kmの路線になってしまっているため、「本線」とつく路線では最短距離になっているそうだ。
全5駅、深川から終点石狩沼田までは15分…
時刻表を見ると1日7本と北海道の鉄道で見れば割と多い方なんじゃない?って気がするけど、それでも使い勝手は悪いし、このくらいの距離ならバスでも十分じゃないって気もする…
そんな状況なので2026年には全線廃止予定とのこと。
JRも慈善事業ではないし、赤字垂れ流しの路線を維持しつづけられる余裕もないから仕方ない話なんだろうね…ここだけではないが、北海道の鉄道自体どこも厳しい状況なのは間違いない。観光路線として活路を見出せそうな道東の路線と違い、こちらはあまりそういったことにも使えなさそうだし、より厳しいんだろうなぁと思いつつ増毛を後にした。
炭鉱跡地
去年は気づかなかったが、増毛の先に黄金岬と呼ばれる場所がある。日本一の夕日と言われる夕日を眺めることができる無料のキャンプ場があったり、界隈の人にはそれなりに有名らしい。キャンプ場というか、崖下の草むら?
北上しておびら町。
交通量が増え、遅い車がそこそこいてペースが落ちる。せめて法定速度で走って...
とままえベアーは去年撮影を忘れた、というか通り過ぎた。
オロロン鳥だっけ?なんかペンギンの偽物?
今年は三毛別に行かない代わりに、廃墟を見に行く。
オロロン鳥モニュメントを少し過ぎたところで国道232号から外れ、山奥へ向かう。
ほどなくして炭鉱跡地に到着だ。
行きどまりなので対向車も来ないし、そもそもここに訪れる道中でクルマどころか人ひとりとして見ないという状況…凄いところにあるが、ここに一時期は人口6,000人を超える人が住んでいたらしい。
当時はこの辺りに駅があり鉄道が通っていたそうだ。
今は人っ子ひとりいないし、鳥のさえずりくらいしか聞こえない静かな場所。
先まで進むとゲートで道がふさがれていて、Uターンすることになった。
分岐する道もいくつかあったが、どこも通れない様子だ。
誰も来ないし、道路の維持管理も考えたら封鎖し、ほぼ廃道のような扱いにしたほうがいいのだろう。
リス?のような小動物には遭遇したけれど、クマに会う前に撤収する。まぁレコモンの爆音の前に出てくるような動物ではないと思うけれど。
時刻が現在8時30分を過ぎたところ。休暇のはずだけど、今日はリモートで仕事をしなければならず、オンライン会議が11時から入っているのでそれまでに北上できる場所まで北上しようと先を急ぐ。
アバルト124スパイダーでワーケーション
みさき台公園というところに来た、稚内まで100kmくらいの地点だった。
昨年はこの辺りからずっと雨だったと記憶している。
景色がいい場所。
この先にかの有名で昨年も訪れたオトンルイ風力発電所がある。
見えるかな?と思いiPhoneの最大ズームを利用したけど、さっぱりわからなかった。
この時点で9時を過ぎていたので、そろそろ仕事の準備をしておくかと、トランクに積んでいた社用PCを助手席に移動し、貸与されたポケットWi-Fiも充電をした。
狭いが、保冷バッグがテーブル代わりになり身体を捻ることにはなるものの、仕事ができないというほどのものでもない。吸盤式のスマホホルダも用意したから、社用スマホをカメラ代わりにオンラインミーティングも余裕だ。ロードスターでもワーケーションはできる。
北海道なら涼しいかと思ったが、窓を閉め切った車内は結構暑い。会議のときは窓を開けないとダメそうだ…
一旦準備を終えて、とにかくあと1時間半くらいで進める場所まで移動しよう。このペースであればオトンルイ風力発電所を過ぎ、利尻島を真横に見れる距離まで進めるはずだ。
トイレ休憩も合わせて済ませ、先を急ぐことにした。
日本最北の水田?
