アルファロメオ ステルヴィオ クアドリフォリオ。日本では2018年7月にファーストエディションが販売されており、6年選手。既に次期モデルの噂もあり、PHEVを搭載しないアルファロメオの純内燃機関としては最後のSUVになりそうだ。
過激さを求めたSUV
アルファロメオがその歴史の中ではじめて出したSUVがステルヴィオだった。日本では2018年夏頃に発売され、当時から「走りがいいSUV」として話題になった。なにせ、ガソリンモデルは280馬力のAWDターボ、その0-100km/hの欧州参考値は以前自分が乗っていたメガーヌR.S.よりも速い。
馬力は大して変わらず、重量は400kgもメガーヌより重いにも関わらず加速はなかなかいい。それだけでなくハンドリングにも定評があった。
2018年10月、ファーストエディションから遅れること数ヶ月後には、最強グレード「クアドリフォリオ」が追加される。
既に2017年から販売されていた同じジョルジオ・プラットフォームを使うセダンのジュリアには存在し、当時は試乗車殺しの都市伝説があり、試乗NGとまで言われたその暴れ馬に積まれる690T型2.9リッターV型6気筒ツインターボをまさかのSUVに積んできた。
しかも、話を聞けばよくある通常車にスポーティーなエンジンを積んでモデルとは違い、このジョルジオ・プラットフォームを使うジュリア・ステルヴィオの2台は「クアドリフォリオ」がまず先に企画され、その後にガソリンとディーゼルを作るという逆の手法が取られたそうだ。
こうすることで最初から超高性能エンジンに耐えうる骨格を与えられた通常モデルは、当然ながらそのハンドリングがよくなるのは必然だった。
しかし、実際問題…ステルヴィオ自体はアルファロメオの中ではどうかはわからないが、SUV全体で見ると…これを読んでいる人も察している通り全然走ってない。
ステルヴィオを買うと決めたときから、かなり意識して探すようにしていたが1ヶ月で2台しか見なかった。アバルト124スパイダーのほうがまだ見かける。
アバルト124スパイダーの日本での販売台数は2,000台弱。それよりも見かけない実用車ってどうなの?
ただでさえ見かけないSUVなのに、その高性能モデルのクアドリフォリオとなればシーラカンスを探すより難しい。おそらく、アルファロメオ系のイベントにでも顔を出さないと見つからない。
一度、大昔に「クアドリフォリオだ!」と思ったステルヴィオに遭遇したが、ボンネットにダクトのない、四葉のエンブレムをつけたガソリンかディーゼルのモデルだった。
売れていない理由は、買えばわかる
クアドリフォリオの新車価格は2019年モデルでおよそ1,100万円。アルファロメオが出した超高級SUV。
既にオーナーなので、もう言いたいことを言わせてもらうね?(´;ω;`)
このSUVを1,100万円で買おうとは思えない(ぉ
自分は中古の5年落ちを600万円で買った。5年で半額か?と嘆く人もいるかもしれないけれど、これはGT-Rでもなんでもない、輸入車の5年後の価格がこの程度ならむしろすごい健闘したほうだとさえ思う。
当時、ステルヴィオ ファーストエディションは700万円近い金額だった。おそらくコミコミなら700万円を超えていたが、今でこそどんな輸入車もエントリーモデルでも500〜700万円くらいの価格帯なので特別高いというわけではないにせよ、2019年に自分はプジョー3008を430万円ほどで購入しているため、どうしてもそことの比較をしてしまう。
3008を検討するにあたり、ステルヴィオはそもそも候補にすらならなかった理由が、このバカ高いことと装備の貧弱さにあった。今の3008はかなり高価格帯になってしまったけれど、2019年時点ではディーラーの値引きも大きく、ディーゼルでサンルーフまでつけたって500万円に届かず、必要な装備はすべて揃っていた。
そことの比較だと、ステルヴィオは2015年前後の機能と装備しか持っていないという印象が強かった。
2019年には3008が標準で持っていた「LEDヘッドライト」、「デジタルサイドミラー(死角を確認するやつ)、「360度カメラ」、「タッチパネル式ディスプレイオーディオ」、「レーンキープアシスト」etc...大きなところではこれらの装備はこの時代のステルヴィオには付いていない。LEDヘッドライトは日本では2023年モデルからの採用だったし、12インチ弱の液晶がタッチパネルになったのは2020年の中期型以降から。
自分の乗る初期型はこれらの快適装備がかなりしょぼい。
もちろん、それがすべてではないよってわかっているし、クアドリフォリオの価値がそこにないことも理解しているけれど、クアドリフォリオとはいえSUVなのだから、SUVとしての使い勝手や機能面を今日は見ていこうって話。
前置きが長いのはいつものこと。
エクステリア
HIDヘッドライト
ライトのデザインは車名の由来になったステルヴィオ峠のつづら折りをイメージしているらしい。日本車だったら岩木山のつづら折りをイメージって感じ?
