ぴよこ☆くらふと☆わ〜くす

イタイタしい生活を送ってます。

電子制御4WDの魅力。

4WD+ターボこの条件にあらんずんば(挨拶

 

唐突だけど、我が家にはGSX1300Rと200dukeという通勤快速マシンの他に某社のセダンがある(きりっ

 

これより子育てに入る身で、バイク2台は家族を考えていないという批判を受け、では実用的で楽な車(某なんとかDの豆腐屋のおっさん曰く)のセダンを丁度一年ほど前に購入。

 

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実用的で楽な車。

 

トランク広々、室内快適、四輪駆動で実家(新潟)に帰るのも楽!ちょっとマニュアルトランスミッションなのと、排気音が絶望的にうるさいのと、乗り心地が破滅的に悪いことを除けばとても楽。

なにしろ先日都心を襲ったあの豪雪の中、夏タイヤ(スポーツ向け)で平然と走って帰ってこれたほど!

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(よいこは真似しちゃいけない)

 

これを実用的で楽と言わずになんと呼ぶか?

 

ΦωΦ 嫁には不評だけどね。

 

人間の嫁の言葉なんぞ聞いてたまるか。

 

さてさて、この実用的で楽な車、名前をランサーエボリューション9と呼ぶわけなんだけども、ランエボにはCT9Aと呼ばれるモデルから電子制御のセンターデフか搭載されたわけです。

 

センターデフ?電子制御?なにそれって、センターデフの原理と役割を理解し、説明するには地球が誕生するくらいの時間がかかるわけでなかなかアレだ。

 

要するに、四輪駆動はその言葉どおり、エンジンの出力は原則、4つのタイヤ全てに掛かる。ただし、4つのタイヤに均等にパワーが掛かるとどうなるか?我々の愛すべきミニ四駆、あれはどうだったか?

 

結論で言えば曲がんないわけですよ、曲がりづらい。

 

前輪駆動の車がよく「曲がりづらい」と言われるのは理由は、車がコーナーを速く曲がるためには、いかにタイヤをグリップさせるか(ドリフトで抜ければそれはそれで速いんだけど、ドリフトで速いってことは滑りながらも前に進んでいる=グリップしているからだ)に尽きる。

自動車は前輪で舵を切る、この仕組は不変。そして、タイヤのグリップは縦(直進)と横(曲がる)のグリップ、どちらか片方にしか生かすことができない。要するに、操舵する前輪にエンジンの出力が伝わる=直進しようとする力が掛かるので、横方向にタイヤのグリップを生かせない、車が真っ直ぐに進もうとするから曲がりづらいなんて言われてしまう。

 

前輪駆動ですらそうなのだから、四輪駆動は更に酷い。後輪は直進しようと車を押し、前輪も直進する方向に力が伝わるのだから普通に考えれば曲がりづらさは倍だろう。四輪駆動でスポーツカーが成立しない(パリダカみたいなスポーツは別ね!)というのは、その曲がりづらさがあるから。

 

もちろん、如何にでもセッティングで曲げようとすることはできる。

三菱ならランサー、富士重工ならインプレッサ、四輪駆動でもスポーツカーとして成立した車は現代では多々ある。けれども、それらを曲がる四駆にしたのはメカニカルな進化があったからとも言える。

 

サスペンションなどでセッティングを決めるのはもちろんだけど、今回のテーマである「デファレンシャルギヤ」いわゆるデフが四駆の場合は奥が深い。

 

二輪駆動の車で、片方のタイヤが滑った時、デフが入っていない車(オープンデフ)はもう片方のタイヤに力が伝わらなくなる欠点がある。じゃあ左右のタイヤなんか直結すればいいじゃん?そしたら、片方すべってももう片方のタイヤはグリップするでしょ!という話になるけど、待って欲しい・・・・・・コーナーで車のタイヤはどうなるか?

 

コーナーに対して、外側にあるタイヤは内側のタイヤよりも多く回転しているはずだ。そうしないと曲がらないから。もしデフで二輪に均等に力を伝えた場合、車の動きはカクカクしちゃうというか、バキバキ音を立てながらすごいぎこちない動きになる。

デフの仕事は、左右のタイヤの回転差を許容しつつも、必要なときには差動制限を行い必要な駆動力を滑ったタイヤに与えること。

 

前輪、後輪共にデフの役割は同じもので、二輪駆動の場合はそのセッティングを決めてあげると車の動きは激変する。

 

そして、四輪駆動は更に奥深く、センターデフという第三のデフが登場する。

前輪、後輪用デフが左右のタイヤの回転差を吸収する仕組みだとしたら、センターデフは何か?

