この記事の第一回を読んで400人規模で10人も情シスいるんだ!!めっちゃうらやましい!!だった人はぼくだけではないはずだ (´;ω;`)ブワッ
そもそもそんな部門が存在している会社に憧れを持つ人だったりします。
自分は今の会社で5社目になる転職は多い人間だけども、今までいた会社でいわゆる情シスと呼ばれる人が二人以上存在していた会社には出会えていませんね。規模はバラバラで、社員数が400以上の会社もあったし、営業時代は店舗もありその店舗のインフラを保守する人間はひとりでした。同一県内限定だけど、トラブルがあればいつも死ぬのはその社内の情シスでしたね。
部門が解体されるどころか、誰もやる人間がいないから…という理由で、ちょっとPCに詳しいだけの人がアサインされるのが中小企業情シスあるあるかと思います。勤めた会社5社中3社はそんな感じ。
PCできれば社内のインフラも組めるだろくらいの考えで経営陣は来ますが、無理だから(震え声)になりながらも誰もやらないと会社が回らないから気合で回すの考えでやっているところは案外あるんじゃないかなとなんとなく思います。
そもそも情シスなんて理解のない経営陣にしてみれば超絶オーバーヘッドで、PCに詳しい誰かが兼任でやればいいんだよくらいなもんだと思うので大企業くらいしかお目にかかれない部門な気がするのですじゃ。。。
それなのに情シスの業務は多種多様、求められるスキルは垂直方向ではなく水平方向に展開していく必要があるのでとんでもなく幅広い知識と理解が求められ、相談されたらなんでも答え、調べてでも答える義務がある”何でも屋”なんです。
現場のインフラ屋が教える インフラエンジニアになるための教科書
- 作者: 寺尾英作,中村知成,波多野安衣,横田真俊,JPCERT/CC
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いつぞや読んだ本にもあったけどほんと幅が広い。
PCサポートと聞いて入社した人間が最終的にガチガチの情シスに仕立て上げられるの、あるあるだよな!と思いつつ。
そうなってくると某D社の残業100時間なにそれ?みたいな領域に突入することなんて頻繁にあります。業種にほんとよるのだけど24時間365日でサポートする必要もあるし、仮にこれから情シスを目指す人がいて、その情シスの人数が少ないのであれば業種と働き方は要チェックかと思う…それこそD社みたいな働き方をする中小企業で情シスがひとりしかいないと、当然時間関係なく電話が来るしチャットに反応しなきゃいけなくなる。
6年その生活を続けたら最後は不眠症になり、病院こそ行かなかったけど間違いなく鬱に片足突っ込んでいて、今でもメールがこないとわかっているのに夜中に目が冷めてメールを見る癖がついていたり、移動してても15分に一度はメールをチェックしないと不安になる。(今の会社はそんな頻繁にメールこないし、夜中まで仕事をしている人はいないし、障害は基本的に10時-22時の間でしかこない、念のためw)
単純に耐性がないだけと、某D社の自殺した方に飛ぶ声に似たことを言われるかもしれないけど、個人的にはアレよりもきついなぁと思うところはあります。。。
なぜって?