ヘッドライトはデイライト部分がLEDでメインはHID、後期型からLEDになったようだけどまぁそこまで明るさはなく、黄色味のオーソドックスなやつ。販売時期を考えると、この時期はまだ国産もHIDばっかだったので致し方ないというか、まぁ残当?
ただし、メリットもあって「修理・交換費用が安い」ことと「バルブ交換ができる」ことなので困らないといえば困らない。
ヘッドライトのレンズ交換をする機会はほぼないだろ?ってそりゃそうなんだけど、なんでこんなことを書いたかといえば自分のステルヴィオは前オーナーが木にこすっただかで左レンズの下側がちょっと割れている。LEDだとたいていASSYでレンズとライトごと交換になるけれど、HIDは3万円も出せば中古で外側だけ手に入る。グレードによってライトの種類が違うということもなさそうなのでさくっと交換は可能なのがいい。
またバルブもLEDバルブが社外で出ているし、HIDバルブ自体も種類は豊富なので好きなやつに交換ができるという点ではデメリットではなくメリットなのかもしれない。
随所に使われるアルミパーツ
クアドリフォリオだけでなく、ステルヴィオは全グレードで軽量化のためにドアなどがアルミ製になっている模様。すごい。
走りのよさを歌うステルヴィオ、その前後重量配分の最適化のために随所に軽量化の努力が見れ、大きなところではドアパネルがアルミ製であることがあげられる?
車検証重量で見ると前後重量配分は52:48。ガソリンを入れたり、荷物を積むといい感じに50:50になりそうだ。通常のFWDベースのSUVではこうはならない。
SUVで50:50に近い前後重量配分のクルマはかなり珍しい。それがいいのか、悪いのかは普通に乗っている分にはまったくわからないにせよ、それを追求するアルファロメオというメーカーの姿勢が凄いんだけど、ほんとロードスターじゃないんだからそこを購入の決め手にする人は10人にひとりくらいなもんだろうし、まぁそういう人が買うんだろうからいいんでしょう(何
車両重量は1,910kgなので自分の感覚ではかなり重い方だけど、ライバルと比べれば100kgくらいは軽い仕上がりらしい。そのために車両随所には無駄(失礼)にアルミが多様される。
ボンネットはもとよりドアパネルもアルミになっている。ドアがアルミなんてスポーツカーのやることであってSUVでやることじゃない、イカれてる(褒め言葉)。好きな人にはハマることなんだろうけど、ドアがアルミって、この車幅のクルマだとドアパンされたときのダメージが痛い。アルミは基本的には板金が駄目だ…
駐車に気を使うという点でかなり厄介な仕様であることには間違いないw
給油口
ベースが左ハンドルにしては珍しく、左側。マフラー両側出しなのでどっちでも?
輸入車の給油口で嫌なのがノズルを差し込むと開くタイプ。給油キャップがあるほうがいいってのは単に毎回自分が添加剤を入れるからw
ノズル差し込み式の場合、添加剤が入れられない(漏斗みたいなのを使わないと口が開かない)のが厄介なのだけどステルヴィオはどうか?
