- しばらく増えない?
- 700km走りました
- 排気量違いの同じバイク
- 200と300はどこが違うのか?
- 中途半端な排気量
- SOHCは微妙なのか?
- 乗れば速い、それは間違いない
- ノーマルでは物足りない
- 200から乗り換えるべきなのか?
- イタルジェットは万人におすすめはできない
しばらく増えない?
昨年末に日本での予約が開始され、やっとこさ7月末くらいから納車が始まりはじめたイタルジェット ドラッグスター300!
その矢先に流れるテールライトが保安基準に適合しないという「え!?今更!?!」感しかないことでナンバーの新規発行が止まっているという残念OF残念な感じでスタートを切っているわけです。
流れるテールライトはキーONにした際のオープニングセレモニーでしかなく、走行中には流れないので問題ないだろうというのがイタルジェット社の判断だし、そもそも世界的にそれで問題ないから発売されているので日本の基準がなんとなく鎖国的なのが原因なんでしょうが、このグレーな部分がはっきりホワイトにならないとナンバープレートは新規で発行されないのです。
じゃあなんでお前は乗れてるの?って話ですが、輸入車の持ち込み車検の場合は陸事のさじ加減で決まるところが大きいからなんでしょうね。
足立の陸事は緩かった、でも他県の陸事でイタルジェットを登録しようとしたショップさんなのか個人なのかそのへんはわからないけど、そこで「これあかんやろ」と言った検査員がいたためそれが全国に通達された今、新規登録ができないって話なんです。
だから、陸事がゆるくて運がよかった数名のオーナーだけが今、300を走らせることができているっちゅうわけですね。
700km走りました
お盆中も元気に出勤して、その帰りに700kmになりました。
忙しすぎる&天気が微妙なため、全然距離を稼げないイタルジェットちゃん。そもそも、お盆時期なのでショップも休みのため1,000km点検を行えないので乗れないなら乗れないでいいんですが、まだ700kmです。
一度オドメーターがリセットされたので正確にはもう730kmくらい走っていますが、お盆中に1,000kmいけるかなって感じ。
元200オーナーが300に乗り換えて700km走り、その違いについて思ったことを書いていこうと思った次第。
排気量違いの同じバイク
200と300は基本的には同じフレームに排気量違いのエンジンを載せただけ
過去何台もバイクに乗ってきているけど、同一車種の排気量違いに乗り換えたのはイタルジェットが初。
それくらいにイタルジェットを気に入っているのか?と問われると、別にそれほどwって感じではあるものの、逆にイタルジェットの他に特に乗りたい通勤用の低排気量バイクもないってことで・・・スクーターを買うなら自分の中では今はもうイタルジェット一択かなって気はします。
シンプルに「変なバイク」、「他に似ているものがない」ってところでは、これもまた量販車カテゴリにおける「唯一無二」に入るのではないかと思うのです。
そんなところが好き。
そして、300が出たタイミングで「この軽量コンパクトな車体に280ccエンジンを積んだらどうなるのか?」という誰もが思う好奇心、それを満たすためには乗り換えるしかなかった・・・というのは大きなところ。
200と300はどこが違うのか?
様々な記事で紹介されているように、200(含む125)との違いで言えば、
- エンジンが278cc SOHC単気筒エンジンになった
- フロントカウルにウィングが付いた
- サイドスタンドが標準装備!
- フルカラー液晶メーター!
- 日本語のマニュアルが付いてきた(何
- フロントのウィンカーが違うかも?
ざっくりこんなところじゃなかろうかと。
前半部分は各所で紹介されているとおりだけど、オーナーになってわかるのは紙で日本語マニュアルが付いてきたこと?w
200に紙の日本語マニュアルはなく、PDFで日本語版をもらいました。今は違うの?
