夜と朝の境界線がこんなにも綺麗に見えるんだ…
Day6
美しい幌とはロードスターのこと
北見を出発したのは午前4時40分頃…快活クラブから一歩外にでると「寒っ!」と思わず震え上がる。
何しろ、この時点での気温は3℃しかない。
クルマの窓ガラスには霜が付着し、エアコンを入れてデフロスターで溶けるまで待ってから出発となった。
夜明けまではまだ時間がある。
夜と朝の境界線が美しい…オープンカーの醍醐味というか、寒いけれど屋根を開けていれば信号待ちでふと空を見上げれば満天の星。北海道ツーリングの相棒にアバルト124スパイダーを選んで正解だった。
さて、今日はまず北見から美幌峠を越えて屈斜路・阿寒・摩周の3つの湖を巡りながら根室を目指す。朝4時代に出発しておけば、のんびり行ってもお昼ごろには根室に着けるだろう。そして、夜には釧路まで進みそこで宿泊予定。
美幌峠へ向かう無料の高速区間。
この時間はトラックくらいしか走っていなかった。
ヒーターを全開にしていると、ぬるい露天風呂に入っている気分だ。
厚着をしているが、ニット帽子をかぶらないと頭が痛くなるほどに寒い。一応真冬の服装も持ってきていて正解だった、まさか気温一桁前半まで落ちるとは…
アマゾンで買った格安のTPMSはいい仕事をしてくれる。
空気圧はそこそこ正確として、あてになるのか?と思っていた路面温度測定が意外に正確だったらしい。
北海道らしいというか、たまに道のわきに温度計と路面温度計が設置してあり、そこの数値とTPMSの路面温度の数値が寸分違わぬ値を示していたことで結構あてになるんだなと思った。そもそも路面温度計なんて本州じゃ見なくない?でも、北海道ではこれも必要なものなんだろう。
そんな路面温度計は1℃を下回っていた。
こうなると水がまかれた場所は凍結していてもおかしくはない。慣れていない後輪駆動なので細心の注意を払って進む。
美幌峠手前の並木道。
美しい幌と書いて、「美幌」。幌車であるロードスターの聖地みたいな場所。「おおん?RFとかあるやろ、死ねやボケ」って突っ込みはあると思うが、あれは幌車の派生なのでロードスターは幌だ、いま決めた。
でも、地名の由来はロードスターにはまったく関係なく(当然)、この美幌には大小60本の川が流れ、アイヌ語で多くの清流が合流する水量が豊富な場所を「ビ・ポロ」と呼び、それが訛りビホロ…明治時代に今の漢字表記の地名になったそうだ。
なので、ロードスターは関係ない。ハードトップで来ても問題ない。
美幌から少し北上すれば女満別空港があり、会社の同僚が昔日産に勤めていたとき、陸別のテストコースに行くときによく女満別空港に来たと言っていた。テストコースは陸別だったから、釧路空港よりは女満別の方が近かったんだろう。だから、その途中にとおる美幌にも聞き覚えがあると言っていた。
長い並木の直線を抜けると美幌峠の入り口になる。
緩いコーナーをいくつか抜けるとすぐに峠の頂上に到着だ。
昨年も美幌峠は越えているのだが、最悪なことに大雨でこの峠は景色がまったく見えなかった。それなのにナビアプリは「景色のよいルートです」なんて案内をしてくれる。
「景色がいい?霧で前のクルマのテールランプすら見えねぇよ!」
雨と寒さと霧と…はじめて走る道で路面状況もさっぱりわからない中、半ば怯えるようにアクセルを開けて、気が付けばこの頂上も通過していたことを思い出した。
天気がいいとこうも違う。
美幌峠からは屈斜路湖が見えるらしい。
この時間は湖の代わりに雲海が見えた。
これは感動の光景だった…周りで写真を撮る人も、誰もひとことも発しない。風の音だけが聞こえる静寂の時間と雲から姿を見せる朝日。いちいち自然な風景に感動できるのが北海道。日本でも、ここまで多くの絶景を有するところは他にないと思うし、そういう意味ではパスポートのいらない海外気分を味わえるのがいい。