キャップ式なのが素晴らしい(´;ω;`)ブワッ
キャップを外すと蓋のようなものが見えるから差し込み式か?と思うでしょ。
でもこれは上の部分しか蓋がないので、下側は空いているから添加剤の投入にはなんら問題がない。。
こういうオーソドックスなタイプが一番いい、差し込み式っていたずら防止に効果があるんだっけ?しらんけど。
ミラー
法規制対応とはいえ、この小さなミラーはデザインを著しく邪魔する厄介者
プジョーは法規制対応のこのミラーはデジタルで、ルームミラーに画像を投影できた。無駄に日本車でもなかなかコスト問題でやらないことをやってきて驚いた記憶がある。
残念ながらアルファロメオにそこを求めるのは少し酷だ。それにしても、このミラーはどんなクルマでも言えるけどほとんど機能的には役立たないのでぶっちゃけいらんだろって気がする。
サイドミラー自体もとにかくでかい。
左右ともに運転席からは視界の邪魔になるので右左折はかなり気を使う。視認性も慣れるまではかなり違和感があった。
しばらくすれば慣れる最初はかなり戸惑った。
車幅
後部座席の窓枠はかなりの凶器になる。
ステルヴィオがだめなわけではなく、1,955mmの幅はかなり気を使い、特にドアの開閉は未だに神経をすり減らす。標準車のステルヴィオが既に1,900mmを超えている。プジョー3008も1,860mmあったのでたった90mm、片側で45mmは大した数値ではないけれど、でも実際かなりの違いはある。
走行中の車幅は慣れたので、どんな細い道でも物理的に通れるなら通す自信は当然あるけれど、ドアの開閉だけはどうにもならんのよねぇ…
クアドリフォリオと標準車の車幅の違いはオーバーフェンダーによるもの。実物でみると結構主張が激しい。
ワイドなタイヤを履かせるために前後に装着されたオーバーフェンダーは特にリアの主張が激しい。標準車との50mmの全幅の差はこのオーバーフェンダーの差。
リアゲート
ここはちゃんと電動。当たり前だけど、このクラスで手動のモデルは日本では売られていないはず。
輸入車にしてはかなりゆっくりめに開く電動リアゲート。任意の場所で開放度合いを変えることができるので、駐車環境に応じての設定は必須。
面白いのが運転席から開けしめできるが、スイッチが窓のスイッチと同じような形状(ミラー設定のダイヤル前にあるやつ)。窓を開けるようにリアゲートを操作できる。間違えて操作することはないだろうけど、万が一を考えると窓のスイッチが並んでいたりするパネルからは独立させたほうがよいのではw
その他
かなり独特なデザインのクアドリフォリオ専用ホイール。5本スポークというのか10本スポークというのか…なかなか表現にこまるデザインだ。
ホイールは20インチ、後期型では21インチが採用され、とにかくでかい。独特なデザインで社外ぽいので交換の必要もないかな?という気がするけど、そもそも交換できる社外のホイールがPCDやインセットの関係でかなり限られる。
プラットフォームを同じくするジュリアよりも巨大でワイドなタイヤを履き、見ている感じだとジュリアのほうが履けるホイールは多そうだ。
タイヤはフロント255/45R20、リア285/40R20の前後異径サイズ。AWDなので前後同径が基本のはずが、ステルヴィオは基本FRベースなので異径のようだ。もちろんハンドリングのためだろうが、SUVでここまでガチる人ってどれだけいるの…
タイヤはとにかくでかい…固定資産税がかかりそう(何
純正でピレリのP ZEROを履いているが、まぁいいお値段する。4本買えばほぼ20万円なのでいっつもよくわからない数千円のアジアンタイヤを履かせている自分からすればえげつない金額で、1本あたりの金額がバイクのリアタイヤよりたかいクルマって初だわなぁという気がする。
タイヤが選べるほど種類が出ていないのも厄介なんだけど、パワーもトルクも重量もとにかく桁違いだし、タイヤに依存しているところはかなり感じるのでアジアンタイヤがあったとしても履かせるかは悩みどころ(履かせるなよw)。
ハイパフォーマンスカーを維持するには、とにかく札束で殴る運用が求められるとまず先に感じる部分だし、目に見えてタイヤが減っていくので精神衛生上クソ悪い(ぉ
クアドリフォリオのボンネットには熱抜きの穴がある。ハイパフォーマンスカーの証だが、雨が入るので自分的には不要。
ボンネットのダクトは左右6つ開いており、これがV型6気筒を表している…のか?