エンジンは当たり前で全然違うけど、メーターを除けばぶっちゃけ125と200も300に近いことはできるので外観的な大きな差はないのです。ウィングもカウルごと交換すればいいだけなので、やろうと思えばできるはずw
メーターはカラーになったけど、メーター側の不具合なのかオドメーターがリセットできちゃうし、トリップメーターはA/Bと切り替えができるらしいんだけどなぜかできず1つしかないので妙に不便。
そのあたりで言えば200のオフ車みたいなメーターのほうが実は多機能だった説もあるよねw
基本同じなので125/200用に出ている快適性向上グッズの流用も可能です。
この辺は200から移植しました、ただバーエンドミラーはハンドルパイプの径が違うのか、ハンドル側をちょっと削らないと入らなかった(´;ω;`)
個体差の可能性もある。
I.S.Sのカーボンカバーもそのままつきます。外装はほぼほぼ流用がいけますね。
ただ、マエカワさんのバックステップは付きません。
300の場合、ステップを取り付けるシャフトの位置が純正サイドスタンドのプレート裏にあるので入らないのです。
このあたりはX-ADVで有名な三重のアンドロイドさんのおぢさんが作ってくれそうな気がするので、それを首を長くしてまってますw
マフラーなども地味に付かないので、加工すればなんとかなるかもしれないけど、それは嫌なのでおとなしく300専用品を待ちます。
走行性能系で言えば駆動系はベスパ300用のマロッシ系が流用できるので、このあたりは注文を入れました。
外装はイタルジェット、エンジン・駆動系はピアッジオグループのスクーターから適当に持ってくればなんとかなりそうですね。
こういう「付くの?」、「つかないの?」を探すのも、この手のスクーターの楽しみ方っちゃ楽しみ方。
意外とパーツはある気がする、国産と比べりゃ酷だけどw
基本的には同じフレームでエンジン違いなので足回りやブレーキには変更はないはずだけど、なぜかブレーキのタッチは300のほうが硬い。200は納車直後でもここまでは固くなかった気がする、個体差かもしれないけど。
中途半端な排気量
搭載されるのはピアッジオ系の300HPEと呼ばれる278cc SOHC単気筒エンジン
ドラッグスター300、その名の通りではなく、搭載されるエンジンは278ccのSOHC単気筒エンジン。輸入車は繰り上げが好きなのか、車名の数字と排気量はイコールではないので、300と書いてあっても278cc、国産車なら280ccというなんとも微妙な排気量なのです、実際は。
200も同様に181ccと絶妙に200ccではないけれど、125だけは124ccなのでちゃんと125ccと呼べます。
イタルジェットが中国産イタリアンである事情を考え、欧州の免許区分で見ると欧州でも125cc未満、出力15馬力以下のバイク用の免許があるのでそれに合わせた排気量を用意しているのでしょう。逆に125を超えてしまえば出力制限はあれど排気量の制限は特にないみたいなので日本では微妙に感じる181ccや278ccも特に気にはならないということでしょう。
このエンジンは125/200がDOHCで、300になるとSOHCなので単純に200(性格には181cc)のボアアップ版ってわけでもないです。
ボア・ストロークは200が「63x58」で300が「75x63」とボア・ストロークも全然異なりますんで。
微妙は微妙なんだけど、そもそもイタルジェットを買うような人が排気量の微妙さを気にするかといえば間違いなくしないし、自分もそのあたりはどうでもいいんだけど、Youtubeとかなんかの記事で「300ccは」みたいに語られると、それはちょっと違うよなーってお気持ちを表明したくなりますw
20ccも違えばもう全然違うからねw
あと、未だにショップのページでも排気量が混在しているものがあるので要注意。
こちらは281ccで紹介されている。
エンジンの性質上、300ccなんて切りの良い数字はまずないはずだし、ボア・ストロークの計算も合わない
ブロガーさんやゆーちゅーばーが間違えるならまだしも、売る側にはもう少し正確な表記をお願いしたいと望みたい所存でございますw
SOHCは微妙なのか?
300が発表されたとき、エンジンは「DOHC」と公表されましたね。でも、Web記事なんかだと「見た目はSOHC」と書いていたし、上に画像で貼ったショップのサイトにもDOHCとあるんだけど説明書には「シングルカム」とあるので、自分の認識が違うくなければSOHCです。
排気量もきちんと278ccになっています!
125/200が出たとき、自分はこのクラスのスクーターにDOHCを使うんだ!と妙に感動して、それで飛びついたというのも購入理由のひとつにはなります。
低排気量のエンジンにDOHCを使うメリットはぶっちゃけないです(ぉ
そもそも、スクーターに高回転が得意なDOHCを採用するメリットがないのです。それは駆動系がCVTであり、極力低い回転数を使うものであることや、SOHCのほうが部品点数を削減でき、コストも抑えられるし、エンジンをコンパクトに軽く作れるという設計上のメリットがあるから各社このクラスのスクーターには採用しないと思うのです。
特に、通勤・街乗りが主体になるであろうスクーターなのでコストは抑えたいし、軽くなればいいし、コストで言えばSOHCのほうが燃費にも有利なことがほとんどなのでユーザーが求めるところに合致します。
でも、イタルジェット自体がスクーターとしての実用性を捨てているし、燃費云々以前に180ccのスクーターで100万円するようなものを買う人がコストを最初から気にするかといえばしないだろうからDOHCという古の高性能車の証をアピールしていた200にはそれだけの魅力があったわけだし、何より実際に高回転域のひと伸びは最高に気持がよかったです。
で、今回はベスパやピアッジオに搭載される300HPEと呼ばれる278ccのエンジン。
「ベスパ最強」とか言われていたりしますが、印象的には飛び抜けてハイパワーってわけでもないし、普通の実用エンジンな印象を受けるのです。
乗れば速い、それは間違いない
もしかすると、フレーム的にDOHCのヘッドは入らないのかもわからないw
そんな300HPEを積むドラッグスター300、SOHCだから遅いとかっていうのはやっぱ古の人間としては「印象」として持っちゃうわけですが、実際に乗ってみれば「普通に速い」のです。
そちゃそうだろって、当たり前の話なんだけど200と車重が数kgしか変わらない車体にこのエンジンですよ??
