今使っているOGK KABUTOのKAMUIを買ったのはGmailによれば2015年4月。
当時なぜこれを選んだのかと言われれば「インナーサンシェード」が欲しいから。
自動車であればライトも明るいのでサングラスをかけていてもつらいと感じるトンネルはほとんどないのですがバイクはそれほどライトも明るくなく、四輪と違って走行中にサングラスを簡単に外したりはできないわけです(ましてや眼鏡の度付きユーザーには)。
ミラーバイザーにしてトンネルであければいいじゃん?という話もわからなくはないですが、大昔にハヤブサで九州にミラーバイザーだけで臨んだとき、基本夜中は走らないようにしていましたが別府で大雨・霧で夕方なのに真っ暗になりホテルの10km手前くらいで死にかけるや、急遽仕事が入り夜通し走ることになりミラーバイザーを開けて走ったら田舎道で虫が直撃してきてもう惨劇の現場になりコメリで安全眼鏡を購入。
ジェットタイプのヘルメットだったのが幸いし、眼鏡の上から安全眼鏡をかけて口元にタオルを巻いて(虫を食べないように)山口から東京までひたすら走り続けて以来、もう二度とミラーバイザーは使うまいと思ったのです。
元ブロガーさんとか顔ばれNGな人がよくミラーバイザーを使っていますが、あの人たちは夜は走らないこと前提かもう一枚クリアを持っているってことなんだろうかなぁといつも思いますが、本当に夜は見えないし危険なので走っちゃダメ、絶対(´;ω;`)
日中だけしか走らないわけではない自分にとってそれまではミラーバイザーかサングラスだったものがインナーサンシェードの登場で大きく環境が向上したのです。
もともとOGKのヘビーユーザー、今回のRYUKIで6つ目のOGKヘルメットなわけですが、最初はKAMUIの正常進化モデルであるKAMUI3を買おうとしたのです。
KAMUIはそこそこ軽く、インナーサンシェードがついているベーシックなものでレースなどに使うわけでもないので安全性に関しても公道では十分なもの。
そもそも壊れなければKAMUIをそのまま使い続けたと思いますし(耐用年数は過ぎているけど)KAMUIであることに何の不満もなかったのですが、なぜ今回RYUKIを選んだのか?
そしてOGKのヘビーユーザーとしてRYUKIの「よいところ」、「いまいちなところ」を500km走ったので感想を、そしてインカムとGoProの取り付けに関しても書いてみます。
なぜRYUKIなのか
RYUKIは「システムヘルメット」と呼ばれるもので一昔前はおぢさんがかぶってる代表格みたいでダサいとかなんとか言われていましたがチンガードがあがり停車であればジェットタイプと同等の開放感と使い勝手のよさがあるのです。
この状態で走るのはできるとは思うけどNG。
チンガードを開けることができるとちょっとした停車時にあければ夏場はフルフェイスでは得られない涼しさや、ドリンクホルダーなどをつければ飲料水をちょっとした時間に飲むことだってできるわけでそれはフルフェイスでは絶対にできないことなのです。
コンビニだって開ければ入れるらしいけど、自分にその勇気はありませんw
システムヘルメットにはそのような利点がある一方でチンガードが開く機構を搭載しなければいけない関係で絶対的に普通のフルフェイスよりも重くなり、同時にその分価格も高くなるのです。
そのシステムヘルメットにおいてRYUKIはインナーサンシェードまで搭載して実売価格3万円前半という圧倒的安さです。
他メーカーの同様のタイプを買おうとすれば軽く2倍近く高くなり、お金がない自分にはうってつけないのです(´;ω;`)
