- 多分ふつうの人の半年分くらいは走ったはずなので…
- アルファロメオは壊れない
- イタリア車と付き合うには寛大な心は必要
- ステルヴィオ クアドリフォリオ最大のネガ
- 維持費や消耗品がいちいち高いのもまた辛い
- 中古だから買うけど、新車だったら買えない
- 何を求めるかでステルヴィオの評価は変わる
多分ふつうの人の半年分くらいは走ったはずなので…
皆様の自動車年間走行距離がどんなもんかはわからないんですが、自分のステルヴィオは前オーナーが5年間で24,000kmしか走ってませんですた。
セカンドカーとか持っていたんだろうねとは思うけど、自分の場合はセカンドカーのアバルト「124スパイダー」が半年で2万kmを超えているので逆に5年で24,000kmってどうやったら乗らずに済むんだろう?と思う一方で、納車1か月弱経って「まー乗らないようにしたんだろうな」と思う気持ちも出てきたり、そんなこんなで絶対に需要がないだろうけど、今後「ステルヴィオ」の「クアドリフォリオ」を買おうと目論む未来のオーナー様に向けてメモを残すことにしました!というわけで、1か月弱経ったレビューをはじめるよ~~い。
アルファロメオは壊れない
みんな気になるアルファロメオの故障、期待を裏切る結果と逆に壊れてほしい願望が?
アルファロメオの場合、「よかったところ」よりも「わるかったところ(不具合)」を知りたがる人が多いと思うから先に書いておこう!
まぁこれを書いている時点で察していると思うけど、1か月で6,000kmは一般人の走行距離からすると立派な過走行扱いされてしまう距離。その距離を短期間で走れたということは「壊れていない」ということの証明でもある。
ただ、細かい不具合?はあるにはあるので、それは後述するとしても致命的に不動になるトラブルは発生していない。
アルファロメオが壊れるというのは都市伝説でもなんでもなく、単に古いイタリア車が壊れるというだけの話かと思う。
そういえば最初に買ったイタリア車フィアット「500X」もただの一度も不動を経験せずに3年70,000kmを無事に走り切っている。
警告灯祭りにはなったけど、積車芸は一度も経験していない
イタリア車とはいえ最近はグローバルでの販売を考えて設計はされているし、なにより昔とは違いアルファロメオとて大きなストランティスグループの1つなのでノウハウや部品などの共通化も進んでおり致命的に壊れるような個所が少なくなったというのもあるのかもしれない。
古いアルファロメオが壊れるというのはもう仕方ないと思う話で、その当時の話を現行モデルにまで適用させて「壊れるんでしょ」はあまりにナンセンスだと思う。
二輪も四輪も含めてアグスタ、イタルジェット、フィアット、アルファロメオ、アバルトと乗ったけどただの1台も不動になったことなんてないし、それこそ「燃える」と噂されたアグスタを真夏の40℃近い中で渋滞にはまりながら通勤したって燃えることはなかった。
2015年に買ったアグスタでさえそうなのだから今販売されているアルファロメオがそこまで致命的な積車芸をかましたり、不動になったりって逆にそれはレアな経験なんじゃないかと思う。
これを読んでいる人に伝えたいことは(都市伝説や外野に言われるほど)「アルファロメオは壊れない」、今日はこれだけ覚えて帰ってください。
イタリア車と付き合うには寛大な心は必要
壊れない、ただ国産車クオリティを求める人には?
「アルファロメオは壊れない」、とは書いたものの「細かな気になる点」や「警告灯祭り」はイタリア車の伝統芸だからそこを許容できる寛大な心は必要になる。
ただし、これらは「芸」のひとつであり「個性」でもあるので、これを「故障」とか「不具合」と気にして夜も眠れなくなる人は最初からアルファロメオどころかイタリア車なんか買っちゃいけない(ぉ
「ステルヴィオ」でこの6,000kmで出たところでいえば「バッテリーがやばい」、「パワーウィンドウをオートで使うとたまに暴走して開いたりしまったりを繰り返す」、「電動パワーゲートがたまに開かないor閉まらない(何度かボタン連打すれば動く)」、「春の警告灯祭り」、「幽霊に反応するセンサー」、「突然急加速するACC」、「エアコンが極端に寒いか、ぬるいかのどっちかでしか効かない」、「オイルを吹く」とかこんくらいかな?思い出したら追加するけど、思い出さなきゃいけないほどに些末なことしか起きていない。
でも、これを「不具合だろ!」って言っちゃう人は最初からイタリア車に向いていない。こんなものは自分がいま所有している3台のイタリアブランドの二輪と四輪では日常的に起きている話。
よくイタリア車は警告灯祭りになるし、アバルトはウォッシャー警告灯が消えずに逆に消えると「何か起きたか?」と疑うレベルだし、イタルジェットはオイルチェックランプがよくつくので気にもしていなかったが、ある日「本当にオイルが漏れていて減っていたw」みたいなことがあったけど、それはもう個性です。自分は警告灯をイルミネーションのひとつ、アンビエントライトみたいなもんだと理解しているので「動くだけマシ」という感じ。
バッテリーが弱いのもイタ車の伝統みたいなところがあるので、一週間乗らないとバッテリーが死ぬみたいな現実を「辛い」と感じるなら国産車とか欧州御三家を買ったら幸せになれると思う。
人間だって体調不良になるだろうに、機械に完璧を求めるのは人間のエゴだと思うし、こういう生き物的な不調を表すところがまたイタリア車のよいところだと思う。
だから、長くイタリア車と付き合える人は変わり者が多いし、逆に考えればイタシャと付き合ううちに変わり者になった可能性も若干ある。
ステルヴィオ クアドリフォリオ最大のネガ
壊れるイタリア車の方がよかった?
