来たぞ、我らのステルヴィオ(´;ω;`)ブワッ
アバルト124スパイダーだけの生活
およそ4週間の2シーター生活、当たり前だがとても不便
クルマにせよ、バイクにせよ、思い立ったらすぐに購入するのであまり計画性がないけれど、今回は特に「大人の事情」が強くあったため、今まで以上に急な乗り換えになってしまった。
なので、前車メガーヌについても3月末にいきなり売却(ステーキ食うみたいなノリで手放すなって話)だったけれど、そのときは「アバルト124スパイダーあるしな」と特に気にしなかった。
仕事的な都合もあって、クルマがないと生活が不便。
メガーヌがいくら使いづらいといっても、荷物と後部座席に人が乗せられたのは大きかったし、2シーターの、ロードスターベースのクルマだけになったらやっぱり不便は不便で、仕事で同僚を乗せられないし、大きな買い物は毎回「ちゃんと入るのか?」と気にする生活が続いた。帰省したときに、親からもらった食料が積めなかったのは笑ったし、イタルジェットとZH2のパーツを回収するのに2往復もした。
だから、納車はアルファロメオが楽しみということもあったけれど、実用的なクルマが我が家に戻ってくるという方が喜びとしては大きかった。
納車までの不安
とにかくでかいぞ、ステルヴィオ
1年で入れ替えも含めて3回の納車を経験したわけだけど、ステルヴィオが一番時間がかかった。
というのも車検取得、未実施のリコール処置とリアタイヤの交換をお願いしたからだ。
購入したショップは通常納車は3週間と言っていたけれど、それらの作業も含めると時間がかかってしまうのは仕方がない。
その待ち時間でなんだろう自分の中で「本当にステルヴィオで良かったのか?」という不安のような感情がこみ上げてきた。
歴代所有車の中ではもっとも高出力で、もっともサイズが大きい
「来年死ぬとわかっていたら、今乗るべきクルマ」だったこともあり、内燃機関を愛する者として後悔のないクルマ選びをしたかったとはいえ、どう考えてもやばいエンジンを積み、オーナーには莫大な維持費用を求めるステルヴィオの中でもトップグレードのクアドリフォリオ…主に金銭面の不安はとてつもなく大きいし、これから数年は確実に維持するとなったときに、この選択が間違いでなかったと言い切れるのか?ということがもやもやとしていた(なんじゃそら)
あと、サイズ的な不安…歴代所有車は毎回乗り換えるたびに巨大化しており、メガーヌだけ唯一イレギュラーでサイズダウンしたものの、ステルヴィオは標準車でも1,905mm、クアドリフォリオはオーバーフェンダーの分で1,955mmまで幅がある。
そのクルマを普通に乗りまわせるのか?実用性を重視してSUVを買ったけど、本当に実用的なのか?というほんと「最初に考えるだろ、そこ」って話があった。
まー、会社の駐車場に入らないということは契約後に気づいたんだけどね(バカ)
とはいえ、もう契約も済ませた。
そして、納車当日を迎えればそんなことは割とどうでもよくなる。
メガーヌのときは、前日眠れなくなるなんてことはなかったと思う…あーイタルジェットと同時納車だったから、イタルジェットのほうが楽しみでちょっと眠れなかったかもしれないけれど、ステルヴィオのときは完全に眠れなかった。
納車日も「平日でも構わないから最短納車日で!」とお店には伝え、それが平日になったので思いっきり会社には仮病を告げ(最低だ)、午前中だけ休暇を取得して納車に向かった。
納車
約束の時間は確か11時半ごろだったけれど、楽しみすぎて急いだこともあり、11時前には到着してしまった超迷惑客(ぉ
担当営業が前のお客さんの納車をしている中で待たせてもらい、その納車が終わったタイミングで店舗に自分のステルヴィオが入ってくる!!
