ぴよこ☆くらふと☆わ〜くす

イタイタしい生活を送ってます。

アバルト124スパイダーの前後タワーバー装着

ロードスターのボディ補強を考える?

しょせんはろーどすたー

会社で「車好きなんだよね?何乗ってるの」と聞かれたときに、「マツダのロードスターです」と答えるのが最近無難な回答だと気づいた。

 

というのも、社内で同じ質問を受けたときにアバルトやルノーと答えても「なにそれ」って言われることが多く、アバルトはともかくとして、ルノーはカルロス・ゴーンなんだから有名じゃん?と思ったものの、大してクルマに興味がない人にとっては自動車メーカーはトヨタとホンダくらいしかないんだろうなと思い知らされた。

(尚、バイクにいたってはイタルジェットと答えても、バイク好きでも通じない人が多いので「カワサキ」と答えるようにしている)

 

アバルト124スパイダーをロードスターと答えても、それは嘘にはならないと思っているし、実際こいつの6割くらいのパーツはNC・ND型ロードスターのそれだ。生産国に至ってはマツダなので、これを輸入車扱いされても困る。

 

稀に、量販店で作業をお願いするときに「アバルト」と伝えるとお断りされかけたり、なんなら輸入車料金で作業をされそうになる。

 

エンジン回りなら理解もできるが、足回り作業で輸入車料金と言われても、オーナー目線で言えば「マツダは海外ブランドかよ…広島県民に〇されるぞ」という気持ちしかない。

 

もちろん、誰しも124スパイダーがロードスターであることを知っているわけでもないし、ましてや数年間しか販売されていないクルマなんだからオーナーでもなければ、どこまでがマツダで、どこからがフィアット製なのかなんて知る由もないのだから仕方がないとはいえる。オーナーといえど、いまだに「ここ、ロードスターと違うんだ」みたいなパーツがときどき出てくるんだからね…

このペダルのように。。。

 

ロードスターであることに何か不満があるわけではなく、逆にロードスターであることでカスタムの自由度の高さ、パーツの価格が安いこと、エンジンを除けば信頼性は国産クオリティだし、割とどこでも修理ができることetc...なので維持・カスタムをする上ではこの上なくロードスターを基盤に持てたことは幸いしていると言える。

ロードスターの不満点

ロードスターに乗るまで、自分は正直なところロードスターというクルマを小ばかにしていた。

 

非力な後輪駆動車は、ハイパワーの前輪駆動、四輪駆動を愛する自分からすれば「クルマにあらず」だった。

ところが、実際乗ってみるとこれが面白い!まだ数か月しか乗っていないけれど、走行距離は春先に買ったメガーヌを超えた。(北海道に行ったのもあるんだけど)

 

絶対的なパワーやトルク、地面を蹴飛ばして豪快に加速する様は2リッターターボで、かつてはニュル最速の前輪駆動車の1台だったメガーヌに到底かなわないが、普通に街乗りしていて楽しいのは間違いなくロードスター(124スパイダー)だった。

 

交差点を普通に曲がるだけでも楽しいし、屋根を開けて走るのがもう最高に気持ちがいい。

 

荷物も乗らない、人を乗せるクルマでもない、でも、あの素直なハンドリングと、手の内にちゃんと収まる安心感はなんだ?ワインディングに持ち込めば、ひらひらとコーナーを駆け抜けていく…ハイテクな電子デバイスはトラクションコントロールくらいしか持たないのに、安心して楽しんでいられるのはクルマの素性の良さがあるからだ。

 

マツダが何十年も、何世代にもわたり磨いてきた「ロードスターとはこういうクルマだ」というメッセージがちゃんと伝わってくる。

 

友人に、NAロードスターを何台も買った奴がいたが、そいつの気持ちが今ならわかる。

 

ロードスターは楽しいんだ!

