過走行?
我が家のドラッグスター300のこれまでの時系列。
・8月1日 納車
・9月4日 1か月(1,000km)点検終了
そして、9月中旬に青森手前まで往復し4,000kmを超えたので2回目のオイル交換時期を迎えた。
早い、ペースがとてつもなく早い。
単体だとそんなに?と思うけれど、その前に乗っていたドラッグスター200は1年強で4,700kmしか乗らなかったので1か月半で4,000kmを超えたのは同じイタルジェットで比較すればかなりハイペースだってわかる。
もちろん、乗らなかったからドラッグスター200はそれなりに下取りも高い金額がついたのだろうし、顛末だけ見ればわるいことではなかったかもしれない。
ただ、不思議と「もっと乗りたかった」というセンチメンタルな気持ちになりきれないのは、これが同じイタルジェットへの乗り換えで車体は「ほぼ」同じ、エンジンだけが違うモデルへの乗り換えだったからなのかもしれない。
こんな乗り換えははじめてで、「新鮮味はない」とも思っていたけど、そんなこともなくドラッグスター200からドラッグスター300まで乗り換えずに車歴が続いているような、そんな錯覚もある。
280ccという排気量、長距離を走るには具合がいい?
けれど、やはりドラッグスター200とドラッグスター300は別モノで、280ccエンジンを得たドラッグスター300は明らかに200のそれよりもロングランが得意なバイクになっている。
乗り換え当初、DOHCのドラッグスター200に比べてSOHCの280ccエンジンは「つまらない」と感じた。
ノーマルの駆動系は、はじめてイタルジェットに乗る人にはそれほどに違和感がなかったかもしれないけれど、200で駆動系をいじっていた人が乗り換えると「なんでこんなにもっさりしてるんだ」と感じてしまう。
駆動系のもっさり具合が、エンジンの印象も悪くしてしまったのだろう。駆動系をマロッシとPoliniに変更した今はエンジン自体の印象もまるで変わり、低回転からトルクフルなエンジンはドラッグスター200にはない強烈な加速感、まったり流そうと思えば流せる低回転のトルク、そしてセッティング次第では実測で150km/hを超えられる最高速・・・これを体感してしまうとSOHCがなんだ、280ccいいじゃないか!となってしまう。
125/200にも魅力は当然ある、車検がないクラスは買いやすい。
ただ個人的には3年、継続で2年の車検なんて、もっといえばバイクの車検なんて微々たる金額なわけだし、そんなものを気にして買うならなんも考えず脳停止で300を買えばいいんじゃないかなって気がする・・・
まー買えても登録できないですけどね(ぉ
テールライトだけじゃないく、複数の問題で登録が滞っているらしいので、ほんと初期に登録できた数台しか公道を走れていないんじゃないか説はある。
というわけで、2回目のオイル交換
早くも4,000kmを走り、初回点検から3,000kmを2週間で走ったわけなのでオイル交換を実施。
初回でオイル+フィルターを交換してもらっているので、今回はオイルだけ。
バイク用のオイルはパノリンかリキモリと決めていて、今回はリキモリにします。ついでにゾイルもぶっこみます。
たぶん、1リッターで足りるはず。
規定量はセンタースタンドをかけて測るみたいなんだけど、サイドスタンドで立ててフィラーキャップを開けるとオイルが溢れそうになっているのでビビるw
交換方法はマニュアルにある。
イタルジェットのマニュアルは割と親切なので、簡単な整備であればマニュアルを見ながら行える。
オイル交換もマニュアル表記はあるものの、これはオイルが入っていない状態でドレンボルトを開けているので、オイルが入っている状態でこれをやるともれなくオイルをセンタースタンドにぶっかけることになる。
やってみると、サイドスタンドをかけてドレンボルトを開けて、片手で車体を傾けてオイルを抜くって感じになる。
言うてオイル量は1リッター強だし、150kgの車体は片手でも余裕で傾けられるからそこまで難しい話じゃない。
大型でこれをやれと言われたら、おとなしくメンテナンススタンドをかける。
ドラッグスター200はドレンがエンジン直下だった。300はサイドなので自分はこっちのほうが作業がしやすくて好き。ボルトのサイズは19mmだったか22mmだったか、忘れてしまったけどかなり大きいので普通のソケットレンチセットだけだとできないと思う。
再使用するフィルターは、当たり前だけどそこまで汚れていない。ブレーキクリーナーで軽く清掃をした。
これ、フィルターやるときはもしかするとマフラーを外さないとだめかな??なんにせ10分もあれば外せるので大した手間じゃないけれど。
そこそこ抜けたあたりでオイルを入れる。
オイルはリキモリ、1リッターしか使わないので大した金額じゃない。でもリッターあたりの単価はステルヴィオのエンジンオイルより高いことがわかったw
スクーターにこんなオイル必要あるん?と思われるかもしれないけど、逆。
ドラッグスター200より高速が楽になったとはいえ、高速道路では常に高回転を使うことになり、ぶっちゃけサーキットを走るよりも過酷な条件になる。
経済性優先の安物オイルよりも、高回転で油膜が切れないちゃんとした性能のオイルを入れてあげるのがいい。
そういう意味で、自分はリキモリに絶大な信頼を置いている。
オイル量は1リッターだとちょっと少ない、ゾイルを入れたのでまぁまぁ適正と言える量に合わせることができたけれど、なかったら足りなかったと思う。
