前回までのおはなし
「プジョーは本当にサウナに行きたくなる」のか。
他ブランドのクルマに試乗を繰り返し、さんざんサウナにふさわしいクルマというものを検証してきた自分ではあるが、でもお前、最高に遠いサウナって大阪の「りんくうの湯」までじゃん?
実はプジョーってそんなに遠くまでサウナに行けるクルマじゃないんだろ、そのくせに他ブランド否定してんじゃねーよハゲ!ってクレームも来そうだったので、反論の意味も込めて、プジョーは会社帰りに「湯らっくす」へ行けるクルマであることを証明したかった。
話を変えて、プジョーの魅力とはなにかと問われれば間違いなく「ロングドライブを得意としている」ことが1つ挙げられる。
自動車はその国の文化を当然ながら色濃く反映しているため、日本に小型車が多かったのは日本の道路事情的に小型車が使いやすいこともあるし、そもそも交通インフラが発達している国なので長距離移動よりも近所をちょこちょこ移動する軽自動車でも十分通用するという理由もあるだろうし、逆に輸入車はその国特有の事情で使いやすいように設計されているためドイツ車なら高速走行が得意だし、むかしのフランス車であれば石畳の道路で扱いやすいように猫脚だった。
フランス車はフランス人がバカンスのためにクルマに大量に荷物と人を積み込んで移動し、その道中を快適に過ごせることが重要視されていると聞いている。ステーションワゴンのような日本では廃れたジャンルが未だ欧州車では当たり前に存在しているのは人と荷物をつんで快適に移動できる乗り物がそれだからだろう。
そんなフランス的なスタイルは実は日本でサウナを楽しむにはもってこいだ。
いつもは残業する平日を、定時ダッシュ決めて1300km先のサウナへ行く。
幸いなことに日本はたとえば東京を起点に考えれば北海道稚内でもおよそ1,500km、鹿児島指宿でも1,400kmと自走で行ける範囲は北も南もたったの片道1,500km程度、下道で行っても40時間以内には着けるちょうどいいサイズなのだ。
THIS IS 最高にちょうどいい国、日本。
だからコロナウィルスだって速攻で蔓延できる。
いいのか悪いのか、さっぱりわからない。
そんな日本でサウナバカンス、サウナトラベルをするのにフランス車は適している。
もとい我らがプジョーが最高であることを証明する。
そんなDAY2のスタートは西の聖地「湯らっくす」からだ。
押した側の人間になる瞬間
ドラマ「サ道」の中で偶然さんは言っていた。
人間は大きく2つに分けられる。
1つは「アレ」を押した人間、もう1つは押したことがない人間。
ドラマ「サ道」#11より
そう、わざわざ36時間近くかけて1300kmを走り熊本に来たのは「アレ」を押すためだ。
MADMAXボタン
散々サウナが好きと言っておきながらMADMAXを語るのは童貞がセックスを語るのと同じくらいにありえない話だというのは薄々自分でも気づいていた。
今年中に会社でサウナ部を作ろうと暗躍している自分がMADMAXを押したことがないという状況はあってはならない。
「部長は当然、MADMAXしたんですよね?してないんですか?MADMAX未経験が許されるのは胎児までですよwwwww」
死にたくなるな、それは。
だから押す。
聖地で靴箱「37(サウナ)」をGETできたのは幸運だ。
エクストリーム帰宅折返し地点、幸先のいい帰宅である。
そんな「湯らっくす」はMADMAXだけじゃなく、風呂もサウナもかなりいい。
ドラマ「サ道」で「家の隣に湯らっくすがあったら絶対毎日行く」と語られていたけれど確かにその気持ちはわかる。
温泉・サウナだけ利用なら590円と破格すぎる価格設定だ。
というか九州エリアは温泉サウナの料金が東京に比べるとだいぶ安く、そして充実した温泉サウナを楽しめる。
東京の価値観で湯らっくすを温泉・サウナだけで590円でというのはありえないし、これだけで九州に暮らす価値がある。
最高のメディテーションサウナでガンガンに体を温め、そして目の前に広がる水風呂へ・・・このときの気持ちは言葉では表現できない。
およそ36時間の道のりを経てたどりついた志向の水風呂(´;ω;`)ブワッ
そしてMADMAXボタン!!
気分は吉良吉影になった。
水の旅人
天然水の水風呂はやはり違う。ただ、どれも同じというわけではなく静岡「しきじ」の水風呂と「湯らっくす」の水風呂は一瞬で違いがわかるほどに違う。ただ両者に言えることはやはり天然水の水風呂はいつまでもそこにいられるほどに体に優しく、気持ちがいい。
MADMAXを経験したあと、自分の気分はまさにMADMAXしてた。
なんでこの世界にはMADMAXを知らない人が存在しているんだろう?
なんでみんな熊本来ないのかな?