 

そんなロードスターだが、ドライビングでまったく不満がないわけではない。

 

ドライビングにおいては、そのひらひらと走るさまがネガティブな要素になる場面があり、それが超高速域での剛性不足からくる不安定さだった。

 

ライトウェイトスポーツ全般に言えることだが、軽いことはすべてがプラスには働かない。法定速度+αくらいの速度域であれば「楽しい」と感じられるそれが、リミッターにあたる付近の速度域になると突然「不安定さ」に変わってくる。

 

もっとも、メーカーだってそんな速度域で使うクルマとは想定して作っていない。そもそもオープンの時点でボディ剛性が不利なのは承知のことだ。990Sでは1tを切る今どきのクルマとしては超軽量を実現しているのだから、重量に直結する補強は極力除き、対応シチュエーションを公道と決めて最低限の補強でひらひら感と、安心して踏んでいけるクルマを作ったマツダのエンジニアには敬服する。

 

それ以上の速度域…つまりはサーキットなどで使う場合は各社がリリースしているように、ボディ補強パーツを入れて対応してくれということで、それは大変理にかなう。大多数が使わない速度域での安心感を出すためだけに重量増・コスト増・ひらひら感の低下をロードスターにもたらすのは違うということは承知。

 

その上で、自分が求めるものは「高速域での安定性の向上」だ。

 

もともと後輪駆動を得意とせず、前輪駆動や四輪駆動を愛してやまない自分にとって、後輪駆動の動きは慣れないものがある。

 

いやいやバイクで慣れてるでしょ?と言われるだろうけど、高々200kg前後の乗り物と、1100kgを超える乗り物が滑ったときの感覚はだいぶ違うのでバイクよりも後輪駆動車が高速域でスライドするほうが怖い。スライドしても、コントロールできるのであればよいが、ノーマルのロードスターではぐにゃっとした感覚が発生して、それが自分の中で今一歩踏み込んでいけないストレスと、その違和感が長時間のドライブで疲れにつながってくるのが嫌だった。

 

基盤となるロードスターの事情を継いでいる124スパイダー、ターボ化されたエンジンの特に大きく増えたトルクに対応するかのようにロードスターにOP採用されていたタワーバーが標準で採用されている。

今回のブログタイトルに「前後」タワーバー交換とあるが、フロントはいらないだろ?という多くの突っ込みが来るのはわかっているが、「あえて」社外のタワーバーに変えるとどう剛性に変化があるのかも体感にはなってしまうが検証してみた。

微妙な感じのタワーバー

エンジンルームには3点(正確には4点)式のタワーバーが標準で入っている。

しかしながら、ご覧のとおり非常に貧相な形状をしている。

 

ロードスターのタワーバーで面白いのは、サスペンションだけでなくバルクヘッドに直付けしているように見えるが、バルクヘッド側はバルクヘッドのあたりから生えたプレートに固定しているだけだ。

 

またタワーバー自体が3分割できるため、見た目以上に「これで剛性でてるの?」と不安になる形状でもある。

 

純正でタワーバーがあるクルマなのだが、ロードスター用には各社からタワーバーがリリースされている。純正を付ければいいじゃないかという話もあるが、純正のいけていないところは車高調などを入れた場合に減衰調整ができない形状にあり、だから車高調を入れた人は必然的にタワーバーを交換しないと、減衰調整時にいちいちタワーバーを外さないといけなくなってしまうのだ。

 

だから、純正でタワーバーが採用されているアバルト124でもタワーバーを社外品に交換する人は数多い。

ロードスター用のフロントタワーバーはすんなり装着できない

アバルト124スパイダー専用のタワーバーというのは案外少ない。それはロードスター用が使えるということでもあるのだが、ロードスター用がそのまま装着できるかといえば実はそうでもない。

 

なぜかといえば、ここで出てくるのが「エンジンの違い」による問題。

 

ターボ化されている124スパイダーは、エンジン本体助手席側にターボや補機類などがあり、レイアウトがロードスターとは大きく異なるため、ロードスター用のタワーバーを装着するとラジエータリザーブタンクにバーの部分が干渉する。

 