穴の真下にはエアクリにつながるホースが鎮座する。
好きな人には好きなこだわりポイントではあるものの、エンジンルームが汚れるから自分はあまり好きじゃない。姉妹車のグレカーレ トロフェオはより排気量が大きく、より高出力のエンジンが搭載されるがボンネットフードに穴はない。フェンダーとかに穴を開けたほうが自分は好きかな…
エクステリアではないけれど開けたついでに。補強もしっかりしており、ジュリアにはないタワーバーがあったり、バルクヘッドをつなぐ斜めの補強があったり、ボンネットがダブルロックだったりフロントの剛性にはかなり気を使っている。ハンドリングマシンに仕上げようという努力が見える。
羊の皮を被った狼である
バンパー形状は標準車とは違うが、それに気づくのはオーナーくらい?
外装は標準車よりも主張が激しくなっているとはいえ、その違いに気付けるのはオーナーくらいなもので、そもそもステルヴィオ自体がそんなに走っていないクルマなのでよほどクルマが好きでもない限りは普通のSUVにしか見えない。
グレード名のエンブレムはなく、フェンダーに貼られた一見「グリーン車」のマークのみがクアドリフォリオであるささやかな主張。
他のブランドであればリアにエンブレムなどが貼られ、後続車に自らが高性能車であるアピールをしがちだけれど、アルファロメオはそんなことをしないらしい。
車名とAWDであることを示すQ4エンブレムだけ…ディフューザーや4本だしのマフラーは確かに高性能車の装備ではあるものの、最近はデザインだけの4本だしやディフューザーを装着されたSUVもあるにはあるのでそれだけでは見分けがつかない。
だからというわけではないのだろうけど、そこそこのワインディングで国産のスポーツカーにピタ付されたり、まぁ高速道路でもアオリ気味にされることが結構ある。。。でも、国産車でこれに勝てるスポーツカーは稀だし、たいてい一瞬で蹴散らせる。
無知な人には普通のSUVにしか見えないのでそりゃ仕方がない。それがいきなりとんでもない音をマフラーから出しながら、とんでもない勢いですっとんで行き視界から消えたら「なんぞ?」って思われても仕方がない。
派手なアピールもいいにはいいけれど、ある程度落ち着いてきた大人にはこういう自己主張が低めなんだけど性能は高いモデルが好意的に感じられる。
そういえば、自分の車歴はそういう見た目がおとなしい高性能モデルがそこそこ多かった気がしないでもない。
ステルヴィオがいいなと思ったのは、こういうおとなしいエクステリア(本当におとなしいかは怪しいけど)が好意的に捉えられたからってのはあるね、間違いない。
インテリア
シート
イタリアのレザーは本当にいいものだ。そして何より、座り心地がフランス車に並ぶ。
SUVとして、ステルヴィオの機能をめちゃくちゃ褒めるとするなら「シート」を自分は1位にあげて褒めちぎる。それくらいにステルヴィオの純正シートはよくできている。
ヘルニア持ちの自分は、ドライビング云々以前にそのロングドライブを頻繁に行うことから腰が持たなくなり社外のフルバケ(というよりRECARO)に交換してきた。これまで買ったクルマは、そもそもシートレールが存在しなかったフィアット500Xを除き、すべて、例外なくシート交換した。
その交換できなかった500Xは、大阪までの距離を走るとヘルニアが顔をだし、帰り道は死にかけていた。その忌々しいトラウマから、同じ元FCAグループの車種なのでシートは期待していなかったけれど、よい意味で裏切られた。
サイドのランバーサポートはかなり狭く、そしてエアを入れて硬さを出せる。
腰痛持ちはクアドリフォリオを買うと幸せになれると思う、標準車のシートは当然ながらわからないw