ナビアプリだけ見ていると気づかないことが、GoogleMapだと気づける。マイナーな、誰かが登録したであろうスポットがあるのがGoogleの面白いところだ。前、どこかで「XXさんのお墓」みたいなスポットを見たのだけど、「だれやねん!」ってひとりで突っ込んでしまった。
たまたま見つけたこれも、そんなひとつ。
日本の端々にはこの手の「日本最〇のXX」みたいなスポットがあり、水田もそのひとつってことだろう。
水田自体は明治30年頃からはじまっていたようだが、稲作を成功させたのは明治34年に福井(越前)から入植した方だったらしい。本州の稲が気候に合わず、成功まではなかなかの苦労があったようだ。その後、入植者たちが最北の地で米を作りたいという思いで今日にいたる最北の水田につながったらしい。
栽培されるのは餅米らしい。
ちなみに稲自体は水田で栽培する水稲、そして乾燥した田で栽培する陸稲があるそうで、遠別町よりも北にある場所でも陸稲も生産されているそうだが、水稲という意味で遠別町のここが最北になるらしい。
電気柵に囲まれた場所に水田はあった。
原生林を切り開いて水田を作った昔の人々の努力の結晶でもある。
丁度いい感じに時間を使ってしまい、会議30分前の10時半はオトンルイ風力発電所で迎えることになりそうだ。
オトンルイ風力発電所
オトンルイ風力発電所手前に到着したのは11時過ぎだった。これ以上北上して、ちょうどよい会議ができる駐車場、そしてなにより電波が入る場所があるという保証もなかったのでここに駐車させていただき、仕事をする。
幌を開けて仕事をすれば、開放感は抜群だが、この通りが意外とダンプやトラック通りが激しく、騒音でまともに声が通らない。静かなときは、静かなんだが…
会議を終えたところで、同僚や部下から「なんで仕事してるんですか…」と憐れむような、同情のチャットが入ってくる。立場的に平日まるまる休暇というのはもう無理なんだ…無理だからこそ、休暇中でも仕事をするからという条件で北海道まで来ている。
こんな働き方が許されるだけ、ホワイトな会社なんだと思いたい(´;ω;`)
少なくとも前の会社だったら、北海道に行くことすら無理だった、主に金銭面で。
オトンルイ風力発電所は今年はすでに亡き者だったはず。
昨年時点で取り壊しが決まっていて、だからこそこの景色が見たいと思って昨年バイクで北海道へ上陸した。どうやら2025年3月までは残るらしいので、見ようと思えばまだ見れるが、この「まだ見れる」は下手をすると永遠に見ないことにつながってくる。
行こう!そう思ったときに行くのがいい。
本州でも風力発電の下で写真を撮ることができるスポットはたくさんある、関東で言えば茨城の神栖あたりがそうだろう。でも、これだけの本数が立ち並ぶ姿は北海道でしかお目にかかれないし、だからこそ誰もが北海道ではオトンルイを目指していた。
昨年は豪雨でそれどことではなかったサロベツ原野駐車場…
残念ながら利尻富士は上半分が消えている。
雨で余裕がなかった昨年に比べ、今年はやたら写真を撮っている。
この124のプロモーションが良すぎて、どんな角度で撮っても絵になるから、ついつい止まってしまう。
いつまでもオトンルイにいるわけにはいかなかった。
既に正午すぎ、日の入りまであと5時間を切っていた。
先を急がないといけない、それに朝ごはんも食べていないからお腹が減った。
先を急ごう。
油の温泉
このまま稚内までいけば50km、北海道のペースなら1時間はかからずに市内に入ることができる。時間的には13時過ぎには到着するはずだ。
本州、関東に限って言えば50kmを1時間切れるペースで日中走れるところは少ない。
栃木の新4号区間が非合法な速度で流れているから、そこでなら可能な気がするが、信号は地味に多く、意外と流れない。北海道は50kmと言ってもほとんど信号がなく、うまくいけばこの50kmで数回信号に引っ掛かるか、かからないかだ。
だから、同じ距離を走るにしてもストレスがない。
このまま稚内まで行こうかと思ったが、ちょっと考えがあり東へ抜ける。
どこかで見たようなネーミング…あしたの城…
泊まれ、泊まるんだジョー!
