ぴよこ☆くらふと☆わ〜くす

イタイタしい生活を送ってます。

戦犯!の撤去

限界突破しているブースト問題を解消させる!

無限(限界はあります)ブースト仕様

ボナルーメ製「強化アクチュエータ」。役割としては、純正よりアクチュエータが開くタイミングを遅くすることで、より高ブーストをかけることができるようになる。

ターボカーは自然吸気エンジンに比べるとお手軽にパワーアップする術がいくつかあり、そのひとつが「強化アクチュエータ」に交換すること。

 

大前提として、ターボの構造的な話になるけれど、ターボは排気ガスを利用してタービンを回し、圧縮空気をエンジンに送るようになっていて、排気ガスの圧力がたかければタービンはより高回転になりエンジンにその分空気を送り込んでパワーを出せるという代物。

 

ターボチューンの定番であるブーストアップは、この排気ガスの圧力をコントロールして任意のブーストに合わせることでノーマルよりもパワーを出せますよってやつ。

 

そのタービンの圧力をコントロールする機構のひとつがアクチュエーター。通常はバネの力でタービンのある弁を抑えておき、一定のブーストがかかると圧力でバネが押されて弁が開き、タービンから圧力が抜けてそれ以上ブーストがかからなくなるという、ざっくり書けばそんな感じの役割を果たしていて、ノーマルのアクチュエータはタービン保護のため割と低いブースト圧で弁が開くように弱いバネを使っており、強化アクチュエータは硬めのバネ(バネレートが高い)を入れることで、ノーマルエンジンでもより高い排圧をかけないと(アクセルをめっちゃ踏んでエンジン回すとか)アクチュエータが動かずタービンの弁が開かないから、よりタービンは高回転・高ブーストをかけることができるよってことらしい。

 

数万円で導入できることや、ノーマルECUのままでもブーストアップができるお手軽さからターボカーもそうだし、アバルト界隈でも割と定番チューンらしい?

piyoco-craft-works.hateblo.jp

先日ECUを書き換えた際、ブースト制御ができなくなった。

ブースト2.0は湾岸ミッドナイトの世界みたい!なんて言っている場合じゃない。エンジンかタービンがブローします。

そもそも、自分のアバルト124スパイダーはスリーハンドレッドのECUを入れる前にほかのショップでECUを入れ、それと同時に強化アクチュエータ・強化ディバーターバルブ・ディバーターバルブアダプタの3点セットも組んでいる。

ハイブーストの保持とレスポンスアップにもつながるらしいディバーターバルブ。ECUチューンで純正より高いブースト圧をかけるときには一緒に入れた方がいいとお勧めされたもの。

以前のチューニングECUはこれらのパーツを装着すること前提のものだったけど、スリーハンドレッドのECUはあくまでエンジンや周辺機器はノーマルであることを前提としたチューニングになっているそう。

 

タービンは純正ながら、ECU側の設定ブーストが変わっているのだろうから、強化品を入れていると排気の抜けがよくなって排圧が下がり、ノーマルでは開いていた弁が逆に開かなくなるという現象が起きる可能性がある。そのため、巨大なタービンを付けたり、マフラー交換とかで排気の抜けがよくなる場合は逆に弱めないとアクチュエータが動かなくなりブーストが想定より高くなるということらしい。

 

なので、強化品との相性がすこぶる悪い…しかし、残念なことにショップで強化アクチュエータに交換してもらったタイミングで純正アクチュエータは処分されている。。。これ、あとから気づいたんですが純正アクチュエータだけって部品が出ないとのこと。

 

タービンASSYになる(もう何十万かかるかわからないw)話なので、純正に戻すことができなくなったうちのアバルト124スパイダーは、もともと入っているボナルーメの強化アクチュエータがプロフェッショナル仕様であり、簡単にバネレートを変更することができることを利用して限りなく純正に近いレートまでセッティングしてみることにした。

アクチュエータを調整した…だがしかしたかし?

「+」方向でテンションがかかり、「ー」方向でテンションが抜ける。この時点では限界まで「+」になっており、ウォーターポンププライヤを使わないとびくともしない状態だった。

このボナルーメのアクチュエータ、特にマニュアルがあるわけでもないのでどうやって調整すんの?って話…一応Youtubeとか、みんからに車種は違えど記事をアップしている人がいて「本体を回せ」とあるんだけど、これが手で全然回らない。。。なので、違うところを回していると勘違いしていたんだけど、単純に硬く締まりすぎていたので、ウォーターポンプのようなつかめるもので「ぐい」っとやれば一発だった。

夜な夜な調整をしては走りこむ…それを会社終わりに数日繰り返すが…?

