豪雨の中、毛無峠までツーリング。その道中、アイドリングストップがおかしいことに気がついた。
ホンダの二輪についているアイドリングストップはすごく優秀で、自動車だったら絶対に使わない機能だけどADVでは常にONにしているくらいに停止も発進にも違和感がないものなんだけど、この日は朝から様子がおかしい。アイドリングストップというよりは「プスン」という感じでエンストに近い止まり方をしていた。再始動は問題がないし、時々普通に戻るのでなんだろう?と思いながらもぐんまを目指した。いや、走るなよってツッコミはなしだ。
別に日本にいる限り、ホンダの二輪なんて最悪どこでも修理ができる。プジョーとは違うのだ、プジョーとは。そういう精神じゃないとツーリングなんていけないぞ☆
そして、あるとき気づくのだ・・・このバイク、クラッチが切れてない(ぉ
信号待ちのとき、アイドリングの回転数で前に進む。ブレーキを握り続けるとアイドリングストップがONになって止まるし、そもそもアイドリングに近い回転数でエンジンが掛かった状態でブレーキを握らないことがなかったので気づくのが遅かった。
どうやらクラッチが破損したらしい。5000km弱しか使っていないのでクラッチシューが摩耗しきったとは思えない。ともすればスプリングか?スクーターの場合、クラッチが切れなくなる原因の多くはクラッチスプリングの破損で、遠心力で開ききったクラッチをニュートラルに戻すことができなくなる。
ただ不思議なことにときどきクラッチはちゃんと切れるのだ。
そして一度クラッチが切れると、そのまま何事もなく、いままで通りに走る。クラッチスプリングが破損していたらそんなことにはならないはずで、常にクラッチはつながったままのはずだ。
違和感はものすごい、それでも400km近いツーリングは完遂できるからホンダの二輪はすごい。さすがはサラダ油でも動くバイクを作るブランドだ(違)。
クラッチが切れたり、切れなかったりするのはなぜか?その状況に再現性はあるのか?ツーリングの道中でそれを確認するとどうもプーリーが高回転側に切り替わるくらいの回転数・・・タコメーターでいえば7000回転を超える速度になるとクラッチが切れなくなるようだ。
スクーターにタコメーターなんていらないと思っていたが、こういうトラブルのときにタコメーターはありがたい。これがなかったら音と速度で回転数を判断するしかない。
クラッチが繋がったままだとまともに押すことすらできない。もし前から駐車して、バックさせなきゃいけない状況だったら完全に詰む。ツーリング中にそういう状況がなかったことが奇跡だ、気づかずにやっていたら帰ってこれなかった。一度クラッチが繋がると、しばらくゆっくり走らないとクラッチが切れなくなる。しばらくゆっくり走れば元に戻るということでもある。帰り道、Webikeでアドプロの強化クラッチ新品を買った。
アウターがアドプロなので同じブランドをもう一度買う。
翌日には新品が届く、物流に感謝。交換はもう慣れたものだが、雨が続く中、作業時間の確保が難しい。通勤が1日あったが、壊れたクラッチのままのんびり走って往復をこなせた。クラッチが切れなくなる条件さえわかっていれば特に怖いものはない。翌日、わずかな晴れ間を狙ってクランクケースを開けた。
クラッチシューはまだまだいけそうだった。結論を書けばスプリングも折れていない。
当たり前といえば当たり前か、スプリングが折れたらクラッチが復活することはないのだから。ただおかしなところはある。
Eリングが2つ吹き飛んでおり、シューを抑える蓋がガタガタだ。これが原因だったのか?高回転で遠心力でも働いて蓋が外れかける(構造的に完全に外れることは無いと思うけど)とシューを抑えられないからスプリングがうまく機能しておらずクラッチが切れなくなるとか?
シューが若干浮かんでいる。
推測だけど、おかしなところはこのEリングが吹き飛んでいたところにしかなかった。ともすればこれは完全に自分の整備ミスだ。以前、クラッチスプリングをPCX純正に交換し、さらにアドプロ純正に戻したときにEリングを再利用した。これは再利用前提のものではないし、おそらくそれで緩んだのだろう。大事にならずによかった。
毎回プーリーやクラッチを外すとトルクがわからなくなるのでマジックで書いたwどうせ自分しか見ないしダサくて結構。トルクを間違えるほうが怖い。
ちゃんとプーリーはトルクレンチで閉めよう。さもなくばクランクシャフトが大変なことになるかもしれない。交換後は当然ながらいいかんじ、しばらくは慣らし運転をしつつ今度は大切にクラッチを使うことにしよう(´;ω;`)ブワッ