ボディ補強いくぜい
AISIN ドアスタビライザー
お手軽ボディ補強第一弾!前々から「効果あんの?」と気になっていたドアスタビライザーを導入する。
AISIN製ということからもわかるように、元々はトヨタ車のアフターパーツとしてラインナップされ、ドアストライカーとドアの間に生まれる隙間を埋め、ボディとドアを締結させひとつの箱にすることで剛性をあげて、ステアリング操作に対する追従性をUPさせるような代物らしい。
トヨタ車がメインなので、さすがに世界一売れているオープンカーであるロードスターとはいえ、専用品はない。
ただ、ストライカー部分を長穴加工したものが某ショップから販売されており、ロードスター乗りにとっては割とメジャーな商品になっているようだ。
そういうところがロードスターをベースに持つクルマの魅力だ。こんなパーツ、普通の輸入車だったら自分で適合を確認する人柱になるか、マニアックなショップが大した需要もないがユーザーのためにと出すのを待つしかない、専用品があったとしてもバカ高いだろうし、特許の話もあるから中華性とかでもない限りは難しい。
純正のストライカーを外して交換するだけだ。
両側合わせ15分もあれば終わる。
確かに、ドアが閉まりづらくなったので、中途半端な力で押すと、特に助手席側は半ドアになりやすくなった。だから、密着させるという点では間違いなく変化がある。
実走してみると意外なほどに乗り心地に変化を感じる。上下方向への突き上げは確実に大きくなった。足を変えていないのに、減衰だけが上がったような印象だ。車高調など減衰がいじれるのであれば、これに合わせてリセッティングしたほうがいいだろう。自分のはダウンサスなので、この乗り心地を受け入れるしかない。
街乗りではネガな印象しかなくとも、高速域ではポジティブな変化がある。高速域でのコーナーリングで、ボディがかなりしっかりとした。わざと急激な荷重移動をさせてボディに横Gをかけても以前のようにへにゃっとした感覚はなく、タイヤをしっかりと路面に押し付けてくれている。
小さな部品だが侮れない。
強めのブレーキで減速Gを与えたときのフィーリングも悪くない。ブレーキ自体は強化していないが、Gが強くなった(制動力が増した)ように感じられ、タイヤの縦方向のグリップを有効に使えている。
ボディが1本の棒のようになって、変なところに力が逃げなくなったためだろうか?
とにかく、これを装着してネガティブな感じはしない。
ただ、この手のパーツの常で1時間も乗っていると慣れてしまい印象は薄くなる。
ドアウェッジ交換
これも剛性パーツの1つらしい…役割としてはドアスタビライザーとほぼ一緒で、ドアとボディの締結を強めて剛性を高めるやつ。
純正と交換するだけなので、ドアスタビよりも交換は簡単。
純正のウェッジはふにゃっとした感じだったけど、交換品は硬め。スタビと合わせて助手席側の半ドア率が格段に向上(何
これは正直言って変化が乏しいというか、まるでわからない。
ドアが閉まりづらくなったくらい?効果的にはドアスタビと似たり寄ったりなので、相乗効果とかはあるかもしれないが、体感できるほどじゃなかった。数千円で買えるパーツなので、ドアスタビの前にこちらだけ付けると印象は違うのかもしれない。
個人的に「悪くならなければなんでもいい」という考え方があり、その意味では特に悪影響はない(ドアが閉まりづらいだけ)からどうでもいいや。
ニーレックス ナックルサポート・アップグレードキット
これもまたロードスター乗りでは定番の商品らしい。高速域における操舵の不安定感を解消するためのパーツ。
アップグレードキットと装着するとなおよしということで迷わず選択。
バネ下の重量増はほんのわずか、影響は感じられないはず。
らしいよ、なぜに♡マークw
場所が場所だけに自分で取付ができなかったのでKTSさんに持ち込みでお願いした。
このパーツ、KTSさんでも普通に取り扱っているし、124スパイダーを見てくれるショップでも定番なのか普通に扱いがあるので自分で取り付ける自信がなければ、その辺のショップで聞いてやってもらうのがいいんじゃないか感。
持ち上げないと見えない場所に付いている。
ここを補強するだけで本当に変わるのか??