アクチュエータの動作確認は高負荷をかけないとはっきりとした結果がでないため、シャシダイに載せて高回転までぶん回すかするしかないけど、そんなことを一般人ができるわけがないので、セッティングしては某東京Nurに繰り出して「走ってはパーキングで調整する」を繰り返すしかなかった(´;ω;`)

一番緩めて最初はいい感じにブースト1.5くらいで落ち着いたなと思っても、そこからゆっくりアクセルを踏み込んで負荷をかけるとなぜか2.0を超えるところまでブーストが行ってしまう。

 

低負荷だとある程度の落ち着きは見せるが、高負荷だとハイブーストになるという謎の現象が起きている…

 

アクチュエータを弱めすぎて、走行中に分解して中のバネが「こんにちわ」しちゃうレベルにまでなって慌てたりもしたけれど、とにかくブーストが不安定だ。

 

そもそも起きている現象が不可思議すぎた。アクチュエータのスプリングレートが弱くなっているなら、低負荷で開いたアクチュエータが高負荷で急に閉じるなんて動作は原理的にあり得ない話じゃない?

 

排圧がかかるからバネが動き、アクチュエータロッドを動かしてタービンの弁を動かす…そんなシンプルな動作しかしていないはずなのに、なぜそんなことが起きるのか?

戦犯を発見した。

意外な原因…でも、アクチュエータの動作原理を理解していれば納得のいく話ではあった。

そんなとき、思い当たることがひとつだけあった。それはアクチュエータの動作原理を考えていけば自然にたどり着く話だった。

 

ターボカーの醍醐味である大気開放のサウンド、あれを聞くためだけに装着していたディバーターバルブアダプタ…これが悪さをしていた。

 

ディバーターバルブアダプタはON/OFF機能付きなので、一旦オフにしたところ、アクチュエータでセッティングしたある程度のブースト圧でちゃんと落ち着くようになった(´;ω;`)

 

ディバーターバルブアダプタはアクチュエータの手前にあり、高負荷になると排圧を大気開放して「プシューン」というあのターボならではのサウンドを奏でる。この高負荷というところが鍵で、低負荷であれば大気開放されず、そこそこの圧がアクチュエータのバネを動かしてタービンの弁を開くような動きになる。

 

逆に圧が高くなるとアダプタから大気開放されてしまい、アクチュエータに全然圧がかからずバネを動かすことができずタービン側の弁は閉じたままでブーストは高負荷をかけ続けている限り無尽蔵(壊れるまで)かかりつづけるということみたいだ。。。

無駄なものは撤去しよう

ディバーターバルブアダプタを外すとボルト長が変わるのでホームセンターでボルトを買おう。

強化ディバーターバルブとアダプタの組み合わせの場合、長めのボルトを買わないと付かなかった関係で、アダプタを外すと今度は短いボルトを用意する必要があります。ざっくり20mmくらいは短くなるはず。

ボルトは3か所、見える位置に2か所と下側の1か所でした。

ここが緩めづらいので舐めないように注意。

同じマルチエアエンジンを積んでいたフィアット500Xにもディバーターバルブアダプタを装着していましたが、体感では500Xのほうが交換はしづらかった記憶が。。。

どんなボルト長が合うかわからず、1本十数円なので適当にM6だったかの長さ違いのボルトをそろえました。確か35mmで良かったはず。

この仕様で乗ってみて、問題がないことを確認。

 

ノーマルモードでは最大ブースト1.5弱、オーバーシュートでも1.7前後。スポーツモードはマフラーの排圧が抜けるからかオーバーシュートで1.9くらいまでいくもののすぐに1.5以下で落ち着く。トータルでは1.0Bar付近で落ち着くようになった。

スリハンECUはとにかくパワーもトルクも出ていてアバルト124スパイダーの性格を豹変させる。同じチューニングECUでもショップの考え方で全然キャラが変わるから面白い。

セッティングが出たあとのアバルト124スパイダーは、以前のECUのときよりもすべてが過激になっている。

 

過激とはいえ乗りづらいわけではなく、低回転からトルクが出ているので踏まなくてもかなり楽しいし、街乗りはノーマルモードのかったるさが消えて逆にチューン前よりも乗りやすいくらい!

 

高回転でもパワーは垂れず伸びていくのでリミッターカットもあって180km/hは余裕で超えられる、前のチューンドECUでは150km/h以上の伸びがそこまでよくなかったので明らかにスリーハンドレッドの方がパワフルだ。

 

ただ、どちらがよし悪しって話でもなく、そこはショップのカラーだと思う。

 

パワーやトルクを出るようにすれば、当然それは負荷としてエンジンやタービンなどにダメージを与えて寿命にも影響する。マージンをどこまで取るべきなのか?それをとった上でノーマルよりも詰めたセッティングでよりアバルトを楽しいクルマに作り替えるかって話だと思うので、そういう意味でも自分にあったセッティングをしてくれるところを見つけるべきなんだろうねと思う。

 

時間はかかったけど、やっとまともに走れるようになってうれしい限り!