晴れていれば日中はちゃんと屈斜路湖が見えるはずだ。
まぁ雲海が見えたので文句はない。
本当に今年は天気に恵まれていてよかった…
これだったらバイクで来てもよかったんじゃないか?と一瞬思ったが、X-ADVを売ってイタルジェットを買ってしまったから積載力のあるバイクは我が家にはもう1台も残っちゃいない。
ZH2にパニアを付けることもできるっちゃできるが、自分はあのバイクにパニアを付けてまでツアラーにしたいとは思わない。なんで軽量(重い)ネイキッドスーパースポーツにキャリアやパニアを付けてまでツーリングしなきゃいけないんだ…と。そこまでするなら最初からアドベンチャーなりツアラー系を買う、H2シリーズであればH2SXを買ってから来る。
本当に今の所有バイクで北海道に来るのであれば、多分キャラバンとかを買って積載で来るだろう。そのほうが気兼ねなく楽しめる。
そういう所有バイク事情もあって、今年はオープンカー(和製英語)を買った。
ヘタレと言われようが、別にバイクで旅をしたいわけでもないし、走れれば四輪だろうが二輪だろうが構わない。ただ、それでもバイクを選ぶのは開放感があるからで、同じような開放感が味わえるオープンならそれでいい。荷物のパッキングにも頭を悩ませないし、雨が降っても、最悪宿なき子になっても車中泊ができる。
バイクはバイクで楽しめばいいが、今年の北海道に関してはアバルト124スパイダーが自分にとっての最適解だったと北海道から戻った今でもそう思う。
霧の屈斜路、寒いぞ阿寒湖
路面は濡れているが、凍結はしていない。こんな頂上でも気温は美幌の平地と変わらない3℃をキープしている。
このクルマの温度計、センサーがどこにあるのかわからないが、比較的高い温度だと2~3℃高い数値を示すが、寒くなるととたんに外部の温度計と同じ温度になる。だから、寒い今はきっと3℃なんだと思う。
どんなに寒くても、オープンカーをクローズにしたら負けだと思うので、この日も雨が降らない限りは原則オープンで行く。前にも書いたが、北海道はそもそも人が少ないので、貴重品さえ手持ちしておけば駐車中にオープンにしていても安心だ。動物が入り込むリスクはあり、そっちのほうが人間より恐ろしいちゅうところはあるんだけどさ。
美幌峠を屈斜路側に抜けると、霧がかってきた。
イニシャルDじゃないんだぞ?って感じで霧に突入する。
霧の摩周湖ならぬ、霧の屈斜路湖(畔)になっていた。
ニット帽子越しにも冷気が強くなっていることを感じる、頭痛がするほどに寒い。
美幌峠頂上では3℃あったのに、下界に降りたら1℃まで下がった。
走行風が当たる頭頂の体感気温としてはとっくに氷点下だろう…そりゃ頭痛もする。
日が出てきたので放射冷却の影響だろう、多分。
タービンの回りはいつになくスムーズで、エンジンパワーもより強く感じられるが、ヒーターがあまり意味をなさないほどに寒い…上着がもう一枚は必要だ。
摩周温泉を抜けてR241を摩周湖方面へ向かう頃には霧も晴れた。
長いストレートの先は連続カーブの峠が待ってる。お世辞にも直線が楽しいと言えるクルマじゃないから、ステアリング操作を堪能できる峠道が来るのは嬉しい。去年はこの逆ルートをで美幌に抜け、そのまま旭川まで行った記憶がある。今にして思えば、よくわからないルートを通っている。
溝落としができそうなコーナー…
速度が出ているように見えるけど、実はこれ法定速度以下である。。。前を走るレンタカーがとにかく遅い、譲らない、、、本州の走りを北海道でしちゃだめだ。遅いクルマは道を譲る、それはトラック相手でもだ。さもなくばダンプだろうとなんだろうとありえないところで怒りの追い越しをかけてくるw
というわけで、昨年同様に阿寒湖の湖畔へ。
