はじまらない乗船とともにDay3開始
Day3
はじまらない乗船
大雨とともに始まるDay3、本来は24時の時点で船の上…のはずが、苫小牧→敦賀の船が遅延したためか、乗船予定時刻は40分ほどの遅延となり24時を過ぎても低床車組は乗用車の待機列にすら並べない…
やっと待機列に移動の声がかかったのは、すでに乗用車乗船時間を過ぎた24時40分過。
トラックが下の甲板にせっせと出入りする上を乗用車がどんどん駆け上がる。
低床車では?と思ったけどジムカーナ車両なのか車高が上がってて余裕の乗船…
ハチロクが普通車扱いなのに低床車に並ぶクルマがw
人生いろいろだと思う。
普通車が積み込み終わっても低床組には声が掛からず…
運転席に座っていると寝落ちしそうなので外に出たり、とにかく体を動かす。寝れないことはないけれど、ロードスターの運転席は人が快適に眠れるように作ってはいない。まだ、先般シートを40mm下げたことで足が延ばせるようになったけど、それでも快適とは程遠い。ただ、人間寝ようと思えばどこでも寝れる、実際あんな運転席で30分くらい寝落ちしてしまった。
乗船開始
低床組が動き出したのは25時15分、すでに出航予定から1時間以上の遅延だった。
徒歩とかバイク組は早々乗り込んで大浴場を満喫し終えたころだろうか?
車高が低いクルマは格好はいいが、こういうときに不便極まりない。
別に124くらいの車高があれば、普通車と同じスロープに乗っても平気だと思うけれど、そういうわけにもいかないのだろう、辛い。
とにもかくにも深夜1時半を前にして、やっと海上に来た。
さらばだ本州。
積み込みを完了、そくさくと荷物をまとめて外に出る。
とにもかくにも眠いという感想しかなく、ツーリングのワクワク感もない。
部屋に行って寝たい、その気持ちが強い。
隣のミニバンと124が同じ低床扱いなのが謎すぎる。
ポルシェとであれば、なんとなくわかる気がするが、向こうの方が低いかな。
写真もそこそこに部屋に向かおう、もう疲れた。
20時間の船旅は個室が大勝利
今回は二人部屋を一人で使うために予約した。
定員の半分を満たしていれば、1名でも料金は変わらない。
ちゃんとしたベッドもあるし、PCで作業ができる机もある。
冷蔵庫もあればアメニティもあるし、何より…
専用のトイレがあるのが大きい。
船酔いしやすいのもあるし、お腹も壊しやすい自分にとって、フェリーの共用トイレの少なさは辛い。去年の新潟~小樽航路でトイレの個室が常に埋まっていて人権を失いかけたこともあった。さすがに寝台スペースで漏らしたら洒落にならんばい?
正直、トイレのために1万円余計に払ったといっても過言じゃない。
旅行に行ってホテルに泊まるときでも20時間部屋に滞在することはまずない。それだけの時間を過ごす空間なので何万円もの差がないのであれば専用個室があったほうが絶対にいい。
寝台も旅の醍醐味かもしれないけれど、貴重品の管理などを考え、滞在する時間が20時間であることを考えるならプラスアルファ1万円で個室が手に入るのはむしろバーゲンプライスってことにして、今後フェリーを使うことがあればまた個室を使いたい。
部屋に荷物を置いてデッキに出ると既に出航していた、いつのまに…
次に本州に戻るのはいつになるのだろう?