サロベツ原野は昨年展望台に上ったのでパス、今回の目的地はその先にある。
やってきたのは豊富温泉だ。
ここの温泉は全国でも珍しい油分を含んだ温泉だ。
昨晩、フェリーで入った風呂が最後で、まだ24時間経ってはいないものの、身体がちょっと気持ち悪かったのでここで一旦入浴休憩。
油分を含んだ温泉は石油の香りがし、ぬめっとした感覚が今までに類をみない体験だった。目とかに入ったら、飲んだらどうなるんだこれ?(ぉ
乾燥肌にもいいらしい、そりゃ助かる。
時間的な都合で30分程度の滞在だった。
稚内名物を食す
豊富温泉からすぐのところにバイパスがあり、稚内市内までのアクセスは良好。
のんびり走っても1時間もかからずに市内に入れる。
稚内で昼食をいただくことにしたが、やはりここまで来たらランチに選ぶ店はひとつしかない。
そう、マクドだ。
最北端のマクドは昨年もお邪魔した、今年もまたいただきます。
安定のピクルス・オニオン・マスタード抜きのハンバーガーにバニラシェイク、ポテトがあれば人は幸せになれる。
稚内で一番美味いと自分は思っているバンズと具とケチャップだけのハンバーグ。
これがなんだかんだ一番なのだ。
最北端のドナルドと写真も撮った。
余談だけど、最北端と最東端のマクドは北海道にある。
稚内にはほかにも海鮮丼で有名な店がある。
名物でいくらを押してきているが、自分はいくらとか、ぶにゅっとした食感がNGで食べると吐いちゃうから無理だし、なにより生ものはお腹を壊しやすいから、晩までに北見に着かなければいけない行程に不安定な要素を増やしたくないので回避した。
そもそも、食事に使う予算が絶望的にないことも切実な理由としてあった。
給油
稚内の気温は16.5℃で、風が強くそこそこ寒い。ただ、最北端にはしてはこの程度の気温か?という気がしないでもない。
道の駅に用事があったわけじゃないけれど、駅の写真を撮りたくて訪れた。
当然、あの防波堤?にも寄った。
稚内市内で本日最後の給油を済ませることにした。
朝の4時から動き出して、10時間で408km走り、燃費は16km/L目前だった。
寄り道したり、仕事で1時間くらい止まったことを考えるとペースとしては申し分がない。
満タン法だと16.8km/L出ているので1km/Lくらいの差か。
日本最北端のガソリンは、実はうちの近所の都内のガソリンよりもずっと安かったことに、帰ってから気が付いた。逆になんでそんなに安いのさ、稚内。
網走まで319km…合わせて700kmを下道で走る。
本州ではなかなか渋滞とかでしんどい距離に感じられるけど、北海道だと300km程度は近所のコンビニに行く感覚だろうし、実際300kmくらい移動しないと無いような店もありそうだから怖い。
最北端へ
稚内市街地ではまだ最北端ではなく、そこから20kmくらい離れた宗谷岬がご存じの最北端になる。昨年はここもずっと雨だったので、快晴の稚内の海沿いツーリングは最高に気持ちがよい。
雨の関係で昨年素通りした間宮林蔵の碑にも寄ることができた。
だいぶ日が落ちてきた、日没まではあと3時間か…
間宮林蔵はここから樺太に向かったらしい。
現代においてもなかなかチャレンジングなことだが、彼が生きた時代は現代とはあらゆる意味で環境が違うので、死を覚悟するような船出だったに違いない。そしてなにより縦方向に1,000km近い長さの樺太を、クルマやバイクなどの移動手段がない中で移動しているのでちょっと現代の感覚で言うと信じられない。ましてや、地図があるわけでもないし、言葉が通じるかもよくわからない場所に行くのだから、その行動力の凄さというか、与えられた任務に対する使命感というか、そういったものは計り知れない。
間宮林蔵は冒険家でもなんでもないけれど、伊能忠敬と同系で自分がリスペクトしている自分でもある。
宗谷岬が見えてきた。
時間的に危ういが、ここまで来たら白い道にも寄っておきたい。
一旦、間宮林蔵の銅像を見て…
樺太はぎりぎり見えないか…
こんなところにもすみっこ暮らし。
今年は初日から天気がよく、幸先のいいスタートになった。
昨年はこんな様子で…もう全身水没してとんでもなかった。
バイクは楽しいけれど、天候に左右されるのがつらい。移動するのは好きだけど、全身びしょぬれの苦行を愉しめる人ではない。
時間的に厳しい気もしたけれど、やはり白い道には行かねばならない。
一部舗装が荒いところがあり、車高の低い124だと下回りをがつがつ擦る。
途中にあった風車群、日本じゃないような風景が見られるのは北海道の醍醐味。
九州とも全然違う。
白い道のハイライト、海へと続く道。