センターデフのしごとは、「前輪と後輪のタイヤの回転差の吸収」になってくる。

 

センターデフがない場合、四輪駆動は前後ともに、ミニ四駆みたいに一本のシャフトで繋がれ、常時固定された状態になる。

けれど、4つすべてのタイヤをがっちり掴む状態ということは、前述のとおり前輪の曲がろうとする力を奪うので曲がりづらい、二輪用のデフと同じように車はぎこちない動きになる。パリダカとか、砂漠やオフロードを走る車はそっちのほうが都合がいい、あれは常時滑るような路面を走るので、とにかく車が前に進めば正義なのだ。けれど、市販車のパジェロはそうなっていない、普段は後輪駆動で、緊急時は直結の4WDにしてね

☆という体をとってる。

ミニ四駆は別に直結でも、別にステアリングは切れないし、カーブもローラーで曲がるので別に特に不具合はないが、自動車の場合、ガードレールにぶつけて曲げたらそれは事故です(きりっ

 

あ、大昔、拙者の先輩が雪道で、ダート用のランエボで走っていた時に「曲がらない時はこうやってまげるんだよ」と雪壁に突っ込んだまま曲がっていきましたが、あれはボディに穴が空くような悪魔の走行なので例外です☆

 

話し戻して、四輪駆動の場合は機構は様々ですが基本的にはセンターデフと呼ばれる第三のデフを使って、左右のときと同じように前後のタイヤの回転差をよきに計らってくれる。100馬力の車の場合、直結すれば前輪50馬力、後輪50馬力と配分されるけど、センターデフは前輪に伝わる駆動力を吸収して、たとえば50馬力伝わるはずなんだけど30馬力までしか伝えないという風にしちゃっている。すると、当然回転差が生まれるので、直結よりは曲がりやすくなるわけDeath!

 

スポーツカーとして四輪駆動が成立したのはこのセンターデフの高度な制御ができたことが大きい。90年代には富士重工は競技ベースのインプレッサでセンターデフを電子制御し、手動で拘束力を切り替えられるようにしているし、三菱の場合はランサーエボリューション7以降センターデフは自動で拘束力を変えてくる仕組みになった。

 

自分の車だけではなしを進めれば、ランエボの場合センターデフ(アクティブ・センター・デフ、ACD)は手動で拘束力を変えられない。予めプログラムされた制御範囲内で動作し、コーナー入口ではセンターデフをゆるめて曲がりやすくし、出口では直結に近づけることで4つのタイヤ全てに駆動力を与え加速力をあげるという仕組み。

 

制御ロジックは「TARMAC」、「GRAVEL」、「SNOW」の3段階で、名前のとおりTARMACが一番センターデフの拘束力が弱く曲がりやすい、SNOWは拘束力が強い(でも完全にロックするわけじゃない)となっているわけです。

 

と、ここでやっと本題である今回ご紹介のデバイスの話になる。

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 いわゆる「ACDコントローラー」。

デフォルトで三種類あるセンターデフの効き具合をコーナー「入り口(ステアリングをきって、ブレーキ踏んで曲がろうとする状態)」と「出口(ステアリングを直進に戻しつつ、アクセルを踏んで加速しようとする状態)」とで細かく変えることができてしまうのだ。

 

なぜそんなことをする必要があるのか?

 

先にも書いてあるとおり、センターデフは駆動力を変化させているため、曲がりやすくはなるが逆を言えば、前輪が車を引っ張る力が弱くなる!コーナー入り口は曲がりやすくするためにデフは弱めたいけど、加速時はしっかりと四輪が地面を捉えてくれたほうが車の加速はよくなる。

 

もちろんスポーツカーであるランエボの電子制御は上記のような特性にはなっている。

 

けれど、その減速と加速のタイミングは走る場所や車の状態、ドライバーの運転の仕方によって「掛かって欲しいトラクション」の量は変化してくる。

もちろん市販車である以上、ランエボのACDを制御するプログラムは万人向けで、かつ制御が優しいわけです。特に、標準よりパワーがあがった場合には駆動力が弱くて前輪が空転までは行かないにしろちょっと物足りない感じになる。

 

だったら、中間のGRAVELやSNOWを使えばいいって話にはなるけども、いちいちボタンで切り替えるのは面倒だし、そもそもの場合ランエボの電子制御は電子制御後輪用デフとの統合制御なので、GRAVELにすれば単純にTARMACよりトラクションが掛かるようになるのではなく、後輪用デフの効き目は安定方向になってしまうため曲がりづらくなるという結果が待っている(でも標準のACDのプログラムだと、峠とかは案外GRAVELでも十分走りやすい)

 

なので、センターデフの効き目だけを!という場合にこのコントローラーは有効。

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 車速で自動でOFFにもできるよ!

 

とりあえず、自分は曲がりづらい車が大好きなので、メーカーが良かれと思ってやった曲がりやすいセッティングを、よかれと思って打ち消すようにしてみた!

 

それでも前輪にも以前よりトラクションが掛かるので、コーナー出口の加速はよくなっているし、もしサーキットなんかでタイムを測った場合はその方がよくはなりそう。

 

まぁサーキットなんて行かないので、個人的な街乗りでのフィーリングを変化させる意味合いしかないけどねッ

 

こんな風に、機械式センターデフだったら、車の下に潜り込んで、あれやこれやしなければフィーリングを変えることができないデフを、車内かららくらく変えることができるという、それが電子制御4WDの魅力なわけです。

 

逆にセッティングが深みにハマってさ~大変だよ!!

 

 

 

 

 

結論:使いこなせていない。