交換後、環七を普通に流していても変化はわからなかった。
「失敗したか…」
そう思ったのだけど、最初の交差点でステアリングを切ったときに「手ごたえが違う」と感じた。
切ったステアリングがやたらセンターに戻ろうとする、反力が強い。
環七の舗装はそこまで悪くないので気づかなかったが、工場地帯の凸凹道を走ってみると今までは右へ、左へステアリングをふらふらと動かしてまっすぐに走らせなければならなかったところが、びたっと落ち着いている。
リアダイアゴナル補強プレート
タワーバーを取り付けるときに見た謎の板…これ、実は補強版だったらしい。
そのプレートにさらに板をはさんで強度を上げるのがダイアゴナル補強プレート。
2mmと3mmのセットで、サスペンションの減衰に合わせて板厚を変えることで味付けが変わる。2+3mmにすれば5mmまで板厚を上げることができる。バネレートが高ければ薄めに、逆に低ければ厚めにセットするのがいいらしい。
自分の124スパイダーは前オーナーが入れたダウンサスが付いていて、そのバネレートが不明だったが、多くの124スパイダーに出ているダウンサスのバネレートは後ろが4kgくらいらしいんで、5mmでセットしてみた。
正直、こんな補強で何が変わるんだ?と思うじゃん。
でも、これ、かなり変わる…というか驚いた。
不安定さの解消とロードスターらしさの欠如
ナックルサポートとダイアゴナル補強、これは実は同日に行っていた。時系列的には最初がダイアゴナルで、次がナックルサポートだった。
ダイアゴナルは街乗りでは突き上げが増すくらいの変化しか感じ取れなかったが、この両者を組んだ状態で高速テストができる某所へクルマを持ち込んだ。
すると、笑っちゃうくらいに面白くなっていた。
直線区間はステアリングの座りが多少よくなったくらいで、劇的にフロントの安定感に変化は起きていない。それでも、車線変更は今までは軽さ故にひょこひょこと移動していたのに対して、補強後はぬるっと吸い付くように移動する。
軽快「感」はなくなったが、確実に安定「感」は出た。どちらがいいかはドライバーの好みによると思うが、ワインディングレベルで感じる軽快「感」は、高速域で不安定「感」をドライバーに伝えてくるため、ここってときにアクセルを踏み切れない。
もっとも、そんな速度を出せる場面がどれだけあんの?って話でもあるし、軽快「感」はロードスターの持ち味でもあるので、これがスポイルされることは人によっては嫌うことかもしれない。
自分はロングドライブのときの疲労軽減を狙い、安定方向にクルマを持っていきたい派だ。それに軽快「感」が薄れただけで、車両重量が100kgも200kgも増えて、本当に軽快でなくなったわけじゃない。相変わらず、ライトウェイトスポーツらしさは残っている。
最も変化を感じたコーナーでは、アクセルオンでリアに荷重が移動したときのトラクションのかかり方が変わった。
今までは大したパワーもないのに「逃げ」を感じていたが、たった5mmの板を入れただけでアクセルを開けただけでリアタイヤがぐっと沈み強烈なトラクションがかかる。だからコーナーの脱出速度が妙に速い。
コーナーだけなら、間違いなく自分のメガーヌより速いし、何より気持ちがいい。
今までの124スパイダーに持っていた旋回速度のイメージと、変化によるギャップには最初頭が追い付かず、自分の運転で自分が車酔いしてしまった(ぉ
補強だけでこんなにも変わるんだ…というか、ノーマルがいかに緩い設計なのかというのが見えてくる。それが悪いわけではないんだけどね…