では「ステルヴィオ クアドリフォリオ」は完璧で最高のアイドルなのか?と問われたら「いやーそうでもないでしょ」と思うところがあり、自分がこの子の最大の欠点と思うところは「燃費の悪さ」なのだ。
もっともこのクラスを買う人は燃費なんか気にしないんで、そういう意味では完璧なアルファロメオかもしれないけど、自分は小市民にしていちサラリーマンなので、少ない給料からガソリン代を捻出しなきゃならんわけで、そうなると燃費はかなりお財布に効く、悪い意味で。
ステルヴィオの通勤燃費は3~4km/L、高速をひたすら我慢して9~11km/Lになるけれど、下道と高速を高速多めで走って1,000kmくらい走ったときの平均燃費はだいたい7km/L前後になる。
単純な四則演算の話なんだけど、6,000kmを平均7kmで走ったときのガソリン代を計算してみよう。
6,000/7=857リッター、それかけることのガス代が175円として14.9万円のガソリン代がかかっているし、実際にはハイオクが高いところもあるし、平均燃費ももっと悪い可能性があるのであくまで参考値だけど、過走行を愛する者としてもこの燃費はきつい。
アバルト単体であれば「ステルヴィオ」の倍は走るから単純に月10万円以内で収まる計算なんだけど、まぁとにかく燃費が悪い。
先に書いたようにこのクラスを乗る人から見たら「そんなもんでしょ」というのはわかるし、500馬力で2,000kg近い車重のクルマが逆にリッター15km走りますって方が凄いと思う。
(一応)エンジンには気筒休止とか付いているし、アイドリングストップもあるけれど、そもそも「ステルヴィオ」に積まれるエンジンは燃費なんか微塵も考えていない、あのフェラーリ由来のエンジンなのでクアドリフォリオを買うのであれば自らの財布、その中身を犠牲にしいかに官能を愉しむかという話しになる。
ちなみにうちはカバーをかけて完全に封印されました(何
車体がでかすぎてカバーかけるだけでも一苦労(´;ω;`)ブワッ
維持費や消耗品がいちいち高いのもまた辛い
高すぎて純正が買えなかったので…(´;ω;`)ブワッ
過走行勢は当然各部の消耗品交換ペースが速い。「ステルヴィオ」は車重もパワーもなによりトルクがあるのでタイヤも消しゴムのようによく減るし、そしてタイヤ代がバカにならない。
フロントは255、リアは285の前後異径でローテーションはできない。自分的には面倒なのでローテーションしないでそのまま使い切りでもいいんだけど普通のひとは長持ちさせようとするだろうからこれもまたデメリット?
フロントはまだ安価でタイヤも選べるけれどリアの285サイズになるとほとんどタイヤがないし、1本5万円を超える価格になるので割と辛い。
またブレーキローターも純正は1枚10万円コースらしいのでフロントだけで20万円を超える支出が求められる。
社外のローターは存在しない模様…クアドリフォリオはこういうところがいちいち辛い
オイル交換も6だか7リッター使うし、純正フィルターはフェラーリ系なので無駄に高くて1.5万円だかするんじゃなかったっけ…神奈川のオレカさんで純正互換のものを販売してくださっているけどそれを使っても1万円です、フィルターやぞ?ぞ?
ディーラーでオイルとフィルター変えたらそれだけで5万円近く取られそうで怖い…
月に6,000kmくらい走るような過走行野郎は毎月オイル交換に数万円払えますか?ってところを考えないとどこかのタイミングで詰む(ぉ
意外と忘れがちなのが自動車保険!
自動車保険も盲点だった…普通の「ステルヴィオ」なら格安のネット損保でもいけるみたいだけどクアドリフォリオは少なくとも自分が契約していたソニー損保では契約できないというか「車両保険が付けられない」という話だった。
中古とはいえ600万円したクルマなので当然車両保険は必要でしょ…というわけで、代理店で契約をしたんだけど、自分は年齢的にも18歳から無事故(よくよく考えると120万km以上走って自損事故してないってすごくね?)なので20等級なんだけど…
車両料率に注目…17段階中のトップである17!
とにかく車両保険が高いwどうも高級車になるとこの料率になるらしい。。。事故の多さとかはあんま関係ないみたいね…そもそもクアドリフォリオの「ステルヴィオ」なんて日本に何百台走ってんのってレベルだから事故を起こす以前に存在がない。
車両保険に自損カバーまで含むと年間18万円…63%の割引が効いてそれ?