前日まで感じていた様々な不安は、この一瞬ですべてが吹き飛んでどうでもよくなった。
思いのほか静かな排気音も、その内に秘める巨大なエンジンの主張を控えめながらにアピールしているし、直四とは明らかに違う低い音が興奮を誘う。
ああ、こいつが今日から自分のクルマになるのか(´;ω;`)ブワッ
第一印象は普通の、何かが足りないSUV
納車説明はほどほどに30分ほどで店を後にした。使い方は乗りながら覚えればいい派だし、そもそもこのステルヴィオはそこまで多機能じゃない(ぉ
出発のためにエンジンをかける。
心臓部には2.9リッター V型6気筒ツインターボが搭載される。それなのに窓をしめた状態でエンジンをかけると、ほとんど排気音が聞こえず、最初「エンジンかかってる?」と疑うほど。
もちろん普段乗っていたアバルトが爆音すぎて、夜21時以降は絶対にエンジンをかけないという自らに誓いを立てているものの、それにしたって積まれるエンジンのことを考えたらこの程度の排気音というのは「物足りなさ」を感じずにはいられない。
始動直後、DNAモードは中間の「N」になっており、この状態は街乗りに最適なモードではあるものの、とはいえあまりに静かすぎる…
ブレーキペダルを踏み、パドルシフトの「+」を手前に引けば電子式ATはパーキングからドライブにシフトレバーを操作しなくても切り替わる。その後、ゆっくりとブレーキを離すと「ゴゴゴッ」というローターをつかんでいたキャリパーがゆっくりと、剥がれるようにリリースされステルヴィオは思いのほか強力なクリープで動き出した。
お店の方に見送られながら、お店をあとにするが、走り出しても最初の印象から変わらず「とにかく静か」なことに驚いた。
その静寂性の高さはディーゼルのプジョー3008のほうがうるさかったと思うほど…8速ATが2,000rpm以下でどんどんシフトアップしていくとはいえ、クアドリフォリオだぞ?510馬力のエンジンを積んでいるんだぞ?という周囲に対しても、何よりドライバーに対してのアピールがまったくない。
そういえば、前のオーナーが装着していた禁断のリモコンがあった。
禁断のマフラーバブル開放リモコン。
クアドリフォリオはレースモードに切り替えて4,500rpmを超えるとマフラーのバルブが開き音量がアップするギミックがある。ただし、レースモードの場合は電子制御がカットされるリスクが生じるため、社外品のこのリモコンを付けることでどのモードでも任意で常時バルブ開放できるようにするのが定番化している。
なんでこんなものが必要なのか、それはもう理解した。確かに、この通常走行時の排気音では物足りない。せっかく特別なクルマを買ったというのに、音から特別感がまったく伝わらない。
店を出てすぐの1つ目の信号ですぐにリモコンを「ON」にした。するとわずかに車内に「ドルゥルルル」というV6特有の低い音が侵入してきた。
この状態でアクセルを踏むと、先ほどまでとは性格が変わり、V6らしいサウンドを響かせるが、それでも窓を閉めていればごくごく平和なもので、窓をあけたところで車外の環境音にかき消されてそこまでの音は聞こえない。
とにかくステルヴィオの車内は遮音性が高く、音の侵入を多く許していない。最近のSUVはそんなものなのだろうけれど、Youtubeなどの動画で見ると結構クアドリフォリオはいい音量に思えたのでちょっと拍子抜けした。
ある意味で期待を裏切る「普通さ」
わかる人にはわかるが、わからない人にはグリーン車のエンブレムを付けた普通のSUV
機能面では足りないところがあるのは事前に理解していたが、まずは走行面だけで感じたところで言えば「とにかく普通」のSUVだ。
街乗りではZF社製の電子式8速ATのマナーは非常にいい。
変速スピードも速すぎず、遅すぎず(Nモードでの話)、日本の道路事情にもよくあっていて不満を全く感じない。ZF社の9速ATを以前フィアット500Xのときに体感していたが、あのATは変速スピードも遅ければ、変速ショックも不愉快でとにかく性能が悪いかった印象しかないが、さすがは高級車向けのATなだけあってその辺は同じZF社でも差別化はされたのかもしれない。