駆動系の妥協点
オイル交換と同時に駆動系のセッティングを変更した。
ドラッグスター300の現在の仕様をメモで残そう。
・アクラポビッチ マフラー
・アクラポビッチ フロントパイプ
・Polini ハイスピードプーリー
・Polini ショートベルト
・マロッシ センタースプリング
・マロッシ 強化クラッチ
・ウェイトローラー 17グラムx6個(102グラム)
走行に直結するところはこんなもの。
駆動系はPoliniとマロッシのハイブリッドになっている。
この仕様で最高速が落ちたので今回はウェイトローラーをPoliniに付属している22グラムに交換する。
そもそもPoliniがキットの中に17グラムと22グラムのウェイトローラーを付けているので、22グラムを使うことを想定した仕様なのかもしれないと思ったからだ。
純正のウェイトローラーが14グラムなので、それを22グラムに交換するのは普通の駆動系セッティングでは「ありえない」といって差し支えないレベルで、「ありえない」話。
最高速が欲しいといっても純正から8グラムも重いローラーを入れたら、低回転がとんでもなく鈍足になって気持ち悪い動きになるはず。
なのにPoliniはメーカーとして最初からこの重さを設定しているのは、このキットがプーリー・ショートベルト・強化センタースプリングの組み合わせだからだと思う。
特に、強化センタースプリングを強化した場合、軽いウェイトローラーではセンタースプリングを硬くしたことでセカンダリーを開ききれなくなるので最高速が顕著に落ちます。
故に、先日の東京-青森ツーリングで感じたような最高速ダウンになるわけです。
ただ、最高速は落ちるものの再加速時のフィーリングはよくなるし、街乗りではそこまで不安がないのも事実。
22グラムを入れてどうなるのかを試してみたかった。
スクーターの駆動系は本当にいい、すごく楽。慣れもあるけれど、ウェイトローラーだけなら30分もかからずに交換できる。むしろ、雑多にちらかる倉庫の中からお目当ての工具を探す方が時間がかかるかもしれない・・・そんなこともあろうかと、イタルジェットの駆動系をばらすための工具は予め小さなボックスにまとめて収納するようにした。
ついで?に気づいてしまったこれを掃除。
エアクリボックスから出ているブローバイを貯める場所、こんなにオイル溜まるんか?ってレベルで溜まってる。
1か月点検のときに見てもらったはずなので、わずか3,000kmも走らないうちにこの量が溜まったみたい。
SNSのフォロワーさんも溜まっていると書いていた。200はここまでたまらなかったので300の仕様なのかもしれない?
メリット・デメリット
ハッピーメーターなので実測より12km/h高いことを示すメーター、それを踏まえて最高速テストを行うと空気抵抗が少ない+下り坂ななら148km/hまで引っ張れるけど、平地のストレートだと130km/hくらいが限界のようだった。
一方で一般道の速度域ではアクセルを戻したり、再加速のフィーリングは悪くないし、街乗りのスタートダッシュもフロントが浮かないまでもなかなかの加速感がある。エンジンブレーキが絶妙に効かず、ブレーキをかけても加速しているようなフィーリングがあるのは気になるものの、全体的なバランス?という意味では悪くない。
17グラムのウェイトローラーを入れていたときよりも加速感が出ているのは驚きだった。
駆動系セッティングは不思議で、ウェイトローラーを重くすれば加速は悪化しそうなものだけど、センタースプリングを硬くすると逆に重くした方が加速がよくなる。バランスって話なんだろうけど、無数にある組み合わせからベストなものを探すのは難しい。
センタースプリングを純正に戻せば走行中のアクセルに対するレスポンスだったり、軽快さは失われるものの「いざ」というときに150km/h出るという余裕の高速性能が手に入る。
一方で、「そんなシチュエーションがどれだけあるのか?」を考えたとき、公道でそこまで最高速はいらないのでは?となる。
ロングツーリングのときに楽になるとはいえ、これから冬になり、バイクで遠出をする機会は減るだろうから、来シーズンまではこの仕様で乗ればいいのでは?とも思う。
駆動系にすべてを満足させられるベストなセッティングがあれば最高だけれど、それはやっぱり無理だと思うしどこかでバランスを取りつつ、何かを諦める必要があると感じる。
最高速と加速の両立は、280cc程度の排気量では難しい。
これがリッターバイクであれば3秒以下で100km/hを超え、最高速も300km/h以上でるレーサーは成立するだろうけど、せいぜい20馬力そこそこのバイクでは最高速を求めすぎるのも酷な話。
この辺を落としどころとするのがいいのかもしれない。
なんにせ、納車時のもっさりしたフィーリングは薄れ、通勤快速車両として理想的な姿にはなったんじゃないかと思う。
国産スクーターであれば、このドラッグスター300にシグナルバトルで勝てるものはそうそういない。
車格はPCXと変わらず、カブよりもコンパクトなのにエンジンだけは280ccなんだから純正状態で魔改造。国産車でちょっとこの尖りすぎたコンセプトのスクーターは絶対に出さない。ある意味で顧客目線を捨てて、自分たちが作りたいものを作ったというのがドラッグスター300までのイタルジェットにはある。
一旦、駆動系のセッティングはこの辺でおしまい!
また気が向いたら色々やるかもねーって感じです。