物によってはそこを避けるレイアウトになっているようで、それは多分「124スパイダーにも適合」と書かれているはずだ。

 

多くのパーツがND/NF対応と書かれているのに、タワーバーだけ対応と書かれていないものがあったのでなんでだろう?と思ったが、そういう事情があった。

 

足回りはポン付けだが、エンジンルームに入れるパーツに関しては、エンジンの違いによる差異でそのままつかないこともあるというのはいい勉強になった。

BLITZタワーバー購入

価格的にもリーズナブルだったBLITZ製を購入した。他社のものではもっと剛性が出そうなサスペンション間をつなぐような形状だったりもあったが、価格的な面や、今回はリアを入れて変化を確認したかったのでフロントはおまけ程度にしか考えておらず、「とりあえず」というところでこちらを選んでみた。

 

純正と違って分割式ではないし、太くなっているので、変化は多少あるのかもしれない?

 

尚、記事都合上フロントからになっているが、実際は最初にリアを装着して、そのあとにフロントを交換している(時間がかかったのもあるが)。

重さ的にはブランケットも合わせると2kg近くになっており、純正よりも若干重量増にはなっているものの、ほぼ気にならないレベルだと思う。

干渉を避ける工夫

写真を見て違和感があると思うが、リザーバータンクの写真上側が若干左側に斜めに装着されている。もともとは当たり前だが直線的に装着されているが、こうしないとタンクとタワーバーが干渉する。

 

写真下側もステーで左側にずらせば見た目のバランスはよくなるが、そうすると今度は後付けしている社外のディバーターバルブに干渉する(ぉ

 

ディバーターバルブがノーマルの人は大丈夫らしい?

そんな事情もあったし、タワーバーに干渉する部分だけ逃げればよかったので、このようなオフセットで取り付けることにした。

 

ほんのわずかではあるが、熱源であるエンジンやタービンに近づいてしまう。

リザーバータンクが熱害でやられないか不安なところもあったが、ほんの数ミリ程度の違いなので大きな影響はないだろうと判断した。

 

気休めかもしれないが、タンクやホースに断熱シートを貼り付けたり、巻いた。

ただ、ほんのわずかなオフセットでどれだけ熱による影響が変わるかはわからないし、この状態で11月とはいえ渋滞にはまったりしてみたが、特段水温に変化はみられないし、トラブルも起きていない。

もし、今後トラブルが起きればそれは逐次記事にしたいと思っている。

意外と違う純正から社外品への変更

正直なところ、太さや一体式になったことでタワーバー自体の剛性は純正よりは上がったと思っていたが、走って体感できるほどの変化はないと思っていた。

 

しかし、実際に走ってみると、一般道での大きな変化はわからなかったが、高速コーナーでステアリングを切ったときの反応が鋭くなり、今までと同じようなタイミングでコーナーを攻めていくと、鼻先がイン側に入っていく感覚が強くなった。

 

同時に、足回りの剛性が足りていないところが目立つ。ステアリングは軽すぎるほどに軽いのに、妙なしっかり感が出ているのでそこに気持ち悪さが出ていた。

 

そこについては改善できるであろうパーツを買っているので、後日装着する。

 

何にしても、純正で装着されているものを社外品に交換しただけでも体感はできたので、サスペンション間をつなぐような形状や、タワーバーに追加して剛性をあげるようなパーツは案外効くのかもしれない。

 

もっともバルクヘッドに直接固定できているわけではない微妙な固定方法についてどこまで効果があるのかは懐疑的ではある。

ディープソケットがあると装着しやすい、あとトルクかけすぎるとねじ切れてエアーカウルパネルごと交換になるので死ねます。

大本命リアタワーバー

フロントより先に交換していたのがリア。

メガーヌでリアの補強を行ったところ、ひどいアンダーステアが出るようになった(タイヤが負けているせいもある)ので、リアの補強については結構慎重なところもあった。

 