そのATの特性もあって、余計に特別なクルマを感じさせない。
大型のパドルシフトは使い勝手は悪くないが、NモードやAモード、要は街乗り用のモードではコースティング呼ばれるエンジンと駆動系を切り離したりして空走させるモードが有効になることもあり、マニュアルでシフトダウンしたときにかなりの変速ラグが発生する。ただ、それはわかっていれば気にならないことだし、NやAモードで積極的にマニュアルモードで変速などせずに、ブレーキだけでコントロールすればいいだけの話。
フロント6podブレンボキャリパー、自身初のブレーキ・バイ・ワイヤである
強靭なブレーキは思いのほかコントールしやすかった。ブレーキの鳴きは当然それなりにあるものの、低速のコントロール性はこれよりも悪い輸入車はいくらでもある。プジョーの3008は純正がカックンになりすぎてパッドを交換したが、それよりはクアドリフォリオのブレーキの方がぎくしゃくしない。
ただし、低速時の操作で機械音がしたり、気になるところはある。なまじ車内が静かだからこそ、機械的な作動音などは余計に耳に着く。ただこれも慣れだ、1時間も乗ればもう環境音のひとつになる。
だからこそ、余計にクアドリフォリオがよくもわるくも普通のクルマに思えてならない。
だったら高速ではどうだろう?
首都高に入り、渋滞を抜けた先でDモードに入れてアクセルを踏み込む。
すると身体がぐっとシートに押し付けられ、フロントを浮かせ気味に1,900kgを超える車体があたかも1,000kgになったのかと思うような獰猛な加速をする。窓を開けていたこともあり、外から入る音は今までとはけた違いに勇ましくなり、V6らしいサウンドをここぞとばかりに車内に入れてくる。
フル加速では変速の際に「バンッ!」という炸裂音がマフラーから聞こえ、「やべーぞこのクルマwwww」と思わずにやけてしまう。
何より周りのクルマが困惑してるはずだ、、、見た目は下手すればマツダのクルマか?みたいな形のSUVが、いきなりバンバン言わせながらとんでもない勢いで加速していく。
驚いて、モードをAモードまで落として高速を走る。そこではあくまでジェントルなのだが、Aモードでもアクセルを踏み込めばメガーヌよりも、アバルトよりも獰猛な加速で突き進む。
車体から感じる加速のイメージと、実際の加速の違いに頭が追い付いていない。510馬力ってこんなにすごいの?というより、多分600Nmを超えるトルクがえぐい。なにせ最大トルクを2,500rpm付近で発生させている。ディーゼルとまでは言わないもののガソリン車でそんなに低回転域でトルクを出したらそりゃこの重い車体でも軽々動かせる。
公表されている0-100km/h加速のタイムは3.8秒らしい。この時間は国産車ではR35やNSX、LFAといった国産スーパーカーに劣るくらいで、他の国産車両でステルヴィオ クアドリフォリオよりも加速がいいものは存在していないらしい。
そりゃ速いよ!!でも、そのフル加速をしても安心感が最後まで残る。危うさは一切なく、「もっと踏めますよ」とステルヴィオの方から言ってくる。
パワーとトルクを路面に伝える、このタイヤの役割が非常に大きいと思われる。
同じジョルジオ・プラットフォームのジュリアはフル加速で少しでもステアリングを切っているとテールスライドになり、コントロール不能で事故を起こすという都市伝説のような話は聞いたことがあるし、実際その危うさがあるのだろう。
けれどステルヴィオはジュリアと違い後輪駆動ベースではあるものの滑ればフロントに50%トルク配分されるAWDであることと、重量の重さやタイヤの太さもありどんな場面で踏み込んでも危うさがない。
おまけに視点の高さもあってか、スピード感はまったくない。だからとんでもない速度にいてもドライバーはまったく恐怖を感じない。それはそれで恐ろしいことで、気が付けばコントロールできない速度域にいて、そこで何かが起きれば絶望的なことが起きるw