給料低いから(´;ω;`)ブワッ
100%間違いなくぼくの給与はD社の新卒の半分以下でしょう。
6年働いたってそんなもんです。辞める間際にCTOにすら「給料安くてごめん」と言われたし、一応会社としては自覚あったんだな〜という気はします。
ただ 情シスの給与が極端に高くはないというのは結構あるんじゃないかな?と思ってます。SEやプログラマに比べて情シスが高いという話は知っている限りではありません。そもそも情シスは総務経理などと同じ管理部門扱いで、いわゆるオーバーヘッドです。
総務経理が存在しなければ会社は廻らないですが、情シスはいなくても最悪なんとかなるレベルなので経営陣の意識としては不要なものであることが多いです。
オーバーヘッドにこそ優秀な人材を揃えるという考えを持っている人がいればその会社は割りと安泰だと思いますが、その場合もせいぜい経理に優秀な人材を置くだけで他の管理部門は最悪バイトでもOK的な扱いにされることはあります。
ひとり情シス顛末記もそうですが、本当に必要な部門であれば解体はまずないよねと。
コストだからと経理部門を廃止して、簿記3級持っているからという理由でその辺の営業やっている人間についでに任せるか?と言われたらスタートアップならあるかもしれないけど普通に何年も続いている会社じゃ絶対にないです。
でも情シスは違い、部門を潰してその辺のPCが詳しい人に最悪任せられ、それで運用がなんとなくできてしまう。
兼任であったり、専任であっても業務量の割には給与が低く設定されていることが多いです、PCサポート係と社内のインフラ周りを面倒見るのじゃ給与体系は変わっていいと思うんだけど、なぜかそこが同一扱いでPCサポート担当というバイトくらいな感覚で給与が設定されているわけです。。。
でもそれはそれで非常にリスクがあることだと、なぜか理解していない人も多いのです。
過去に何度も個人情報の持ち出し、流出があり当然情シスとしてはその対策を考えることを求められるのですが、正直ぼくはいつもシステム側で対策しても根本的に防ぎきれないと言っています。そして対策を求められれば屁理屈なので「個人情報を取り扱う担当者の年収を数千万円にあげてしまえばいい」と言います。個人情報を盗み出すにはいくつか理由がありますが多くはお金だと思います。顧客情報を売っても数十万円からいいとこ数百万円で、バレたら人生終了レベルにはなりますが、それをしなきゃ生きられない状態になる人がいるのは事実なので、そうならないように個人情報を扱う人に、そんなものを盗み出すのは馬鹿であると思わせるくらいの金を払い、普段からコミュニケしとけばいいんじゃねーの?というのがぼくの考えです。
もちろんお金はあればあっただけ使うので年収数千万でも盗むかもしれないですが、その場合はどこぞの銀行の人みたいに横領とかそっちに走ると思います。所詮数十万から数百万じゃ年収数千万の人の懐を満たせるほどではないですから。
その対策はまず採用されませんが、情シスに対策を求めておきながら、その情シスの給与が安いというのはまた面白い話です。
24時間365日を手当なしの年棒制で働いてきた自分の時給は換算するのも恐ろしいほどの低さだと思いますが、そんな人間に社内システムすべてのAdmin権限があるわけです。
自分で導入したシステム、構築したインフラ、そうすべてが手中に収まっている。もし社内で自分がログインできないシステムがあれば末期のティエリア・アーデ状態になります。
自分にアクセスできない場所があるのだとしたら「!?」を頭に浮かべることになる。
ひとり情シスにすることのリスクはそこです。
社内で一番PCに詳しい奴が導入したシステムは、逆を返せばその人にしかわからないブラックボックスであり、その中で何が起きていても調べられる人間は社内には存在しないということになります。ネットワークのどこかにバックドアとなるサーバを置き、退職後もそこからインフラに侵入できれば個人情報は筒抜けです。そういうリスクは多くの場合は考えられません。なぜ経営陣はそんな扱いで情シスが会社を裏切らないと思えるのか、毎度謎で仕方がないのですが、そんなところだけ性善説を口だけの信頼をもらっても意味がない。
ログを取得している?そのログすら管理者なら消すことだってできるわけですから、それに何の意味があるのか全然わかりません。完全にシステムを外部に出し、ログすらも改ざんできない環境を用意するのがよいと思いますが、そこにすらお金を出さないというのであればもうそんな会社は辞めるべきです、最悪の場合、自分の首が吹き飛びますから。
”何でも屋”、長時間労働、低賃金、機密情報へのフルアクセス…そんなところで働くひとり情シスは割に合わない仕事だとは思います。ほんと大手で大人数いる中のひとりとして働けるなら最高だけど、今の自分の仕事を自分の子供にさせたいか?と問われればNOですwやらせないのかよ!!wやらせたくはないですね。