今回の行程はまったくもって未定、ただ謎に16連休くらいあるけれど17日までには一度戻ってくる必要があるってことだけだ。飽きたら帰るし、飽きなければ一度仕事のために飛行機で東京に戻るプランも考えていた。
去り行く敦賀の風景を眺め、そうだ風呂に入らねば!と大慌てで部屋に戻り大浴場へ。
フェリーの大浴場、露天風呂とサウナは本当に最高だと思う。
部屋に戻ってAM2時…日の出まで3時間半だけど起きられないだろう。
起床
福井を出航してからしばらくは揺れが激しく、酔い止めを飲んでいても危うかった。ただ酔い止めの成分のせいか、相性か、とにかく眠気が凄く音楽を聴きながら横になったら割とすぐに寝れて、気が付くと朝の9時半を過ぎていた。
朝食の時間はとうに過ぎていた。
フェリー飯は旅の醍醐味かもしれないけれど、前夜のアトム寿司に投機しすぎたため朝ごはんまでフェリーで食べられる予算はなく、それを見越してセブンでパンを買ってきてある。そもそも小食なのでパンを1かじりすれば十分だ。
昨年乗った小樽航路のフェリーと違い、デッキスペースが小さいように思う。
前のフェリーは座るところが結構あったので外で時間を潰せたが、今回のフェリーにはそういうものがなかった。航路とか気象条件とか船の違いが関係しているのかわからないけれど、外にいられない以上は船内か室内で過ごすしかない。
そういう意味では去年は寝台スペースだったけど、ほとんどの時間を外で過ごせたので気にならなかったが、今回は船内で過ごす時間が非常に多かったので個室で本当によかった。じゃなかったら、あの横になるしかないスペースで丸一日過ごす羽目になった。
フェリーも初回ほどの感動はない。
ハロウィンバージョンになっている。
定刻発であればそろそろ姉妹船とすれ違う頃だが、1時間以上遅れたのでどうなるか。
苫小牧から敦賀までは948kmらしい、実は1,000km無いのか…
どこかで聞いたことのある名前だな。
姉妹船
姉妹船とのすれ違いのアナウンスが流れた。時間は11時前、予定より1時間弱遅れた船は予定より1時間遅くすれ違うらしい。苫小牧発も遅れたということだろうか。
船は時速にして50km/hほどで海上を進む。
およそ950kmを50kmなので19時間あればいける計算なので波の影響などもあれば速度は順当。陸路だとさすがに50km/hで巡行しつづけることはできないので、渋滞なく目的地までつけるのは海路と空路の特権だ。
11時前に船は佐渡よりも北を航行する。
小樽航路との違いはネットが全然使えないことだと思った。小樽のときは割と陸が見えているので通信できるところも多かったが、敦賀航路は目覚めてからは秋田くらいまでは一切電波が入らない。そりゃそうだろう、佐渡より北を通ったら陸までの距離は100kmくらいあるんじゃないか…
そんな佐渡を過ぎたあたりで苫小牧から来た姉妹船とすれ違う。
北陸のどんよりした天気はどこへ…快晴である。
北海道も快晴だといいが…昨年は結構な頻度で雨に降られた。せっかくの124なのでできる限り屋根を開けて走りたい。雨男なのであまり期待していないのだけど。。。
苫小牧入港は定刻1時間遅れの21時半。
徒歩乗船とかは辛いかもしれないが、移動手段があるし、そもそも20時半につこうが翌朝までまともな活動はできないのでこちらとしては遅く着く分には何の問題もない。一応現地についたら朝まで札幌の快活クラブで時間を潰すつもりでいる。
ランチとその後の過ごし方
全体的なメニューは去年の航路と変わっていない気がする。
微妙には違うのかもしれないけど。
昨年は奮発して、割といいものを食べたけど、何度も書くように食費にかけられるだけの予算をキープしていない。
とりあえずランチはお手頃なラーメンとハイボールにした。
普段からアルコールは飲まない、飲むと運転できなくなるからだ。ただ、今回は到着まで9時間以上もあるし、することがないので飲んで寝ることにしようと思った。
揺れているせいか、アルコールの周りもいつもより早い気がした。
ラーメンは塩。
食後部屋に戻りぐーたら過ごす。
船のスペックが掛かれた冊子が部屋にあることに気づいた。
車両積載数はトラックの方が多いのか…そういえば、何かで敦賀~苫小牧航路はトラック輸送がメインだというのを見たことがある。だから空いたスペースに乗用車を押し込んでいるということか。トラックが載らなければ、そのスペースに乗用車を押し込めば2、3台は詰めそうだからこのあたりの台数は変わるのかも。
最大速力27.5ノットだから頑張れば60km/hくらいは出せるんだろうか、割と速くない?