ただ、フロントは最初から補強が入っていたが、リアにはなかったので、補強することで後輪駆動車はどのような変化があるのかを確認したいという気持ちもあった。

 

メガーヌでアンダーが強くなったのは、あれが前輪駆動車で、セッティング的にもリアのグリップを落とすことで意図的に曲がりやすく(後輪を滑らせると言っても違いない)しているようで、純正ではかなりリアが出たがりな動きを見せた。

 

リアに補強を入れたことで、リアタイヤのグリップが増し、今までスライドできた後輪が変にグリップするようになったことでコントロール性が変わってしまったことが原因だろう。

 

ロードスターは後輪駆動車だ。当たり前だが、駆動輪である後輪のグリップが増せば、その分トラクションが稼げるようになる。トラクションがかかれば前に進むって話だが、違った見方をすればトラクションが掛かる分、ラフなアクセルワークでテールスライドを起こしやすくなるってことにもなるんじゃないかって気もするが、その辺はパワーもないクルマだから気にしないことにした(何

地味に面倒な取付

タワーバー、フロントとリア、どちらが面倒なのか?と聞かれたら、124スパイダー対応品を使わない限りはフロントの方がリザーバータンクの移動が必要になるだけ手間だと自分は思う。

 

ただ、純粋に面倒というか「大変」なのはリアだ。

 

特に助手席側はナットの着脱がしんどい。

車内側から内装をばらばらにしない限りはトルクレンチは使えない、メガネかスパナで地味に回していくしかない。

 

とにかくスペースがないので、ラチェット式のメガネがあると便利だ。

14mmはロードスターの足回りでは結構使うサイズなので、1本常備しておくと楽になる。これがなかったら、手首が死んでいたかもしれない。

 

この狭いスペースでのナットの着脱が面倒なだけで、他は楽だ。

 

当たり前だが内装カバーを切らないと、うまく収まらない。

内装の加工が嫌ならやらないほうがいい。

乗ってすぐにわかるリアの変化

リアはフロント以上に変化がわかる。

 

このときは、まだフロントタワーバーが純正だったが、まずやたら前上がりな印象を受けるようになった。

 

実際は車高が変わったわけでもないし、2kgくらいトランク内の重量が増えたからといって前上がりになるわけがないから、これはリアが思いのほかがっちりしたことにより受けた印象の変化ということになる。

 

車線変更や高速コーナーなどでも、今までふらっとした動きだったものが、かなり落ち着いた動きになった。

 

もちろん、その動きがすべていいってわけではないし、ロードスターらしいひらひらした軽い動きから少し外れたような印象を受けたので、あのひらひらした感じが好きなんだよというのであれば不要。

 

自分が求めているような高速時の安定性向上ものを欲するのであれば、リアはフロント以上に効果を体感しやすいしいいんじゃないかと思う。

終わりがない

今回前後のタワーバーを交換してみて自分が目指す方向に近づいたように思う。

 

「高速域の安定性向上」、そのためのボディ補強だが、難しいのはなんでもかんでもやればいいという話ではないということだ。

 

ボディを補強するとタイヤが負ける、パワー不足を感じやすくなる、だからといってタイヤをハイグリップにしたり、馬力をあげると今の補強では足りなくなる…そんな堂々巡りを続けることになり、無駄な時間とお金を費やして、最後は結局ノーマルの方が乗りやすいということになりやすい。

 

メガーヌが割とそっちの方向に行ってしまって、あるだけのパーツを付けてとにかく剛性をあげていったら、ノーマルの方が乗りやすい、よく曲がるクルマだったということになった。

 

その反省を踏まえてというか、せっかく2台あるので、どちらかで得たことを、どちらかにフィードバックする方式でいろいろと試しているので、その成果から124スパイダーではそこまで補強を突き詰めるつもりはない。

 

あくまでロードスターらしさを残しながら、不満を少しずつ取っていき、自分が妥協できるところでそれを終える。

 

通勤車ということもあるので、あまり無茶なことはなしない。

 

何事もほどほどだよ、ほどほど。