時間が早いこともあって、全然人がいない。まだ7時前、そりゃそうだろうという気もする。こんなところで写真を撮ったりしていたら、寒い、温いの寒暖差に身体が耐え切れず突然の腹痛に襲われる…阿寒湖のバスターミナルがなければ、人権を守るために大自然に何かを返すところであった…ありがとう、バスターミナル(´;ω;`)
一敗一勝
阿寒湖の次は、来た道を戻り摩周湖へ向かう。
去年は立ち寄った硫黄山だが、今年は寄らない。
それよりも摩周湖だ。
霧の摩周湖と呼ばれるほどの摩周湖、摩周湖の湖面が見えると婚期を逃すというほどに霧がかかるという噂だが、実際昨年はまったく見えなかった。霧といっても種類がたくさんあるようで、この朝に美幌峠でみた雲海は朝方によくみられる放射霧と呼ばれるものだろうと思う、屈斜路湖が冷やされることで発生したものだ。
摩周湖の場合は立地的な条件で、複数の霧が発生しやすい状況が生まれており、朝の屈斜路湖と同様の「放射霧」、標高850mを超える場所にある湖のため、山を登ってきた水蒸気が湖だけでなく山全体をも覆いつくす「滑昇霧…この滑昇霧は昨年の状況がまさにそれで湖どころか何も見えなかった。そして、釧路の海の方から流れ込んでくる「移流霧」と呼ばれるもので、これは晴れていてもあっという間にその場が霧に覆われる状況になるそうだ。
そうした複数の霧が発生しやすい場所にあるため、特に夏場は霧の摩周湖の状況が多いらしい。ただ、観光シーズンの5月から10月までの半年180日間でまったく丸一日見えなくなる日は30日もなく、一日中見える日は100日もあるというのだから勝算は高いんじゃなかろうかという気もしないでもない。
摩周湖に上る道、昨年はこの時点で霧がかかっていたのであきらめたが、今年は快晴だ。
「これはいける!」途中で、そう確信した。
というわけで、大勝利!!(´;ω;`)ブワッ
同じ場所の去年の写真…
最早何が何やらw
周辺がこの時点で諦めた…とにかく去年は天気に見放されていた。
天気が良ければ先ほど通ってきた硫黄山もはっきり見える。
摩周湖が晴れている代わりに、遠くに見える屈斜路湖は完全に霧の中だ。この摩周湖横の駐車場は見晴らしがよく、美幌峠や阿寒の山のほうまではっきり見えるのでお勧めできる。この先に500円だか払って入れる展望施設もあるけれど、お土産を買ったり、トイレに用事があるのでなければ自分はこの無料の駐車場だけで十分だと思う。
お腹が痛くて人権を失う寸前だったから500円払ったけどさ(ぉ
ここからの見晴らしも、湖だけを見るなら悪くない。
軽食を取りながら眺められるので、観光客向きだろう。
ただ湖と反対側の山の景色が見たいのであれば、先ほどの駐車場で十分だ。
お土産コーナーは充実しているので、それ目当てで寄るのも悪くはない。
諦めが肝心ということを教えてくれる、素晴らしいシャツを思わず買いそうになった。
裏摩周へ
この天気なら裏摩周の展望台に向かってもいいだろうと、反対側へ回ることにした。
ここで展望台に向かわず直進すれば、あの有名な神の子池がある。
天気もよかったし、混んでそう…なにより去年行った場所なので今年は寄らずに、去年行かなかった裏摩周展望台だけ行くことにした。
表側と違い、ただ展望台があるだけなので人は少ない。
そりゃヒグマだって出るだろうよ…
展望台は3年くらい前に整備されてできたもので、非常にきれいだった。
対岸が先ほどまで居た表側になる。
湖面に見える小さな島はカムイシュ島。普通の島に見えるが、湖面に230mまで伸び、底面は1kmにもわたる溶岩ドームらしい…そんな風にはまるで見えない。
大昔はこの張り出した部分がなかったようで、もっと広い摩周湖だった模様。
自然って凄いね…(´;ω;`)ブワッ
先へ進む。
聖地へ