ちんたら航行していたら北海道には明日になっても着かないぜってことだろう。
気が付くと寝落ちしており、14時半。
船はすでに青森と秋田くらいにはいるが、まだ7時間もかかるのか?いやでも時速50km/hで陸路で秋田から苫小牧に6時間でいけるかって言われたらまぁきついだろう。
そもそも青森港から函館にフェリーで渡るだけでも3時間かかる。
デッキでくつろげないから風呂に入ってハイボールを浴びるを繰り返した。
フェリーの大浴場は控えめに書いて最高。オーシャンビュー露天風呂やサウナがあるところは多々あれど、こちらはオーシャンビューというか海の上だ。最高に贅沢な環境だし、サウナ後の外気浴が最高に気持ちがいい。50km/hで走るものの上で感じる潮風はここでしか体験できない、もうこれだけのために数万円のフェリー代を払う価値はある。
湯上りに共有スペースにきたらなぜかWRCの放送をしていた。
野球とかサッカーならまだわかるけれど、WRCってまたマニアックな…
15時前、フェリーは秋田沖までやってきた。
久々に見る陸…このあたりで右舷側に来ると電波が入るようになる。
ところどころではあるけれど、調子が良ければバリ4だ。
16時を過ぎて青森沖。
陸は近いが電波は弱い、まぁ青森だし。
ズームでこんなに近くに見えるくらいの距離を行く。
津軽海峡は空母いぶきの聖地巡礼になりますかね。
多分この辺が津軽海峡冬景色が流れる岬があるあたり?知らんけど。
残念ながら曇っていたので日の入りは見ることが叶わなかった。
でも、こんなにきれいな空が見えるのもフェリー旅の醍醐味だと思う。
新潟~小樽航路だとまだまだ旅の中盤という感じだけど、敦賀~苫小牧航路ではもう旅の終盤。あと3時間弱で苫小牧に入港する。
この時間からはハイボールを浴びることはできないので、入港前にひと眠りしておこうと部屋に戻ることにした。
デッキに椅子でもあれば、ここでまったりしていられたが残念だ。
日の入り1分後に部屋に戻っておやすみなさい。
苫小牧入港
船内に苫小牧入港と下船準備のアナウンスが流れた。20時間と言えば丸一日に近い船旅だったけど、はじまってしまえばあっという間に感じた。基本は寝て、サウナ浴びて、ハイボールを浴びるのルーティンだったけど、そんな過ごし方は普段は絶対にしない。
北海道に着けば基本的には連日の運転になるから、そこまでゆっくりした時間を愉しめるのはここが最後だろう。なんだかんだ、フェリーが一番快適だったとツーリングを終えてから思った。
デッキに出ると肌寒い、気温は16℃くらいだ。
本州はまだ夜でも20℃を切ることはなかったし、10℃くらい苫小牧の方が低いからそれは体感としても寒いと思うだろう。
車両組はそろそろクルマに戻り下船に備えなければならない。
バイクと違い、適当に荷物を積めるから下船は楽だ。
20時間ぶりの対面だった。
デッキで雨が降っていないことを確認したので、さっそくオープンにした。
16℃はさすがに寒いけれど、シートヒーターと暖房があれば案外行けるだろう。
北海道の気温ならエアコンを切れるから高燃費が期待できる。
暑いより寒い方が絶対にいい、燃費にもエンジン的にも。
ドナドナ?
そして、下船がはじまった。
苫小牧→札幌へ
排気を見る限り、相当寒いことがわかる。
実際寒い過ぎたのでパーカーとニット帽を着用した、本州の感覚で過ごせない。
さて、到着が21時半をすぎ、限りなく22時前だったこともあり、今日はあまり身動きが取れない。夜間の北海道は動物王国なので変に走るのはリスキーだ。
実際、苫小牧は結構な街だと思ったけれど、普通にその辺を鹿が歩いている。
暗くてわからなかったが、道路にも普通にいてサファリパークだ。
突然飛び出してくるし、その数も1頭や2頭ではなく、路肩を凝視すれば3頭くらいの集まりが複数個所に点在していて、人の数より明らかに鹿の数の方が多かった。
そんな場所を法定速度で走るのだった怖いだろう。初日から鹿にぶつかりましたでは洒落にならない、ネタにはなるが。
ほんと、その辺にいる。
港から苫小牧市内に向かう道中にシーサイスの北管制がある。
重要な施設なので深夜でも警戒は怠られていない。
フェリー飯を食べず節約していたのでさすがに空腹だ。
どこで食事をとろうかと、そういえばと思い出したのがみよしのだった。
餃子カレーで有名らしい。
カレーと餃子はそれぞれチープな味が美味しいんだけど、カレーと餃子を同時に食べる文化が自分にはないので終始違和感はあった。ただ、翌日にはもう一回食べてみたいと思う妙な中毒性があるのも確かで、長らくソウルフードと呼ばれるだけのことはあるなという感じ。
遅くまでやっているのもありがたい。
札幌に向かう途中でトイレ休憩。
そういえば北海道には道の駅にもどこにもゴミ箱のようなものはない。
自然あふれる場所だからゴミ箱なんかを設置したら動物が狙いに来るから外には置かないということらしいけど、関東の感覚で言うとゴミを捨てる場所がないので困る。
メガーヌであればそれなりにゴミを貯めるスペースもあるが、124にはそんな場所はない。空き缶が数本溜まればもう限界だ。
とりあえず宿泊地の漫画喫茶で捨てさせてもらうことにしよう…そういう意味でも124は車中泊とかには全然向いていない。
札幌まで走り、宿泊地に到着。
とりあえず夜明けまで数時間、ここで仮眠を取ることにした。