運転席/助手席共に電動。中期型以降はカーボン製シートに変わったが、デザインだけならこちらが好き。
中期型以降にスパルコだったかのカーボン製バケットタイプのシートに変わっている。
OPで装着すると両側で60万円なんだっけ?社外品をつけたくても、レカロはシートレールを出していない、ジュリアにはあるみたいなのでぶっちゃけそれがつくんじゃね?という気はするんだけども。。。
このシートの良さはヘッドレストが稼働するので、ヘッドレストに固定するタイプのマウントが使える。
子供を後部座席に乗せたときにモニター(タブレット)があるのとないのとでは…
メガーヌのときはバケットの背面に両面テープでタブレットを装着していたがとにかく不便だった。ステルヴィオのこのシートは普通のシートと変わらないので写真のように
iPad miniも装着できるので、これだけでも子供からすると「クルマを買い替えてもらってよかった」という言葉がもらえる。
運転席まわりで言えばもう1点、輸入車では多くが違和感になるペダルレイアウトについて。
アクセルはオルガン式、右ハンドルの輸入車にしては巨大なフットレストが特徴的だ。
普通、左ハンドル基準で作られた右ハンドル車はペダルレイアウトに違和感を持ちがちで、左右のどちらかに極端に寄る事が多い。ステルヴィオはそう考えるとかなり自然で、自分はアバルト124スパイダーもといロードスターのペダルレイアウトよりも自然に感じられた。
シートアレンジ・後部座席の広さ
ステルヴィオの全長は4,700mmなのでそこまでスペースに余裕があるわけではない。
ミドルクラスのSUVでは標準的な後部座席の広さ。運転席は自分のポジションならかなり余裕はある。子供を乗せるなら十分だし、大人でもそこまで不快ではないはず。シート自体は硬めなので長距離だと印象が変わるかもしれない。
リアにもアームレストがあるのがいい、これがないクルマはセダンだろがSUVだろうが自分の中では候補車から外れるほど(何
リアシートは4:2:4の分割可倒式。
シートの分割、ここはSUVとしてちゃんと考えてるなと妙に感心した部分(ぉ
後部座席を多用する場合、5:5の左右対称や6:4の非対称の場合、アームレストがどちらかのシート(多くは左側に残るんだと思うけど)について、倒すシートによってはアームレストが使えなくなる。自分はスキーはしないけれど、中央だけ倒したりアレンジができるのは割と便利だったりする。車中泊をするときもこのレイアウトの豊富さが結構便利だったりするので嬉しい装備…こういうとこはちゃんとSUVとして考えられている。
収納
センターコンソールボックスは底に深いので割と荷物は入る。
ウィンドスイッチの後ろにも小物は入るスペースがあるし、その下のドアポケットも十分に使える。
助手席側は小さい収納が2つある。
微妙なサイズではあるけれど、この小さなポケットにウェットティッシュやスマホは入るので割と重宝するらしい。
後部座席もこのような感じ。
可もなく不可もなし。
プジョーでは本当にグローブしか入らないグローブボックス。
ステルヴィオのグローブボックスは狭いとはいえ輸入車では見れば十分な容量。
車検証や分厚いマニュアルがちゃんと収まる容量がある。自分は車検証などはラゲッジに移動させたのでここは丸々使えるようにしている。プジョーの場合、ここにヒューズボックスが来るが、アルファロメオのヒューズボックスは助手席のフロアマットをはぐと、ちょうど足を伸ばした先にある。
ラゲッジ容量は自分には十分な広さだ。
二列目を使える状態での容量は525L、東京ドーム換算で…できるか!