戻ってきた。
初日なのにお土産をここで購入、利尻昆布とかキーホルダーだから大丈夫(何が
保冷バッグに入れた食料がだいぶ消費されたので、空いたスペースに詰めた。
薄暗くなっていることからわかるように、時刻は現在16時前…
10月10日の日の入りは16時58分なのでもう1時間を切っている。
悠々と写真を撮っている時間はない。
できれば昨年いけなかった猿払村のエサヌカ線を走りたいのだ。今日行けないと、エサヌカ線を走るためだけに後日北上する必要がある。それはさすがに面倒だ。
エサヌカ線
宗谷岬から猿払村のエサヌカ線までは40kmもない、北海道感覚なら30分前後で着く。
昨年、このシェルターを見てびっくりした。
地吹雪から生存するために欠かせない、シェルター。
この規模のものは北海道でしか見ることができない。
シェルターの中にトイレや自販機、電話が設置されていたことに驚いた。
トラックでも止められそうなスペースはある。
向かっているエサヌカ線は全長16kmあるらしいが、北海道はそもそも直線区間が多いので、走り回っていると16kmだろうが、5kmだろうが直線であることには変わりないので大差ない感じがしてくる。
シェルターから見る直線だって果てしなく見える。
そんな猿払シェルターの果てしなく見える直線の先で、左折すれば目的地のエサヌカ線に着く、ぎりぎり日没前の到着だった。
北海道ツーリングの定番と言われるエサヌカ線、全長16kmらしいけど途中にクランクが入るので16kmずっと続いているわけではないらしいが、それでも周囲が草地であることや電柱がないことでとにかく開けた視界故に広大さを感じる。
ミルクロードなんかも直線区間は長いけれど、両側に木があるためエサヌカほど開けた視界は得られない。
直線が長すぎて、遠くにいるクルマが点にしか見えないし、それがこちらに近づいているのか、こちらが近づこうとしているのかわからないくらいにお互いの距離が縮まらない。
「遠くにクルマがいるなぁ」と思っても、すれ違うのが数分後だったりするし、しかも凄い小さい点だったのがトラックだったりする。スケールがまるで違う。
最初は「ただの長い直線だろ?」とちょっと馬鹿にしていたところはあったが、来てみるとそりゃ大勢の人が来たがるスポットだと思った。
ここはまた次回北海道に来たとしても必ず通ると思う。
日没が近い。
ここから先は人と動物の時間が入れ替わる。
北見へ
北海道の夜間走行は、日中以上に動物に気を付ける必要があり、走行はあまり推奨されたものじゃないという。バイクで来たときは、極力日没後の走行は避けていた。
北海道に来てまだ2日目だったが、遭遇した人の数よりも鹿の数の方が多いといっても過言じゃないくらいの鹿を見てきた。こいつらが夜になれば縦横無尽に道路に飛び出してくる。
北海道にいるときは気にしていなかったが、今年は街中に出没する動物の量が多いらしい。稚内駅前なんて普通に鹿がいるものだと思っていたけど、普段はそこまでいないとのことだ。
いくら北海道でも市街地に普段は鹿はいないものなんだな…凄い偏見持っていた。
道東の日の入りは17時前なので、18時には真っ暗になる。街灯は少なく、気温もぐっと下がる中をバイクで走る無謀な方がいた。
今日の夕飯はセコマの弁当になった、ここで今日の宿を北見に取った。平日なので北見の快活でも予約は取れそうだったが、金額的に大差なかったので市内のビジホにした。数百円差でちゃんとしたベッドが手に入るなら、誰だってそっちを選ぶだろう。
道中で、昨年見忘れたカニ?を見た。
これ、夜光るんだ…不気味すぎるw
札幌を出発しておよそ17時間、735kmを走り北見に到着。
オール下道で、かなり観光というか寄り道をしたにも関わらずこれだけの距離を疲労感なく走れてしまうのが北海道の魅力だ。時間的には余裕で24時間で1,000kmを走ることができる。本州だと、バイクなら24時間1,000kmで走れることは昔確認しているが、クルマだと都市部の渋滞もあってなかなかその時間で1,000kmは難しかったというか、達成したことはなかった気がする。
夜の北見は小雨が降っていた、ホテルの駐車場は満車で使えず、北見の繁華街をうろうろして駐車場を見つけ、数分歩いてホテルへ来た。
なぜか暖房が有料だったり、そもそも空調が壊れて動かなかったり、ぶっちゃけた話でベッドがあるだけで、快適性で言えば快活の方が上では?という気さえしたが、まぁ気にしないことにする。
どうせ10時間も滞在しない、寝て朝の6時前には出発だろう。
PCで事務作業を片付けて、23時前に就寝…明日の予定は決まっていなかった。