さてDay1ではまず東京から青森を、そして迎えた本場も無事に制限時間内ゴールを果たすことができたわけですが本番当日の朝からの豪雨で完全に装備は水没し、特にブーツの水没は著しく一晩乾燥させましたがあまり状況は好転しませんでした。
迎えたDay3も全国的に雨予報で、どこに逃げても結局は雨を食らうというライダーにとってこの土日は悪夢のような二日間だったのではないかと思います。
それでもスタートしたからには無事に帰宅するというミッションが残されているわけです。本来ならばDay4まで予定していましたが、装備が壊滅したことと天候不順を理由に今日中に東京に帰ることにしました。若い頃であれば無理もできますが、もうそういう年齢ではないのです←
一度千里浜会場へ
チェックアウトは10時なので結構ぎりぎりまで滞在しました、6台くらい同じ宿に参加者が宿泊されていたはずですが別に会場からそれほど近い宿というわけでもありません。
今回お世話になったのは河北亭さん。
素泊まりでしたが1Fに居酒屋?のようなものが併設されておりご飯を食べるには全然問題なく部屋風呂もあり貸し切り風呂のようなものもあるので泊まるだけであればなんの不自由もありません。というか金沢市内外で泊まるのはなかなかレアかもしれない。
そもそももと地元住民なので県内で宿泊するイベントがほんと少ないんですよね。
今日は一度千里浜会場へ行きます、イベントやってるぽいので。
現在の距離は4165km、370kmほどで納車されたX-ADVも3週間目ではやこの距離です。機械に心があるならば前のオーナーとの走行距離の違いに嘆いているかもしれませんが機械は機械としてあるべき使い方をするという信条なのでうちに来たからには過走行してもらわねば困るわけです←
今日の千里浜は走行不可、昨日はやはりイベントだから入れたのでしょう。
10時前ですが元能登有料道路(今の呼び方を覚えられないw)ではSSTR参加者とすれ違いましたし、手を振る人もかなりいらっしゃいました。自分はまず今浜で写真をとり会場を目指します。
プチオフ
幸いにして会場到着時点では快晴となりました。
ホンダにはぜひとも来年はX-ADVを展示していただきたいですね、ちゃんとそれにふさわしい距離をX-ADVで叩き出すことをお約束しましょう(何)
ダカールとか絶対に走りきれるバイクではないですがYoutubeではX-ADVで大陸ツーリングしている人もいらっしゃり毎回それを見て羨ましいなぁと思います。
日本は道路事情がよろしいのであえて入らない限りなかなかダートとかには遭遇できませんが、ユーラシア大陸くらいになれば当たり前に未舗装路はあるし、カオスな状況が多々あるとわかります。そういう場所で売れるのはやはりアドベンチャーであり、X-ADVはそこまでガチじゃないけど通勤からちょっとした悪路まで走れるコンセプトが日本ではなくそのようなコンディションを有するヨーロッパで売れているということなのでしょう。確かに、日本でこのバイクの扱いは微妙だと思う。
ゲストのお三方の話も大変に面白く、冒険家ってすげーよなぁと思います。
そして、もうひとつ自分的にはサプライズがあり、SNSでプジョーつながりの方でSSTRに参加している方が会場におりその方とも会うことができました。
プジョーでつながったはずなのに、はじめて会うのがバイクというw
この駐輪場も押して出すことができずに直進で道なき道を突き進みましたwいやほんとう230kgという車重で路面が悪いともう押し出せる気がしません。ライダーのパワー不足は明らかな課題なので来年に向けて基礎的な力は身に着けないといけないなと反省。
世界一美しいステーションワゴンと信じて疑わない308SWに乗る青年はあのWRでも足がべったりつくくらいの長身の好青年でした(´;ω;`) お仲間と参加されておりそういうのもいいなぁと思いましたが多分自分には不向き。お腹もすぐ壊して迷惑をかけるだろうし、なにより自分のような弾丸を決行しようとしたときに付き合ってくれるライダーはもう知り合いには多くないのです。若い頃であればそれなりにいたけどね。
なので現地で落ち合う形式のほうが気が楽だし、普通にコミュ障なので一人がなんだかんだよかったりするのです。誰かに合わせる必要がないというのはB型人間にとってはかなり大切。
来年もSSTRでお会いしましょう!ってことで千里浜の道の駅で別れて時間が時間だったので自分はお昼にでかけました。
極寒の山越えを
石川まで来て名物らしい名物を食べていないということで昼はチャンカレ、津幡にも店舗はありますがあえて工大前まで食べに行くのがチャンカレガチ勢。