メジャーな表摩周とは違い、裏摩周はルートがそもそも異なることから「あえて」行こうと思わなければいけない場所にはなるが、ツーリングという意味では神の子池や、その道中の道が実に北海道ぽいので行ってほしいと思う。
ヤフーニュースだったかで取り上げられた「牛」の文字。去年、神の子池から開陽台に行く途中でみかけた。
大文字じゃなく、「牛」…さすがは北海道。
そして、やってきたのは開陽台。
ライダーの聖地にクルマで来る愚行よ(何
小説で知った場所だったが、去年はじめて訪れたときの感動は凄かった。
さすがに二回目なので、当時ほどの感動はないけれど、展望台からの景色は絶景なので、聖地じゃない人にも足を運んでほしい場所。
周りが牧場になっていて、街の酪農家から牛を預かって放牧させているそうだ。
ナイタイ高原牧場もそうだけど、こんな広大な自然の中で放牧されて育ったら、そりゃもう立派な牛になるだろうよと思わずにいられない。
天気に恵まれたのが本当によかった。
むしろ、展望台にあがるだけで汗をかくくらいに暑い。北海道にいるはずなのに「暑い」と感じてしまう異常な気温だ。
日が落ちると一気に寒くなるので寒暖差が激しい、風邪をひかないように服装には注意しなきゃな。。。
この圧倒的なスケールの景色は本州はもちろん、九州でも見ることはできない。全国津々浦々を走ってきたけど、北海道ならでは。周りの道もTHE北海道を感じられる直線ばかりなので道東に来るならぜひとも行ってほしい。
背景に見える山は羅臼だろう。
道ずたいに進むと60kmほどだが、北海道時間なら1時間かからないはずだ。これが関東圏だととても下道で進もうとは思えない距離になる、走ることが好きな人にとってストレスフリーな北海道は本当に最高だ(´;ω;`)b
謎のスポット
えぐいハヤブサを横目に根室に向かって出発する。
オープンにしていると、日差しがきつい。。。
気温は20℃だが、体感気温は30℃近いように思う。なんで北海道に来てまでオープンにして、エアコンを全開にしなければならんのだ。。。
中標津から根室までは内陸を突っ切れば最短のようだが、海を眺めながら走れる道が好きなので一旦海沿いを目指した。
平日日中なので酪農のどでかい耕運機?のようなマシンが多く走っているので、巻き上げる砂などを食らうなら、そういうくるまが少ない海沿いの方が走っていて気持ちがいい。
根室に南下する途中、GoogleMapで変な場所を見つけたので進路を変えた。
場所は風蓮湖の左側の砂州の部分になる。
昔、漁師が実際に使っていた小屋とかなんとか。
いい感じに3軒並んでいるので三匹の子豚の家なんだろうね。それにしても、クルマが酷い汚れになっている…近くで写真を撮るとかなりひどい。ふくぴかで汚れが広がっちゃった感じだな。。。今日は無理としても、明日には一度洗車がしたい…ただ、道具を持ってきていないのでカー用品店に行こう。
珍妙なスポットのあたりから、これから向かう根室が見える。
最大望遠だと近くに見えるが、風蓮湖をぐるっと回る形になるので距離はある。時間にして1時間弱くらいかかるだろうか。
風蓮湖は汽水湖と湿地帯からなる湖、面積は日本で14番目の大きさらしいが、14ともなると最早誰も気にしない大きさだ。風蓮はアイヌ語の「フーレ・ペッ(赤い川)」から来ているそう。「やち」の中を流れてくるから有機鉄を含んで赤い水になり、それが流入することから来ているそうだけど「やち」って何?w
先日の野付半島と同様にラムサール条約によって保護された場所の1つで動植物、自然にあふれている。
だから、狐も当たり前にいる(ぉ
先日の狐同様に非常に賢く、人を恐れない。
惹かれないように白線の外側を歩きながら、視線を合わせて近づいてくる。
突然飛び出してくるその辺の老人よりずっと賢い(暴言)
モフりたいけど、モフると死ぬ(ぉ
ごめんな、エサはあげられない…