価格も魅力ですがX-ADVに合わせたグレーカラーがあったこともよかったのです。
安全性ももちろん重要ですがバイクに合わせたカラーやデザインを選ぶ人もいるようにこだわりたくなる部分もあるのです。
「よいところ」
◆インナーサンシェードが付いてくる
システムタイプでインナーサンシェードまで付いてくる、フル装備なヘルメット。
ただのシステムヘルメットであれば買わなかったと思いますがこれがついていて3万円ちょいという安さが魅力だったのです。
◆ シート下に入るサイズ
X-ADVのシート下にも収納できます(※Mサイズ)。
ただ結構ギリギリなのでもしかするとシェルが大きくなるLサイズ以上は入らない可能性があるのでスクーターで収納できることをマストとするなら確認させてもらえるのであれば確認したほうがよいと思います。
◆ ブレスガードの大型化
鼻を覆い隠すブレスガードがKAMUIよりも大きくなりインナーサンシェードをおろすとほぼ顔は見えなくなります。
そのため日光がヘルメットに入り込む隙間が少なくなったり、今までは視界の下側に結構明るいところが見えていたのが気にならなくなりました。
人によっては視界が悪いと感じるかもしれませんがX-ADVのような直立で乗るようなバイクはあまり気になりません。
◆ シールドのおかげかあまりまぶしさを感じない
RYUKIでは帝人製のスクリーンを採用しており紫外線・熱線カットになっているそうです。
そのおかげもあるのか知りませんが、KAMUIに比べるとシェードを下ろさない時間が増えたような気がします。
またピンロックをつけたことも影響しているかもしれませんが標準のクリアスクリーンでも顔が見えづらくなっているようで、別に顔なんか見えても見えなくてもどうでもいいんだけど気になる人には朗報なのかもしれない?
◆ 軽いとは思う
システムヘルメットは構造的に大柄になるのかと思いましたが、意外とコンパクトでぱっと見ではKAMUIよりもコンパクトなんじゃないかと思いました。
実際かぶってみても重さを感じることはほぼなくバランスもよいのか首への負担も少ないように感じます。
◆ とにかく安い
値段がすべてではないですが、実売価格3万円前半でインナーサンシェード付きのシステムヘルメットが買えるというのはOGKならではでしょう。
SHOEIの同スペックのものを買おうとすれば2倍はします。
耐久性に関しても今まで使ったOGKも内装こそぼろぼろにはなりましたが、それでも5年とか使い、距離にすれば10万kmとか使っている状態でのことなのでOGKが特別「安かろう、悪かろう」とは思っていません。
細かいところを見れば高いものは高いなりの理由があるのは当然のことですが、自分はOGKでなんら不満を持っていないためだからこそ6つもヘルメットを買って、そのすべてがOGKなのです。
◆ ベンチレーションが開けやすくなった、わかりやすくなった
これは特にKAMUIユーザーであったからかもしれませんが、口元のベンチレーションは下げてOPENになったのが素晴らしいと思います。
初代KAMUIは左右にレバーを操作するのですが、こんなのどっちがOPENかなんて直観的にわかりません。
また空気の取り込み口が真正面からになったのでKAMUIよりも空気は取り込めるようになっているというのは口元が微妙にすぅすぅするのでそうなんだろうなと思います。
◆シールドの密着性が高くなった
KAMUIはシールドを下ろすだけだったのですがRYUKIは出っ張りがあり、シールドがひっかかるようになります。
密着度は高まっているので静寂性とか雨の侵入を防ぎやすくなっているのかもしれない?