それまで晴れていたのにチャンカレに着く手前から豪雨とか、やっぱり今回は天気に見放されている感が強くありました。。。
さて突然ですが北陸から東京に帰るときのルートは当たり前ですがいくつか存在します。
1.北陸道経由
2.8号→18号→17号経由
3.富山から安房峠を抜けて松本あたりへ出るルート
4.五箇山を経由し岐阜県は白鳥を南下するか飛騨高山へ抜けるルート
大雑把ですがよく使うのはこの辺です。実際のところ学生のころは定期的に実家に帰るイベントがあり毎回下道を使うのですが同じルートは飽きるのでいくつかのルートを組み合わせて毎回道順を変えるようにしていました。時間帯やその時期によってどのルートが最も早く着けるのかは変わりますが、ルート的には8号で上越まで行くか、もしくは糸魚川から白馬へ南下し(3)のルートと後半がちゃんこするかみたいなルートは走りやすいためよく使っていた気がします。夜中であれば安房峠を抜けるルートも交通量も少なく、また秘湯も多いので好きではありました。
今回どうしようかと考えたんですが、結果どこを通っても雨だし、どうせならあまり通らないルートを使おうということで(4)のルートを選択します。
山越えになるので金沢市内で満タン給油を行いますが、別にガソスタがまったくないわけではありません。このルートも愛知県や岐阜県の繁華街に抜ける際によく使ったルートで、学生の頃は一宮まで富山から南下し琵琶湖経由で金沢に戻るようなこともしていたくらいに自分には馴染み深いルートでもあったのです。
金沢市内から南砺市に抜けるにはショートカットルートがあり、金沢大学脇の道を抜けていきます。
昔よりも整備されているような、いないような、記憶が曖昧です。なにせ学生のころですからもう15年以上も前なのです。この雨で相当スリッピーではありますがADVの基本性能の高さに助けられているのでそこそこのペースでも怖くはありません。
城端で一度休憩します。
聖地ですね、覚えてますか(´;ω;`)ブワッ
雨はやんでいたのでココアを飲んで体を温め、そしておそらく五箇山を超えるときは大雨だろうから(経験上)ここで完全防備(シューズカバーとかね)を装着して雨に備えます。レイングローブは水没するとものすごい手にはまりづらい、特に小指が!という問題があるのですが、それを回避するアイディアとしてビニール手袋とかを下にはめておくといいです。
整備用にもってきていたものがあったのでそれを使いました。レインもウィンターも温かいのはよいのですがなかのもふもふした生地は濡れた指ではまじではまりません。
案の定、あの一億円トイレまでの道は豪雨と霧、装備が万全でなければかなり冷え込んでやばいことになっていたことが予想されます。こういうのはやはり長年の経験と感、なれた道だからという経験則が物を言いますね。
そこからしばらくは降ったり止んだりを繰り返します。
白川郷まで来ました、小雨にはなりましたが雨は止まず。
山間部のワインディングはX-ADVでもかなり楽しく、路面コンディションは悪いながらもかなり攻め込んで走れるのです。
前を走るヤマハの3気筒バイクにもついていけるかなーと思って走ってみたのですが結構いけちゃうんですよね、調子に乗るとスタンドをガリガリ削りますが位置の問題なのか形状の問題なのかADV150よりもスタンドを擦ったときに吹っ飛ぶような感じもなく「あーまた擦っちゃったかぁ」くらいのノリでいけちゃいます。
バンク角はそこまで深くないし、そもそもワインディングを攻め込むバイクじゃないのであくまで嗜む程度にはできるよってバイクですがとにかくナナハンの排気量、そのすべてをトルクに振ったようなエンジンなので立ち上がりだけはものすごくよいのです。またそのトルクをDCTの電光石火で引き出せ、CVTのスクーターと違いエンジンブレーキを積極的に使っていけるので決してATのスクーターだからつまらないぞというバイクじゃなありませんね。
白鳥まで来ると雨は上がりました!気温もあがり、もう夕方ですがやっとグローブなどをドライ用に戻すことができました。
このルートをなぜ選んだのか、それは夕食にあり
気温があがったとはいえ15℃なので、そこまで温かいと呼べるほどではありませんがつい先程までは一桁の山道をそれなりの速度で走っていたわけなのでこれでも十分に温かいと言えるのです、ライダー的には。
燃料に余裕はありましたが白鳥で給油します、山越えであったにも関わらず30km/Lに届く燃費が出るのがX-ADVらしいと言えます。下道をそこそこの速度で走るほうが高速よりも燃費がいいがここでも現れています。
大・中・小の欲張りセット!