容量と書かれても実際のところはよくわからない。ゴルフバックでたとえられても、ゴルフをしない自分には謎のままだし、容量だけでも高さや形状で全然使い勝手は変わる。
自分はボディカバーを収納するボックスを常に積んでいるが、それでもこれだけのスペースがある。正直、キャンプもいかないしこれくらいで十分だと思う。二列目を倒せば当然より荷物は載るし、そのあたりは自分のライフスタイルで考えればよいところ。
アンダートレイは浅めだが十分に荷物は入る。中央のボックス下にバッテリー。
スペアタイヤではなくパンク修理キットは今風。重量バランスのためにバッテリーはジュリア同様にリアに積まれるが、ステルヴィオは中央の三角表示板などの入ったボックスを持ち上げたところにある。
10kg近いバッテリーはラゲッジ下中央部、重量バランスへの徹底した配慮が感じられる。
SUVとしての機能面で見ればなんのメリットもないし、バッテリーがあがりやすいジョルジオ・プラットフォーム車の場合は電動ハッチが開かないとバッテリー充電できないというクソ面倒なことになるので、エンジンルームでいいんだけどなという気持ちの方が大きい。後期型のジュリアもシートが倒れたので万が一のときでも安心できそうだが、前期型のジュリアってどうしてたんだろう…シート外すの??
トノカバーは純正。使い勝手もいい。
OPになりがちなトノカバーも標準装備。
テールゲート側にもトノカバーは残るので、シート側のトノカバーを使わない場合でもある程度の目隠しは残るようです。
あとは謎の小物入れがあったくらい。すべてトータルしても、決して少ないわけでもないし、不満が出るほどでもなく、オーソドックスにまとめられている感はあるかと。さすがに後発で出たSUVなので、この辺はそつなく作っているなという感じ。
ドリンクホルダ
フロントはセンターに2つ、ドアに2つ。リアもドアとアームレストで計4つ
さすがにグローバル化を考えて、アルファロメオもこのあたりからドリンクホルダはまともに使えるものが奢られた。ただ、センターの2つのドリンクホルダはやたら底が深く、短い缶とかだと取りづらくて仕方がない(ぉ
エアコンの吹き出し口にも普通につけることはできるので、自分はスマホマウントもしたいので1つだけにしたけれど、自由度は高い。左右の吹き出し口は丸い形状なので普通のやつはつかないはず。
リアのアームレストもそうなんだけどドリンクホルダとドリンクホルダの間にスマホを指せるような微妙な隙間がある。
何に使うのかよくわからなかったけど、OTTOCASTを動かすリモコンがぴったり入った。
便利なんだか、よくわからないけれど、ないよりはいいんじゃねって気がした。
インパネ周り
デザインに真新しさはない。でも、それは決して悪いことじゃない。
インテリアデザインは好き嫌いがわかれるものの、レトロなデザインは悪くないと思う。全体的にクアドリフォリオは黒基調でカーボンが混ざるので、自分はあとからカーボン調カバーをいろいろなところにつけていった。
プジョーが未来を行き過ぎていたので、そこから比べると…というだけでアルファロメオのインテリアは自分は結構好き。
シートヒーター、ステアリングヒーターは標準。コントロールダイヤルは物理式
最近はエアコンの操作系などもすべてディスプレイをタッチして操作するようになってきている。それはそれでシンプルになるし、物理スイッチがなくなり、ディスプレイだけで制御できればデザインの自由度や部品の共通化も図れて最終的にコスト面も優位になるが、ただ1点、画面が消えたり再起動がかかると何もできなくなってしまう。
オーディオが使えないくらいであればいいけれど、主要装備が使えなくなるのは厄介なのでなんでもかんでもディスプレイ操作というのは少し思うところがあるのでエアコンが独立した操作系になっているのはありがたい。
ただ、そのエアコンの聞き方はかなり独特で、極端に冷えるか、熱くなるかみたいな変化をする。慣れてくるとなんとなくいい感じのところが見つかるが、フルオートなのでマニュアルで操作させないでほしいw
効きとしては今のところは満足だが、夏場がどうなるかはわからない。
アナログ2眼、センターはインフォメーションディスプレイ