◆ 空力性能はいい、高速道路は楽
OGKが特許を取得しているウェイクスタビライザーは高速域での安定感が抜群です。
OGKがこれを採用し始めたのはFF5Vではなかったかと思うのですが、自分がOGKを買い始めたのもFF5Vが出たころからでハヤブサ用に買い、今でも部屋に保管してあります(かぶっていないけど)。
ハヤブサでは言わずもがなの速度域で走るわけですが、普通のヘルメットだと直進でも微妙に風圧で首が左右にぶれ、車線変更で横なんか向こうものならハヤブサの速度域では首が持って行かれます。
FF5Vはめちゃくちゃ安いフラッグシップモデルだったので性能は半信半疑でしたがSHOEIのそれまでかぶっていたヘルメットから交換しハヤブサで高速を走った時にその性能の高さを実感しました。
それもあって以後、ずっとOGKなんです。
「いまいちなところ」
◆OGK全般に言える、安定のうるささ
正直静寂性に関してはコストに比例すると思っており、OGKの価格でSHOEI並に静かなモデルって多分ないと思うんですよ、今まで使った6つのヘルメットが全部うるさいし(何
静寂性を求めるならSHOEIを買いましょう。
2倍払えば2倍かどうかはわからないけどRYUKIよりも静かな環境が手に入ります。
自分はそこまで高いモデルは買えないので耳栓を買いました(何
レビューを見るとなかなか良さそうだし、値段も数千円なのでヘルメットを安くした分こちらでどこまで静かになるのか?を試したいと思うのです。
ただRYUKI、一般道はそこまで気にならず高速道を走るくらいの速度になるとかなり騒がしくなるので用途を限定し通勤に使うよーみたいな感じとかであれば全然問題ないと思います。
◆ 顎紐が食い込む
モデルによって顎紐がてんでばらばらなのがOGKクオリティ、、いや他社もそうなのかもしれないですけど知らんでげす。
この顎紐の樹脂?部分が固いので顎に結構食い込みぎちぎちにしめると痛いのです。
◆ よくいえばコンパクト、悪く言えば窮屈
KAMUIの内装は昨年交換したばかりなのでへたっているわけではないのでしょうけどKAMUIと同じMながらRYUKIのほうがタイトに感じます。
1サイズ小さいかな?と思うような感じで、自分はヘルメットをかぶるときに汚れないようにインナーキャップをかぶります。
これを被っただけでかなり頭が痛くなるくらいに締め付けがあり先日300km走ったら耐えられなかったのでインナーキャップを外したらマシになりました。
頭が急激に大きくなったわけでもないと思うしサイズ的にはMなんですけどRYUKIの場合はLでもよかったかもしれないと思います。
KAMUIであれば内装を交換すれば部分的にLにもできましたがRYUKIでは無理そうなので心配な人はネット通販ではなく量販店などで試着すると幸せになれるかもしれません。
まぁそもそもヘルメットは通販よりも短時間であっても試着して買った方が間違いはないですよ。
◆ 眼鏡対応チークパッドのせいで眼鏡をはずさないと被れない
OGKには昔から眼鏡をかけやすいようにチークパッドに加工が施されており、かぶったあとに眼鏡をかけてもずれないなどメリットはあります。
ただ内装のタイトさもあり、かぶるときにチンガードをオープンにして眼鏡をした状態でかけようとすると眼鏡が邪魔でかぶれませんw
思いっきりヘルメットを横に開いて被ればいいんですが強度的にも不安だし、眼鏡を取ってから被るようにしています。
脱ぐときは眼鏡はずれないのでスリットの形状が脱ぎやすいけど被りづらいものになっているのかもしれませんね。
◆軽いとは言えフルフェイスよりはかなり重い
軽いとはいえぼろぼろになっているKAMUIが1400グラム台であったことを考えると1700グラム近いRYUKIは「システムヘルメットとして見れば軽いけれどフルフェイスと比べれば重い」ということです。
KAMUIもボロボロなので軽くなっていますが、これよりも軽いヘルメットは結構とあると思うし頭にかぶるもので数百グラムも変わるとかなり違いを感じます。
試着では長時間走ることができないので短距離では問題がなくて長距離で肩首へのダメージはKAMUIのほうが少ないように感じます。
GoProとインカムを装着してみた