ひとりになることを避けられないのであれば、何かあっても自分の身を守れる仕組みをとにかく提案できるほうがいいし、絶対に社内で孤立しない立場にあるべきだと思います。理想は管理部門として総務経理の中に組み込まれることでしょうか。前職は部署すらなかったのでそれは叶いませんでしたが、今は管理部門の情報セキュリティ担当者扱いで+サポート業務なのでだいぶ楽になりました。会社としても一応の手続きを踏まなければ情シスが自由に動けないという体制にしておく方が安心だろうし、とはいえセキュリティ絡みのことは急を要するので上長に話を通して経営陣まですぐに話しがあがる体制を構築したのでそれほど作業速度は落ちていないところもなかなかです。
結局6年やって思ったのは情シスは環境がすべてです。
同じエンジニアでもSEにしろプログラマにしろ、ある程度好みの業界はあるじゃないですか、Webなのかゲームなのかとか。情シスには極論それがないんです。どこの業界だろうがやる仕事に大差はなく、強いてあげるなら業界によって深夜作業が発生する、しないとかそういうことだけだし、業界独特のたとえばコールセンタがある会社ならPBXどうするの?とかその辺に違いはありますが、基本はどの業界でも通用するものです。
だからこそ、自分が働く環境はよく確認しましょうってことです。
たとえば深夜作業を拒否したいなら、深夜まで従業員が働いていない会社を選ぶべきです。情シスの立場上、社員が働いている時間に呼び出しが来るというのはあるあるで、故の24時間365日です。ぼくは祖母が亡くなった夜、寝ずの番で遺体の前でサーバのスケールアップだかの作業をやっていましたし、頼まれてそれを断ることは出来ない空気に情シスはなってきます。なぜならそこで無理を通してすることで信頼というものを得られるからです。頼まれたらすぐやる、情シスの人はそうやって信頼を勝ち取り、社内で自分たちの居場所を構築している気がします。
なので繰り返しになりますが、環境を重視しましょう。
そして二番目に給与の交渉は当然ですがしっかりしましょう。
ぼくは最初がPCのサポート業務+インフラで、重きを置かれたのはそのサポートのほうだったので年俸はものすごく低いものでした。でも結局最後は当初想定されていた業務量からは遠くかけ離れたもので、ボリュームもかなり増え、割に合わない仕事になりました。既に情シスとして働いている人はそのへんは心得ているはずなので大丈夫かもしれませんが、これからの人は初期年俸をちゃんと打ち合わせましょう。また、会社方針として今後自分をどうしたいのか?を確認しましょう。自分がどうなりたいか?よりも情シスの場合は会社の経営方針に則りシステム導入などをする関係もあり、それによっては想定される年俸では安すぎていずれ不満がでることは目に見えます。
最後に。
辞めたくなったら辞めましょう。思っている以上に、ひとりひとりは周りに評価されているので、どこへでも転職はできるものです。
ぼくが前職で犯した最大のミスは仕事を優先しすぎて家族との関係を悪化させてしまったことです。妻が会社に不満を持っていることも知っていましたが、自分は職務を全うすることに夢中で、挙句鬱になりかけ、そんな状態で家族の形を維持するのが困難になり、退職の直前には既に別居状態でした。転職して、心が穏やかになったとはいえ、まだ家庭は完全に修復しきれていないし、そこはなかなか厄介です。D社の子のように自殺はしないけれど、結局仕事をして家族を壊したのであれば元も子もない。ぶっちゃけあの程度の年収で家族も壊し、鬱になりかけじゃ割に合わない。
なんで辞めるという判断がもっと早くできなかったのか?
それは単純に自分のスキルでそれが可能なのか?という不安もあり、またまだ会社のために何かできるという中途半端な忠義心からだと思っています。実際蓋を開ければ三流エンジニアだと思っていた自分のスキルは外に出しても評価は高く、今回は紹介中心で動いていましたが、どこの会社も好印象で「あなたさえ良ければ一緒に働きませんか」のオファーはもらえていました。人不足なのもあるかもしれないですが、なんでもできる情シスはそれなりに需要があるのだなと感じましたし、紹介してくれた人も今までの自分の仕事ぶりを評価してくれて一緒に働こうと言ってくれているので、お金はもらえてなかったけどちゃんとやってきたことは評価されているなというのは伝わりました。
なので恐れずに逃げましょう!
情シスの仕事は自分が属する会社の社員を幸せにすることだとぼくは思います。
であるなら、そこで働く情シスだって幸せにならなきゃいけない。
ひとり情シスすべてに幸あれ!
ぼくは会社のインフラも守らなきゃいけないですが、まずは家族を取り戻せるように頑張ります(´;ω;`)ブワッ
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