ととのい椅子や雨が降る中、半露天スペースで雨水に打たれながら思った。
7時をすぎて退館し、少しクルマの中で休む。
外の雨は相変わらずひどいものでプジョー自慢のパノラミックサンルーフをオープンにした外気浴が楽しめない。
仕方ない、それも含めてのサウナの楽しみだ。
さてせっかく熊本まで来たので観光をしよう。
もちろん向かう先はドラマ「サ道」でなかちゃんさんが辿ったコースだ。
湯らっくすの水風呂の源水ともなる白川水源を目指そう。
ドラマでは熊本空港→白川水源→湯らっくすをタクシーで巡っていたが湯らっくすから白川水源までは1時間くらい、熊本空港からも30分程度はかかるのであのコースをたどると移動だけで1.5時間コースなので時間に余裕をもってでかけよう。
こんなフレキシブルなサウナ聖地訪問ができるのはクルマのメリットでもある。
阿蘇は霧がひどい。
バックフォグを使わねばいけないほどに視程が低い。
霧を抜けた先に、白川水源はある。
ここが「湯らっくす」の水風呂の源流か・・・。
100円くらいは払おう、MADMAXの大本にはそれ以上に価値はある。
まるで気分は映画「水の旅人」だった。
あまり自然観光をすることがないので新鮮でもある。
そして・・・。
工事中の白川水源にたどり着いた。
圧倒的透明度の水、これがMADMAX!!(違
ドラマでなかちゃんさんが水を飲んでいた場所がわからず残念だった。
自分も水を飲んできた。
湧き出る池と川の境目の透明度の違いが面白い。
ぜひとも「湯らっくす」でMADMAXを体験したのであれば敬意を払い白川水源へも足を運びたい。
消えゆくサウナ
日本一長い駅名の駅に来た、白川水源からは10分もあれば着く。
汽車が走っている気配はなく、調べてみると2016年の熊本地震で不通になり再開に向けた工事中とのことだった。
熊本まで来たのに「湯らっくす」だけではもったいない。
せっかくだから他のサウナへも足を運ぼう。
そんなときサウナイキタイは素晴らしい活躍を見せる。
九州2番めのサウナは同じく熊本の「華ほたる」にした。
梅の花が咲き誇る田舎の健康センター的な施設だ。
そんな施設も今年の夏には閉館になる。
確かに老朽化は感じられるが、お年寄りに愛されている地域密着型の憩いの場だ。
サウナも外気浴スペースも悪くない、水風呂もそこまで冷たくはないものの客層がお年寄りであれば逆に冷たすぎると死のリスクもあるのでちょうどいいのかもしれない。
露天スペースで外気浴ができ、町並みを見下ろして全裸で仁王立ちするのは最高に気持がいいのだ。
食堂で食べたちゃんぽんがすごく美味しい、最高だ。
少し被写体を暗くしてみたけれど、これは折角きのう洗車したのにドロででろでろになってしまったからだ。悲しいことです。
国際?これが佐賀クオリティ
九州サウナといえばサウナシュランで1位をとった御船山楽園の「らかんの湯」だが、宿泊オンリーなので今は使えない。
金曜日であれば1万円以下で宿泊できたのだが、熊本の到着時刻を見ていただければわかるように木曜から36時間近くかけて到着しているのでチェックインに間に合わなかったので断念した。
またこんど行きたい。
佐賀と言えば有明海、ちょうど夕日の時間帯だったので小休止してひとり撮影会だ。
風が強く肌寒さはあるが、夕焼けを眺めてたそがれるのは悪くない。
先を急ごう、今日の目的地はこの時点では長崎県は佐世保だった。
佐世保と聞けば艦これか?
いやいや違うだろ、サウナーなら佐世保と聞けば「サウナサン」だ。このためだけに佐世保へ行くというつわものだっているくらいの九州のレジェンドサウナらしい。
是非ともそのレジェンドを味わいたい。
だから佐賀は撮影タイムで終了だ。
先を急ぐ。
2月も後半に差し掛かり日はだいぶ延びた。
ふと「九州佐賀国際空港」の看板が目に入った。
はて、佐賀に空港なんてあったっけ(超失礼
しかも国際空港と来ている、あの関西国際空港や新東京国際空港に匹敵する規模か?
空港マニアとしては立ち寄らねばならない(何
お、おう(何
あまりに周囲に何もなさすぎて、下手な海上空港よりも24時間離発着可能なんじゃないか、だから国際空港なのか?と勘繰るほどに何もない。
おなかが痛くてトイレを借りに立ち寄った。
土曜日の19時前に羽田に向かうこの便が、どうも最終便らしい。。
トイレで30分ほど唸って出てきたらもう誰もいないしカウンターもクローズしてた。。
恐るべし、佐賀(ぇ
突然の福岡、突然の筑紫野
本当なら先ほど書いたように佐世保で今日の移動は終わる予定だった。
が、たまたま見ていたSNSに福岡にいいサウナがあると流れてきて、その施設の営業時間が24時間ではなかったため、24時間営業のサウナサンは朝に回して優先的にそちらから回ろうと思ったのだ。
佐賀まで来たのに空港でトイレ借りたのが最長停車時間か・・・と思いつつ高速道路で筑紫野へ移動する。
二日市といえば2019年3月、転職したばかりの自分が初の出張で来たときに泊まった場所だ。
そんなところにこんな施設があるとは、当時サウナにまったく興味がなかった自分は知る由もないし、そもそも駅からかなり離れているので歩いてくるにはなかなか遠い。
サウナが2月半ばにリニューアルしたばかりというこの施設、控えめに言ってもサウナの雰囲気が最高だったし、サウナ室外オンリーだけどヴィヒタが使えたり、とにかくスーパー銭湯的な場所なのにサウナが好きな人が作ったとしか思えないほどサウナへの愛が深い。
外気浴は夜の筑紫野の町を眺めることができて気持ちがいい。
福岡空港に着陸する飛行機が目の前を通るので、外気浴をしつつ飛行機を眺められる最高のスポットでもある。
悪くない、控えめに言ってもGOODだ。
施設をあとにして近場にあった王将でごはん。
さて、佐世保へ向かおう。
帰宅は続くよ、どこまでも。