形状は恰好いいRYUKIですが以前使っていたKAMUIも含めてGoProのマウントは若干浮きます。
とはいえ高速道でも一般道でも吹き飛ぶようなことはなかったので大丈夫なのかな?とは思います。
インカムはスペースがあるとのことですが当然ながら持っているインカムによってはこのとおりにつかない可能性は高いので注意が必要。
インナーサンシェードモデル全般に言えますがスライドレバーは左側についているため(おそらく走行中でも操作できるようにアクセルではない左手側)同じく左手で操作すること前提のインカムとスペースがバッティングします。
ぎりぎりのポイントで、操作は問題なくできますがこの状態だとX-ADVのシート下には収納できないためマジックテープで台座ごと外れるようにしました。
台座と本体を分離させてもいいんですがこの格安インカムはそれを繰り返すうちに壊れそうな気がしたのでいっそ台座ごと外せたほうがいいだろうと思ってのこと。
装着したまま入ればなおベストなんですけど中途半端なビクスクなX-ADVでは無理。
そこは致し方ないところなのです。
インカムで通話も電話もせずナビの音声と音楽が聞こえればいいだけ、そのためマイクはつけていませんがGoProの音声を拾うためのマイクはチンガードの裏側にこれもマジックテープではりつけました、マジックテープ大好き。
さすがにこの状態では重すぎて長時間は首にキます。
だってね…
RYUKIにFX8(インカム)をつけた状態で1780グラムあるんです。
GoPro10がマウントとアダプタで260グラムほどあるので全部ひっくるめると2kgを超えるんですこのヘルメット…さすがにそれだけのものを何時間も頭に載せていたら重いわけです。。。
SSTRで10時間以上を走ることを考えるとボディマウントとか他の方法を考える必要はありそうですね。
コスパを考えれば満足
細かいところを見ていけば粗なんかいくらでも出せるのですがすべて「この価格でこのヘルメットが買えるんだもんなぁ」でどうでもよくなってしまうのが安定のOGKクオリティ。
500kmほど使用しましたが頭が窮屈だった問題を除けばすこぶる快適。
高速道路においてはウエイクスタビライザーの効果故にとにかく頭が振られないし、後方確認もしやすくそこはOGKのどのモデルにも共通する美点だと思います。
システムヘルメットのすばらしさを知る
今までシステムヘルメットをなんだかよくわからないものだと避けていた自分を呪いたくなります、それくらいに快適でした。
というのもRYUKIをツーリングで使えたのは台風一過となった土日でディーラーまでの一カ月点検と翌日のツーリングだったのですがこの土日がとにかく暑く、両日とも30℃を超える気温を観測されていました。
書くまでもないですが猛暑日のヘルメットは「頭だけサウナ」で特にフルフェイスを使う人にとっては何の修行だろうかこれは…と思うようなものがあります。
走行していれば風も入るのでまだマシなのですが渋滞や信号待ちはバイクからの熱(とはいえX-ADVはカウルがあるためライダーにくる熱量は少ない)と照り付ける太陽の熱で息苦しさは全開なのです。
そこでチンガードをオープンにできればかなり息苦しさは改善され、それどころかサウナ後の外気浴のような心地よささえ訪れます。
ハンドルにドリンクホルダーを付けていないのですがもしついていたら信号待ちで水分補給をすることだって可能でしょうし、インゼリーくらいなら信号待ちの間に飲み込むことだってできます。
ジェットタイプでも同じことはできますが、安全面からいってもフルフェイスがいいという人は多いでしょうし、バイクのタイプによっては「ジェッペルは無ぇよ」って人もいるわけですがシスヘルであれば「走行中はフルフェイスの安心感を、停車中はジェットの解放感」の良いとこどりなわけです。
重さは確かに純粋な軽量ヘルメットに遠く及びませんが、RYUKIクラスの重量でインナーサンシェードまでついてこの軽さなら十分すぎると思うのです。
なんでもっと早く使わなかったんだろうと今になって後悔していますが、そんなものですよね。
値段も安いし、サブのヘルメットとして持っておくのも悪くないのではないかと、そんな風に思いましたね。
ではでは、今日もごらんいただきありがとうございました。