排気量:181cc→278cc
馬 力:17.5馬力→23.8馬力
トルク:15.5Nm→26Nm
馬力の上がり幅は微妙とはいえ、6馬力強UP。トルクは排気量に比例するのでさすがに図太く26Nmとな11Nmも増えたので車重の増加を考えれば相当の性能UPです。
そもそも200自体がそこまで遅かったわけでもないので、その車体にこのエンジンを乗せたら普通に魔改造です。
200ではフルエキ入れて、マロッシの駆動系に交換しないと通勤スクーターバトルで勝つことは難しかったですが、300はノーマルで普通に勝てます。それが意味するところはノーマル時点でカスタム200よりも速いということなのです。
200では頑張れば出せた速度も、300は普通に出ます。高速道路の120巡航が楽とは言わないものの、確実に200よりも「この速度で走れる」と思えます。200だとスロットル全開でめっちゃ頑張ってましたw
ノーマルでは物足りない
速いは速い、でも刺激は?
速いんだけど、とにかく刺激がないし、出足からもっさりしているのは気になるのです。軽いはずなのに、妙に重く感じるし、加速ももっささりです。もっさりしてるんだけど速いから違和感しかないんだけどね。
駆動系とマフラーを変えて、もっさり感をとっぱらって耳から入る刺激を増やせばこのドラッグスター300はかなり化けると思います。
フルエキはいつ出るんかなぁ・・・それだけが楽しみだったりします。
その刺激という点では明らかにカスタム200のほうが勝っていました。
200から乗り換えるべきなのか?
納車直後からいくつかの不具合があるし、そもそもテールライトの仕様のせいで新規登録が止まっていたり、色々と曰くがありそうなスクーターではあるものの、個人的には200からの乗り換えは「あり」と思ってます。
排気量があがったことによる車検制度の話も初回3年、以降2年毎にしか発生しないイベントだし、コストがかかるといってもこのクラスのバイクなら消耗品を定期的に交換しているならば最低料金くらいで車検を通せるはず。数万円の出費を痛いと感じる人が、そもそもこのクラスのスクーターに100万円を超える金額を払うとも思えないのでそこでお金の話を出すのはナンセンスかと思っています。
200ほど純正OPのような形でパーツがまだ出ていないのは嫌なところではあるものの、まだ出たばかりなので今後増える可能性はあるし、エンジンまわりはベスパで実績もあるのでパーツも作りやすいとは思ってます。
排気量があがったことによる燃費への影響も、200では高速は30kmを超える燃費は出たことはなかったけど、300なら300kmを余裕で超える高速燃費になるし、街乗りなら200と変わらないです。
ロンツーも200よりは楽になりました。高速が楽になったので、その効果です。トルクが太く、どこからでも速度が乗るのは排気量の恩恵だし、それは200では絶対に出せない魅力でもあると思います。200はどちらかといえば「イケイケ」を楽しむもので、ゆとりある走りというのはちょっと違うでしょう。
自分はもうロンツーを見据えて、200では装着しなかったこんなものも買いました。
積載性皆無のスクーターなので、なるべくデザインを崩さずに積載性を増やすをテーマに頑張っていますが、片道500kmくらいなら余裕でしょう。
そういうゆとりを求める人は300に乗り換えてもよいと思います。
逆に、イタルジェットは通勤特化にしたいとか、イケイケGOGOを味わいたいなら確実に200をカスタムしたほうが楽しいと思いました、やはりDOHCがもたらす高回転の気持ちよさは捨てがたい魅力があります。
イタルジェットは万人におすすめはできない
イタルジェットは独特の世界観を持つスクーター、万人にはおすすめできない
イタルジェットオーナーがイタルジェットに買い替えるという観点ではなく、初の人がイタルジェットを買うにあたり、誰にでもおすすめできるかといえばそれはもう全オーナー共通で「否」でしょう、しらんけど。
そもそも車体価格が高い。100万円を超える車体価格の278ccスクーターを誰が買うんだという身も蓋もないことを言いたくはなります。
それに実用性がほぼない、荷物も載らないし、人を乗せるようなものでもない。燃費とてこのクラスならもっといいものはあるし、「快適性」、「ランニングコスト」そういうものを求める人が手を出したら後悔します。
それに信頼性。中国製イタリア車という広島県産イタリア車並の不安を感じるイタルジェット、信頼性はお世辞にも高いとは言えないので「壊れても気にしない」や「壊れても自分でどうにかする」くらいの心構えがないと辛くなると思いますが、でもこれある意味でイタリア車全般に言えることなので・・・。
万人にはおすすめできないけど、逆にその万人枠ではない人にはすごく刺さるものがあるのです。
こんなデザインのスクーターはないし、I.S.Sのフロントアームやパイプむき出しのフレームもよい意味でスクーター離れしているし、通勤バトルの常連車(PCXとか)と被りたくない、独自路線で戦いたいというなら間違いない相棒になれるでしょう。
そんなわけでドラッグスター300ちゃんでした!ロンツーいきたいよぉおおお、9月までお預けかな(´;ω;`)ブワッ