というわけで自動車保険はプランにもよるけど年間18万円と11万円のものがある、自損カバーの車両保険だと18万円だね☆ミ
割引が効いてこれなので、当然等級が低ければもっと高くなります。そういえば20歳くらいのときにZ33を新車で買って自動車保険に入ったときに年間30万円くらい請求されると親に脅されたけど、あれ脅しじゃなくて本当だったんだろうなぁと思いつつw
任意保険は任意とはいえ入らない奴とはお友達にはなりたくないし、近寄っても欲しくないものなんで必ず入っていただきたいと思うけど(もちろん資産が5兆円くらいあって人を殺しても物を壊しても自腹でどうにかできるよって人は除くけど)、これが意外な盲点で契約後に気づいたもんだからお金の捻出にかなり苦労しました(ぉ
まーあとは自動車税が当然高い、5万円かかるってことか。なので保険と税金だけでも年間20万円近い出費が発生するのでそれも踏まえて「買えるかどうか」と判断してほしいと思いますね…
中古だから買うけど、新車だったら買えない
初期型の「ステルヴィオ クアドリフォリオ」の車両価格はおよそ1,100万円!!
1か月弱乗って感じたのは「普通のSUV」だってことで、エンジンを除けば特別感はゼロ。
これ一応新車価格は1,000万円を超えるクルマだったんだけど、内外装にその価格を感じられる特別感があまりにも薄いのでオーナーでありながらも初期型を買った人ってすげーなってド直球ストレートな暴言に近いけど尊敬できるところもある。いや、初期型を買った人がいたから自分はオーナーになれたんだけどw
1,000万円を超えるクルマなのにヘッドライトはHID、タッチパネルはタッチ非対応、その他装備も貧弱で装備面でいえば400万円で変えた2019年に買ったプジョー「3008」の方がずっと豪華だったし、インテリアのカーボンにしろ標準車の限定グレードでも使われた装備なのであまりに特別感がない(´;ω;`)
まぁどこにそんなお金かかってんの?と言われたらそれがエンジンなんだろうけどw
ジュリア・ステルヴィオの2車種のためだけに作られた「690T」
クルマの開発費で大きなウェイトを占めるのはエンジンだと思う。「ステルヴィオ」のエンジンは新規開発ではないとはいえ、フェラーリのV型8気筒エンジンをベースにしたアルファロメオ専用のエンジンとしてわざわざ開発された。
ベースになるエンジンはあったから新規開発よりは費用を抑えられたかもしれないけど、ベースエンジンには存在しない気筒休止とかそういうものを盛り込んでいるし、なんだかんだほぼ新規開発に近いくらいのコストはかかったんじゃないかと思うけど、このエンジンはアルファロメオ専用だし、他にアルファロメオに690Tを転用できる車種が存在しないので、台数的にもそんなに多くを見込めない2車種のためのエンジンと考えればそりゃクアドリフォリオになると標準車プラス500万円増(およそ)ってのはなんとなく理解できるところでもある。
ポルシェとかのハイパフォーマンスカーで1,000万円を超えてくれば多少なり高級感もあるだろうし、機能面で特に不満を感じることもなくなるはずなんだけどステルヴィオに関して言えばもともとがアルファロメオ初のSUVで機能面はライバルに劣るところがあったのに、エンジンだけすげーの載せちゃったもんだから高級感よりもスポーツ性能に全振りの極端に癖が強いSUVになっちゃった!
SUVに官能性とスポーツ性を求める人には最高だけど、多分SUVを買う人の大半はそんなものを求めちゃいないし、本当に好きじゃなきゃ買わない。
興味本位で買った人がわずかな距離で手放したからこそ中古は低走行のものがあふれているんじゃないかと思うし、まぁそういうことでしょ。
何を求めるかでステルヴィオの評価は変わる
前編は主に「心配事」と「知ってほしいこと」について書きました!
前編としてはみんなが気になる「ステルヴィオ」のネガな部分を書いてみたけど、結局は「故障」に怯えるより「些細な不具合を笑って見過ごせる寛容さと、高コストを払える諭吉の暴力」がオーナーにあるかって話な気がしている。
「そんなことはわかっている」と言われそうなお金の話も、事前にわかっていたとはいえオーナーになると当然ながら重くのしかかってくるところだし、憧れや興味本位だけでは維持できねーよってことを痛感させられる。
ガワは普通の「ステルヴィオ」に毛が生えた程度のものだから勘違いしやすいけれど、中身はその辺のスーパーカーを相手に戦えるだけのパフォーマンスがあるSUV。エンジンだけ見てもフェラーリのV8ベースと聞いたらお財布に優しいクルマであるはずがないんだよなぁ…
なので、オーナーになりたい人はまず自分のお財布と相談しましょう。
あと、過走行になると色々厳しいのでセカンドカーがあるとなおよしです!
SUVなのに1台ですべてをこなすことに躊躇しそうな感じ…セカンドカーにステルヴィオのディーゼルとかあると幸せになるんじゃないですかね、知らんけど。