北海道の堤防で整備されていない自然味のある川を眺めながら、先へと急ぐ。
最東端の地へ
去年、根室の帰りは確か豪雨だった、そこだけははっきり覚えている。
今年は快晴だし、雨の気配はまったくない。
クルマとはいえ、オープンカーなので屋根が開けられないと開放感は薄いし楽しみは半減するから、晴れていてくれるのは本当にラッキーだ。
納沙布岬に到着したのは13時半だったので、先に昼食を食べることにした。
去年もここで食べた。
まったく同じカニ丼をw
好き嫌いが激しく、食べ物ですぐにお腹を壊してしまうから冒険したものは食べられない。またいくらが苦手なので、この辺で海鮮丼を頼むと高確率でいくらが載るので、それを避けるとシンプルなこういうものが一番ってことになる。
茹でてあるからお腹も壊しづらい、先がまだあるツーリングなのでトイレで時間を奪われるのはきついのだ。。
北海道ツーリングも折り返し地点だ、ここでお土産を入手しておく。
北海道でリモートワークはしているとはいえ、基本出社じゃないと片付かない仕事が多数ある中、ほとんどの仕事を放りだして北海道に来てしまった。そもそも、10月の長期休暇は上司が苦虫を100回くらいすりつぶした顔で「できればやめてほしい、というかやめろ」くらいの圧をかけてくる中で無理やり休暇申請のボタンを押した。
そもそもどんなに遅くとも9月には北海道に渡る予定だったのが、拒否権なしに突っ込まれた案件のせいでここまで遅くなった、これより遅くなればもう雪で北海道はいけなくなる(スタッドレスを履けばいけないこともないだろうがw)。
まーそんな不満はあれど、上司ひとりにすべて押し付けてきたこともあるので、地ビールとつまみを大量に買い込んだ。なんだかんだ数万円分のビールを買ったので、そののち出社したら「これだけもらえるならまた休んでくれ」と言われた、そういう対応って必要だよね、知らんけど。
X-ADVに次いで、アバルト124でも最東端を踏んだ。壊れずに、ちゃんと回れているので、アバルトブランドとはいえマツダ製だから信頼性は高く、このツーリングでもなんの不安も感じさせない。距離は7万km近いけど、エンジンチェックランプが消えないことを除けば安心安全の国産クオリティだ。
時刻は14時を回る、今日は時間的にも釧路で宿泊になるだろう。
アバルト乗りの聖地
さて、釧路を目指そう。ここからだと130~140kmくらいだ。雑すぎるだろ、距離のカウント…って思うけど北海道に来ると10kmどころか、50~100km程度読み間違えてももはや誤差に思えるほど大した距離じゃないと思えてくる。
130kmって都内から群馬くらいの距離で、平日日中にそんな距離を下道で移動しようものなら3時間で着けばよい方だし、信号と渋滞で到着したころにはぐったりだ。北海道はそんなことなく、100kmは家の隣のコンビニに行く感覚だ。
新築中?なのかわからないけど、自衛隊の施設を横目に…せっかくだからと最東端の駅にも立ち寄った。
ここ、去年X-ADVで来た時に砂利に足を取られて転びそうになったし、なんならリアタイヤが埋まって荷物を全部おろして頑張って掘り出した忌々しい場所(ぉ
釧路までは123kmだ。
123kmと言っても信号は数えるほどしかないく、ほとんど止まることはない。
そんな釧路の手前にある浜中町には当然、寄らなければなかった。
ここはルパン三世の作者、モンキー・パンチ先生の生誕地だ。
日本にアバルトの名を広めた1つにルパンは絶対にあると思っている。
高校のとき、たいしてクルマに興味もなかった自分だったが、友達がルパン好きでアバルトをやたら推していてそのブランド名を知った。
まーチンクじゃないんだけど、124の後ろにいるルパンは最高に決まってる。
クルマのイメージ的には次元ぽいなとは思ったがw
