バイクのマフラー交換は性能向上だけにあらず
X-ADVの納車前ににいくつも部品を注文していましたが似たようなことをする人は多いと思います。カスタマイズをいつするかは「消耗したタイミング」や「壊れたタイミング」など人それぞれ様々にあると思いますがここ数年、というよりプジョー3008を買ったころから割と早い段階でやれることはやってしまおう派になっています。
消耗したタイミングで変えるのはコスパ的にはありなのですが、機械は年数が経てば当然ながら新車の性能を発揮することは不可能になります。特に自分は距離をガツンと乗る人なので一年も経過してしまえば立派な過走行車両になり果てる未来は決定しているわけなのでそれであれば機械として性能をフルに発揮できる時期に変えられるところを変えて楽しもう、消耗や劣化したらそこはおいおい変えればいいという考えにシフトしました。
今回交換したマフラーは消耗品でもありますがマフラーを消耗品として交換することはたとえばサイレンサーの劣化だったりなかなか距離を走らなければならず穴でも開かない限りは交換する人も少ないのではないかと思います。
自分はクルマでもバイクでもラインナップがあればマフラーは交換する派です。
これまでマフラーを変えなかったクルマとバイクはは記憶にある限りではフィアット500XとKTM200Dukeくらいです。厳密にはMVアグスタのブルターレ800RRもマフラーはノーマルでしたが、あれは日本導入時に日本仕様のクソダサいマフラーに交換されていたため本国仕様のマフラーに戻すということが行われている特殊な例です。
バイクのマフラーを変えるのはクルマよりも好きなのですが、それには理由があって音量・音質のみならずクルマと違いむき出しのバイクの場合はマフラー自体がデザインとして機能するからです。
なのでマフラーを変えるというのは言ってしまえば外装を変えるのと同意になりイメージはがらりと変わる為そのマフラーのデザインやカラーなどはオーナーの好みが色濃く反映されるところでもあるのです。
選んだのはアールズ・ギア「ワイバーン」
X-ADVは日本よりも欧州で売れている車両のため海外製のマフラーも多数ラインナップされています。Youtubeでは日本ではお目にかからないようなブランドのマフラーのサウンドも聞けるので納車前から散々音については確認はしていたのです。
もちろんデザインも見ていましたが…
かなり魅力的な海外製のマフラーも多くあることがわかったのですがこれらは海外の規制は通っていても日本の認証は通っていないことがほとんどというよりたぶん全部通っていないので車検はほぼ通りません。
別にスリップオンなら10分もあればノーマルに戻せますがそうした乗り方をする年齢でもないため海外製品は早々候補から消え、同時に安心して乗ることができる国内ブランドで認証を通っているマフラーをというところを見始めたのですが、たぶんTSRとアールズ・ギアくらいしか出ていないのです。
TSRについてはサウンドもYoutubeで聞けていたし悩んではいたのですが問題は納期。Webikeでは短納期ではなく、アールズ・ギアであれば9月時点で即日発送となっておりこれであればSSTRにも間に合うなということがわかったのです。
そう、SSTRに参加するにあたり車検対応である必要もありました。車検非対応でも参加自体はなーなーでできるのかもしれないですがそういうこともしたくないのでやはり車検に適合できる…そして何より見た目でTSRよりもアールズ・ギアのほうが自分には好みであったことから選びました。
リアルスペックスリップオンマフラーは重さで純正マイナス1.8kg、出力は1.6馬力アップ、トルクも0.2kgmアップというものでした。
カラーバリエーションは2種類、チタンポリッシュとチタンドラッグブルー。
どちらを選んでも性能は変わりませんが自分はチタンドラッグブルーに一目ぼれで「もうこれしかない!」という感じで秒でWebikeで購入をしたのですが…
まさかの納期未定からの再購入
9月17時点で9月24日には入荷されるとのことだったので購入しましたが、9月21日なり急に納期が「11月中旬頃」と変更になったのです。
それではSSTRに間に合わないし、だったら急いで買う必要もないと一旦キャンセルしたのですが9月30日に見たところ在庫2個が即日発送で掲載されており、本当に買えるんだろうな?という気持ちもあり再度ぽちしたのでした。