この辺のデザインもさすがはイタ車という感じで、レトロでありながらも視認性もいいし、質感もとくに悪いとは思わない。唯一のネックはクアドリフォリオのメーターが330km/h表示で、一般道で使う速度域は見づらいことかなw
センターには速度計が表示できるので、基本はこのレイアウト。前期型と後期型で表示内容が変わっていた気がするけれど、TRIP A/Bや各DNAモード時でGセンサーだったりエコマップみたいなのが出せたり地味に変わる。まぁとはいえ使わない。
レースモードにしたときはシフトインジゲータなどが表示される、これがないとまともに運転できない(ぉ
レザーを多用するインテリアは派手さも真新しさもないものの、長く飽きが来ないようなデザインで自分は好き。ディスプレイもダッシュボードより下になっていて主張が控えめなのも最近の「くそでかい力士(伝わる?)」が住んでいるのかって思うほど巨大なものがつくよりはいい。あのデザインがどうも苦手で、だから自分は国産車をあまり積極的に選ばない。
インフォテイメントなど
前期型にはナビは後付でもつけられない。CarplayやAndroid Autoには対応するが…
ここまでの機能面で見ればSUVとして特段問題はない、実用車としては十分と思えるのだけど自分の一番の不満はここだったりする。
せっかくの12インチモニターも前期型は非タッチ式なのでコマンダーですべての操作を行わなければならない。
こんなコマンダーでナビアプリの操作などできたものじゃない。地図上の移動はまず不可能だ。縮尺を変更するくらいならまだできるが…とにかく不便すぎる。とりあえずCarplay使えるようにしましたよってレベル。
こんな特等席にディスプレイを配置したのに…2019年にタッチディスプレイは存在しなかった技術でも一部の権力者しか使えなかった技術でもなかったはずなのに、なんで最初からタッチ式にしなかった…OTTOCASTを入れたけど、やはりタッチが使えないのはきつすぎる。
カメラの画質もよろしくない、もちろん見えないレベルではない。
画質が悪いのは仕方がない、目をつむれる。それにしたってもうちょいコストをかけてくださいよ…という気がする。
中期型以降はこのあたりが大幅に改善され、インフォテイメントとして表示できる内容が増え、デジタルメーター(油圧とか)やゼロヨンタイムが測れたり、3画面分割していろいろな表示ができたり、トルク配分が見れたり、ともかく面白いものが付いている。
使うかどうかではなく、それらがあることが重要で、前期型はほんとなにもない。空気圧くらいじゃないか、普段見るの…
オーディオはハーマンカードン標準。音質は??
これが300万円のクルマなら納得はできる、でも標準車で当時700万円近く、クアドリフォリオにいたっては1,100万円だったと考えるとちょっと装備面では不満が残る…もとい不満しかないのだと思う。
特に、当時ドイツブランドの高級SUVから乗り換えた勢はこの辺の機能面の不満が多く口にしていたそうだ。あちらもこの当時のSUVはOPつけないと装備がしょぼかった記憶はあるが、付けようと思えば金さえ払えばつけられることと、最初から何もつけられないのでは雲泥の差なのでやはり彼らドイツ車オーナーを満足させるだけのものではなかったんじゃないかなって気がする。
最初は不満だったけれど
乗り出し直後、あまりに同型SUVのプジョーと比べて足りないことの多さに驚いてしまったけれど、実際一週間も付き合うと「慣れる」というよりまぁ十分か?って気がしてきてしまう。
一番の不満であったインフォテイメントにしたって、アバルト124スパイダーよりは充実しているし、前車メガーヌよりもいい。SUVとしてみるから足りないだけで、そもそもステルヴィオの真価はそこにない。
もっとも市場が求める装備がなければこの金額では売れないから、当然マイナーチェンジを経てどんどん充実してはいったものの、根底にあるのはそんな充実装備のSUVではないのは明白。
後発のアルファロメオがそんなところで勝負を仕掛けてもライバルがうじゃうじゃいるこのカテゴリで存在感を出せるわけもない。
アルファロメオがSUVに与えたのはスポーティーさ。クアドリフォリオにいたってはサーキットも走れるSUVという意味がわからないものだ。なのであらゆる不満は走らせればすべてどうでもよくなる。
今度はそんな走行性能についてごちゃごちゃ書いてみよう!
それではよいGWを!