さて、今回この白鳥を抜け、更に南下を続けたのは理由がありました。
ベトコンラーメンの重楽さんで夕飯を食べるためです。
この重楽さんは大学生の頃に学生ジムカーナで岐阜にきたときに夕飯で寄って以来、定期的に伺うお店で、なのでかれこれ20年近く、行きづらくなった今でも年1ペースくらいでは伺っている食に興味がない自分では珍しい長年通う場所でもあるのです。
というより郡上八幡に行く理由って重楽さんに行くくらいしかないんですよね(何
ベトコンラーメン自体は中部地方で食べられるもので、もちろんこのお店だけではないんですが自分は重楽さんが一番好きなんですよね。
冷えた身体に熱くて辛いラーメンは最高の一言!四輪ではあまり行かないお店で、いつも二輪で行くんですけど東京からほどよい距離でもありほどよい疲労感にベトコンラーメンのにんにくがいい感じに効きます。書いていてなんだけど今すぐ行きたい(´;ω;`)
すっかり日は落ちました、逆SSTRではないですが日本海から太平洋を目指すツーリングもおおよそ半分くらいまで終わった形となり、走りたりなさもあり微妙に寂しい気持ちになってきます、帰りたくない。
ラストスパート、そして雨
ベトコンラーメンから少し進んだ先の道の駅でコーヒータイム。
標高もあり空気も澄んでおり月がものすごく明るくいい雰囲気、ただ寒さに体力はごりごりに削られており、ここから先はちょい休憩が多めになります。雨がなければよかったのですが、2時間ほど前まで雨に打たれた装備はこの時間になると水分が冷え体力を奪う悪魔の装備となります。
前日に3333kmのゾロ目を八戸あたりで出し、その翌日には1111kmを走り次のゾロ目を出すことになりました。走っていない気もしますが一般的には走ったうちに入るような距離なのでしょう。
静岡までは下道で、ただ浜松から先はまた雨になります。
もう雨具は水没しており、あと300kmくらいということもあり雨雲レーダーを見ても長時間振るわけではなさそうだったのでここで東名高速に逃げました。
肉体的な疲労というよりは目の疲労がやばく、一旦どこかのSAで休憩した気がします。原発の案内があったから牧之原とかなのかな、覚えていないですが。
目だけではなく眠気もそろそろやばいのです。体力的な限界があるとすれば眠気と目の疲れなのでしょう、このあたりはどうしても年齢的に厳しさを感じます。昔は平然と2徹とかできたわけですが、今は24時間働くとすれば15分くらいの仮眠を複数回入れないと持たないです。バイクでもそれは同じ、だから少しトイレのあたりで仮眠をしリスタートを切りました。
午前2時を過ぎて海老名まで戻りました。
浜松IC手前で給油してここまで200km弱、自宅までは100kmを切っていますが高速燃費を考えると海老名で給油したほうが安心だろうということでここで最後の給油を行いました。
SSTR直前に納車され、正直DCTの耐久性とか信頼性を含めてどうなんだろうと思っていたX-ADVですがこのツーリングで全性能を引き出せた感もありどんなバイクなのかも完全に理解できました、本当にお疲れ様なのです。ライダーが無事にここまで戻ってくることができたのは、X-ADVのもつ圧倒的な長距離の快適性、どこまでも無限に走れてしまうと思わせるその楽さがあってのものですが自分はこのADVがやはり好きなのだと思います、ADV150だって1日1000kmを走ってもまた翌日には走りたくなる楽しさがありましたからね。
自宅到着は午前3時半前、SSTR前日から数えればこの3日弱で2469kmを走行し使用したガソリンはおよそ94リッターで平均燃費は26kmを出しています。いままで所持した大型二輪の中ではダントツの高燃費でした。
SSTRを終えて
初日、青森ではチェーンの給油をしましたが以降は大雨が続いたため注油ができない状態で1700kmをノーメンテで走ったためチェーンはかなり伸びました。スクーターでありながらよくも悪くもチェーン駆動のデメリットはこのメンテナンスだと思っており、ダイレクトさはベルト式に勝りますがやはり連続走行時のメンテナンスには神経を使います。シャフトドライブとかにしてほしいけど、まぁ無理でしょうねコスト的にも。
潮風や雨を浴び続けた車体が汚く、かといって自宅で潮を落とせるような洗浄設備もないので近所の2りんかんに5千円弱を支払って洗車してもらうことにしました。
2時間くらい待った気がしますが、フルカウルの車体を自分で洗車して水気まで完全に吹き飛ばすとかやってられないわけで、それがお金を払ってこれだけぴかぴかになるんだ!と感動モノ。
足回りの洗浄もお願いしていたのでスポークホイールもかなりきれいになりました。
スポークホイールの洗浄ってどちゃくそに面倒で自分ではやりたくないのです。
洗車に5千円以上を払うのは正直バカバカしいと思っていましたが、終わってみれば大満足でむしろこの価格でここまでやってもらえるのであれば月1くらいでお願いしてもいいかもしれないとさえ思うほどでした。
けっこうおすすめです。
帰ってすぐにチェーンルブを塗布して、各部に注油を行いメンテ終了。
人間のメンテナンスも実施して自分のSSTRは終了しました。
ただただ長距離を走りたいだけの自分にとって制限時間があり走れる距離に限度があるイベントはどうなのだろうと思いましたが皆が同じ目的地に向かい各々の場所から走り始めるというのはなかなかできる経験(とはいえ青森組は自分だけで終盤まで孤独でしたが)ではないのでこういうのも悪くないと思いました。
来年もまた参加すると思いますし、来年は今年よりも長い距離を二輪二足で走り抜けられたらそれはそれですごく幸せなことではないかと思います。