というのも、このときWebikeで即日発送で別なパーツも買ったのですが、それも購入後に納期未定、たぶん年末ごろみたいなメールが届いており正直このショッピングサイトに対する不信感wがあったのは事実。
ただそのパーツと今回のマフラーで大きく違ったのは在庫数が書かれていたことで、注文後に在庫を確認して発送のパターンだと納期が変わることもあるだろうけれど在庫が確認されているのであれば大丈夫だろうということで改めて購入…無事に発送されました。
到着日はX-ADVの1000km点検の日でもあり、14時にはディーラーに行かなければいけないので試走も兼ねてその前に取り付けをしたいと思いました。郵便局の配達になっていましたが朝一ではエリア的に絶対に来ないので確実に受け取る為に郵便局での受け取りに変更し、開局とともに取りに行くという本気を見せたのですw
誰が見てもアールズ・ギアとわかるカラーリング
さすがにバイクでは持ち帰れないのでプジョー3008に活躍してもらいましたが、さすがはバイク用、というよりスリップオンなので箱は思ったより小さいのです。そして驚くべきは箱を持った時点でわかるほどの「軽さ」。さすがに純正はここまで軽くないだろうなと思うほどの軽さに本当に中にマフラーが入っているのかと、誇張でもなくそう思ったのです。
早速開梱。
美しい色味のマフラーはグレーカラーのX-ADVに合うのか不安もありましたが、グレーだからこそこのチタンドラッグブルーが映えるのだという確信も同時にあったのです。アールズギアのマフラーってこのカラーのものが多く装着車はわかりやすいと思いますが、本当に実際に見るとほれぼれするほどの美しさとカーボン風のエンドが恰好よさもありなかなかのものなのです。
このデザイン、このカラーがすべてでありこの時点で性能向上とかはあまり興味もなかったのです。そもそも自然吸気のバイクの場合はターボ車のそれとは違って大幅な性能向上はありえません。また燃調などもいじらないスリップオンではそこまで劇的に何かが変わることもないと思っています。もちろんハヤブサのような2本だしマフラーを一本にするなどすれば重量もまた排気効率も変わる為、わかりやすい変化はあると思うのですが純正形状のスリップオンでは期待できるほどのものはない、というのが自分の考えです。
そのため見た目がぐっと変わること、そこに重きを置いているのです。
車検対応の証であるプレートも装着されており、これで車検はOKです。これであればこの後にいく1000km点検でもディーラーに断られることはない、だからこそ点検前にマフラー交換をするということも可能なのでした。
交換作業は難しくはない
交換すると言いながらこんなことを書くのもなんですが純正マフラーについても自分はそこまで悪いとは思っていません。形状もオフロードで水に突っ込んでも平気であろうカチ上げ形状でこの形状でも純正パニアケースを装着することができるわけで、しかも音についても結構勇ましい音がしており、交換した今だからこそ書けますが音量はともかくとして音質については純正のほうが自分は好みでした。
とはいえノーマルであることも面白みは皆無なのでさくっと交換してしまいましょう。
マフラー側のカバーまで外してしまいましたが、外さなくてもいけたはずです。
スリップオンのため外すのはこれだけなので、仮に車検非対応のマフラーであっても10分あれば純正戻しは可能かと思います。もちろん公道走行はNG、良識のある社会人であれば控えたほうが吉、というかやめましょう。
外したマフラーはさすがは純正品、強度もしっかり確保されているようでアールズギアのマフラーとは持った感じの重さが全然違うことがわかります。長期間、どんな環境で使われるかもわからない上、転倒まで想定して絶対に走行不能に陥らせたり車検非対応の状態で公道を走ることがないようにしなければいけない純正マフラーと用途に特化した社外品マフラーでは求めるものが全然違うというのは別にマフラーに限ったことではありませんが純正の難しさ。その中で運動性能も車両そのもののコンセプトも邪魔しないという設計陣営の努力はこうしたパーツからもよくわかるのです。
本来であれば外したものと交換するだけで終わりなのですが他のマフラーはどうか知りませんがアールズギアではひと手間あり、センタースタンドのストッパーの取り付け作業が入ります。
その作業は何かというとセンタースタンドにはゴムブッシュがついており、このブッシュでマフラーとセンタースタンドがぶつかることを防ぐようになっています。