高速を降りる直前にレースモードにしてみた。これはやばい。
マニュアルモードを推奨されるのでパドルシフトで操作することになるが、NやAモードで感じたゆったりした変速ではなくなりまさに電光石火!一瞬で終わる変速、ガンガンとシフトショックを伝えてくるあまりの変わりっぷりは、さっきまでと同じ変速機が積まれていたのかと疑いたくなるほどだった。
とにかく怒涛のパワーとトルクだ、メーターはシフトインジゲータに切り替わり、視界にかすかに入るシフトタイミングを教えてくれるゲージを見ながらパドルを操作することになるけれど、もう全然追いつかないw
タコメータなんて最初は見る余裕すらなかった。もうこのくらいの馬力とトルクになるとATじゃないと操作できない。こんなものをMT操作しきれるのはプロのレーサーくらいなものでしょうね。高性能車がこぞって自動変速を採用するのは、もう人間の動きでは高性能を扱いきれないという人間の限界を超えたところにクルマがいるという話しなんだろうなぁと思い知らされた…
そんな自宅までの小一時間。
SUVに要求される大切なのを捨て、愚直なまでの速さを得た
全幅1,955mm、標準車よりおよそ50mmワイドだがそれはオーバーフェンダーの分
家に帰る前に昼飯を食べに寄り道した、コインパーキングがとにかく狭く感じられるw
まだ1時間弱しか乗れていない、なので性能の片りんしか見れていないのは事実だとしても、とにかくこのクルマがやばいことは十分に伝わったw
SUVの見た目をしているが、中身は化け物だ。こんな性能がアルファロメオのSUVに必要なのか?ランボルギーニやフェラーリ、ドイツならポルシェやBMW、メルセデスならまだ理解できる。でも、こいつはアルファロメオだ。
いくらレースのイメージがあるとはいえ、それはセダンやクーペでの話であってSUVにここまでの性能を求めるアルファロメオユーザーがいったいどれだけいるっていうんだろう…そんな風に思うわけで、だから売れてないんzy…おっと誰か来たようだ。
その速さは魅力的ではあるものの、SUVとしての装備類は正直物足りない。もちろん、最低限の必要装備はあるけれど液晶がタッチパネルではなかったり、エアコンの動作が極端に暑いか極端に寒いかの微妙な操作ができなかったり、なんか微妙に未成熟なところはあったりを感じた。
ステルヴィオよりも先に出たプジョー3008に乗っていたから余計にそう思うのかもしれない。あちらはよく日本のSUVも研究し、日本で十分に通用するだけの装備だった。国産でもまだ少なかったLEDヘッドライトやタッチパネルのディスプレイオーディオも搭載され、コスパを考えると「そりゃ売れるわ」って内容だった。
でも初期型のステルヴィオにはそれらが少し足りていない。
もちろん、それが買わない理由には直結しないものの、このクアドリフォリオは当時1,100万円もしたクルマなのだから、そういう装備が当たり前であることを期待するユーザーも当然多かったはずだ。
ステルヴィオも中期型、後期型では装備もわりかし充実したけれど、どうもこの初期型に関しては人柱感が否めない。でもね、どこかで書いたように偉大な購入者様諸君がいてくれたおかげで、自分のような小市民でも最上級グレードをいま中古で手にできる。だから、ありがとうという感謝の気持ちしかない。
帰宅後、アバルトと入れ替えを済ませる。
アバルトはマツダ製なので生粋のイタリアンからすればパチモンなんだけどw
でもこうして2台並ぶと思わずにやっとしちゃう。
ステルヴィオも快適性は多少アレだとしても、走ることに関しては徹底的に磨いてそうではあるし、自分もどちらかと言えば楽しさを求めている。
とてつもなく運動性能が高いSUVという、誰がそれを求めているのかよくわからないコンセプトを持つステルヴィオ クアドリフォリオだけれど、純粋に運転が好きな人であれば長く楽しめそうだし、SUVにSUVを求める人だとちょっと飽きるのが早いかもね?と思ってしまう、そんな1台だと初日は感じました。
今後ともステルヴィオさんの活躍にご期待ください(´;ω;`)ブワッ