前回は駅からそのまま内陸で釧路に向かったが、この浜中は霧多布岬でも有名で、この霧多布は去年完全に頭から抜けていて寄らなかった場所でもあった。
茶内駅から海沿いに抜けると、いきなり視界が開け視線の先にグランドキャニオンのようなものが見えて思わず「すげー!!」と声を出しちゃった。。。
あれは嶮暮帰島という、「けんぼっき」と読むが、初見では絶対に読めない。現在は無人島になっているが、1800年代には岩手県からの移住者がおり、1970年代にムツゴロウさんが短期間住んでいたこともあったそうだ…なにやってんのムツゴロウさん。。。
昔は干潮時に陸続きで渡れたように、本土との距離は600mほどと近い。周りが湿原であり、高い建物もないからグランドキャニオンのように見えるのが凄い。
そんな湿原を一直線に抜けたところで、ガソリンが釧路まで持たないことに気づいて慌てて給油を済ませたが、あまりに高かったので釧路まで行ければいいやと10リッターだけ補充した。
夕暮れ時の霧多布は控えめに言って最高だった…真っ赤に染まる道を走る。
この時点で16時を過ぎていた、日没は確か16時40分とかだっからもうあと数十分で日が沈む。
風も強く、ひんやりしており、日中とは打って変わり上着がないと耐えられない。
オープンでも上着を着てヒーターを付ければ、それはそれで結構快適なので悪くない。
動物の時間が訪れる前に、なるべくなら森区間は抜けてしまいたい。
先を急ぐことにした。
浜中の役場近くにはルパン的な施設がいくつかある。
現在休業中だが、ここがやっていたら絶対に寄っていた。。。
先ほどの嶮暮帰島の横をはしり、地形に沿うように釧路方面へ進むことにした。
釧路
高低差の激しい道を進むと、高台にパーキングがあった。
先ほど通ってきた浜中の市街地が一望できる。
あのあたりが霧多布岬へ向かう道で、次元Barなどがあったあたりだ。
下を走っているときは気づかなかったが、凄い場所にある…海抜1mもないんじゃないかというくらいに平たい。気づかなかったが、実際こんな低さだから津波被害も大きいみたいで、街は15m級の堤防に囲まれた壁の街みたいになっているそうだ。
湿原があり、霧も多く、豪雪地帯に指定され冬場はマイナス20℃まで気温が下がる…壮絶な場所だった!
霧多布川はよくよく見ると本土とは橋でつながった離島になっている。
霧多布大橋自体が15mしかないように、ほとんど本土と一体みたいな距離感なので最初は陸続きに見えてしまっていた。。
ここから先は森の中を突っ切る道だ。
案の定というか、想定どおり、路肩には鹿がたむろし、道路には狐がいる。鹿を警戒してそこまで速度は挙げなかったが、それでも数回ABSが効くほどのブレーキを余儀なくされた。。。
鹿との衝突が多く報告されており、同じころに北海道に行った人が鹿に追突された報告をあげていたので、たんに運よく鹿と衝突しなかっただけで、運が悪ければ五体満足なアバルトで本州への帰還はなかっただろう。
なんかだかんだ釧路まで2時間半をかけて到着。
2日ぶりなのでコインランドリーで洗濯をしている間に、隣にあるスーパー銭湯へ。カラス行水なのでさっさとあがり、飯前にランドリーに戻り乾燥機にぶちこんでから待ち時間で晩飯を済ませる。
大変美味だった。
そこまで距離を走った感じがしないが、640km走ったらしい。
少しアベレージが高く、平均燃費は落ちたがそれでも満タン法では16km/L近かった。
自宅を出発して6日目、総走行距離は2800kmを超えた。
そろそろオイル交換の時期だ、どこかで一度交換してから本州に戻りたい。
この日の宿泊は去年もお世話になったゲストハウス。
別に疲れたわけではないけれど、明日は釧路で用事があるので、それを済ませてから、あまり移動はせずにお土産を買ったり帰還に向けた準備をしたい。