抑えとなるマフラーの形状が変わる為このままの位置ではセンタースタンドが止まらず接触してしまうので純正とは反対側のチェーン側にストッパーを移植する作業が発生するのです。
ブッシュ自体は簡単にセンタースタンドから外すことができました。
マフラーに付いてくるこの金属製の金具にブッシュを移植します。説明書は文字が多く「なんのこっちゃ」となる部分もありますが「図XX」と書かれている図番と照らし合わせるとわかりやすいと思います。とはいえ何らかの作業を経験している、整備が好きだという人にとればそこまで難しい作業ではないでしょう。
ブッシュを移植したらセンタースタンド側のボルトナットを外しプレートを仮あて。
元々のブッシュはセンタースタンドが上に上がる際に接触部をブッシュで抑える役割でしたが移植したことで「これ以上センタースタンドが上がらないように抑える」役割となりました。
ストッパーを抑えるナットがかなり狭く目視できない場所にあるためまずは軽くとめて指で回るところまで回し、ちょっときつめにスパナで停めておき最後にセンタースタンドをあげてから本締めした方がやりやすいでしょう。
チェーンの近くで作業をするためチェーンオイルと飛び散っているヘドロのような残留物でかなり手が汚れ油ギッシュになります。そうなるとこの後のマフラー取り付けの作業で支障をきたすのでゴム手袋的なものをはめるか確実に脱脂できるものを用意しておく必要があります。
ぼくらの友達、ブレークリーン!ゴキブリも殺せるし一家に1本は常備したいですね。
ステー取り付けは時間がかかりますが、地味にスパナを回していくだけなので難しいものではなくそれが終わればいよいよマフラーを取り付けるためにステーを固定し、マフラーと純正のエキパイを繋ぐジョイント部をはめ込む作業になります。
ここも特に難しい作業ではありません、向きだけに気を付ければ大丈夫。向きを間違えるとそもそもステーとマフラーが嵌りません。
固定したらバネをはめてジョイント部の増し締めをして、必ず最後にマフラー本体の脱脂をしましょう。マニュアルにも書いてありますが、これを忘れるとマフラーについた油が熱が入った直後に固着し落ちなくなりせっかくの綺麗な色味が死にます。
一番気を使った作業&ドキドキした作業ってこれじゃないかな…
とにかくカッコいい、それが重要
純正とのサウンド比較、聞いてみるとわかるんですが純正も結構勇ましいものがあり悪くないんですよ!アールズギアは若干低音が野太くなり、高回転まで回したときはパラレルツインらしい音が強調されています。ヘルメットをかぶってきいていると公道を爆走するトラックのような音に聞こえるんですがこうして聞いてみると別にそんなことないなぁと思いました。
パワーもトルクも若干あがっているのか発進で飛び出す傾向にあるDCTを街乗りでまったり乗るためにレインモードにしているのですがそのレインモードであっても結構飛び出す感じは強くなり高回転までも結構あっという間に吹け上がるような気がします。
単体で持てば軽さは感じますがおよそ2kgの軽量化は車体に取り付けるとその差はわからないと思います。それくらいの車重が重いのです。ハヤブサクラスだと2本だし、片側7kgもあるので交換した場合は数値的にもなかなかの軽量化となり押引きが軽くなった感はありましたがX-ADVではそんなことはなかったです。単純に自分が非力すぎるだけかもしれない。
そんなことよりなにより…
カッコよすぎ(´;ω;`)ブワッ
公式がブラック車体に取り付けられた画像だったのでどうかと思いましたがグレーカラーでもこんだけかっこいい、もう車体横からの写真ばっかり撮っているのでした。
注意するべきこともある
商品説明に書いてあると思いますが純正サイドパニアケースがつかなくなります。
社外品のサイドバックも無理でした。
パニアケースを付けたいのであればこのマフラーはやめましょう。適合確認が取れてるのってTSRでしたっけ?基本純正形状に合わせて微妙なデザインをしている純正品や社外品が形状が各々異なる社外品マフラーに合わせられるわけがないのでそれは致し方がないことで、もしパニアを付けるのであればその付けるときだけ純正マフラーに戻すことも考えたほうがいいでしょう。作業にしても10分あれば終わるのでオイル交換より時間かからないのではないかと思います。
とにかく見た目が格好よくなる社外品マフラー、最高でした。