北陸の雪がやばい、SNSで流れてくる情報は目を疑うような光景ばかりだった。
不要不急とは何か
北陸の雪がすごいことになっている。SNSを見て思ったのは11月に仕事を引き継いだ富山にいる同僚のことだった。雪国慣れしていない人が、配属二ヶ月弱で地元民すらあまり経験しない雪に見舞われている。
LINEですぐさま連絡を取ると「生きているがとんでもないことになっている」と言っていた。
しかし毎週末に東京-北陸をつなぐ自社の定期便が配送不可となり必要なものを送れない事態が発生する。
このデジタルの時代に…と言われるかもしれないが、デジタルで送ることが許されないものがいくつかあり、それは専属契約の業者に依頼して送ることになっているのだが業者から「今は北陸は無理です」と謝罪の連絡があった。
少しくらい遅らせてもいいだろう、そう思いもしたが年明けすぐで色々と送るものがあり遅延がなかなか厳しい。
それであればと不要不急ではない外出という大義名分を得て北陸に近づいてみよう。
ついでにオールシーズンタイヤでどこまで行けるのか試してみよう。
そう思い世間が三連休のその中日に西へとプジョー3008を走らせた。
オールシーズンタイヤContiCrossContacr LX2の性能に関しては前回の記事をご参照くださいまし。
とりあえず状況を見つつ、富山から来る人間はそもそも富山県を脱出できるのか?問題があったがクルマを掘り起こせればなんとかなるとのことだった。逆にこちらはオールシーズンタイヤだったのでこの時点ではどこまで行けるかが不透明だった。
一旦富山からおよそ90km程度の場所、岐阜県高山市を集合地点にした。最悪の事態に備えて名古屋オフィスの同僚にスタンバってもらい3008がリタイアしてもお届け物はできる体制は整えた。自分は死んでも職務は全うするのが社会人の務めだからね。
最初からジムニー持ってる同僚を派遣しろよって話なんだが、それをしないのが自分クオリティ。
なにしろいいネタになる(何
東京から岐阜まではおよそ往復750kmだ。
自家用車には交通費が支払われないため、コスト削減のために極力下道を使う。
早起きしてクルマに乗り込む。
特に寒いこの日、ディーゼルの目覚めは最悪だった。
スタートボタンを押しても何のレスポンスもない時間が続き、突然エンストしそうに「ドッドドドドドルルルン!」みたいな不快な振動と共に始動する。
ディーゼルの構造を考えればマイナス3℃で始動できるのは立派だ。
この気温で軽油が凍結していないので都内でも2号軽油以上の軽油が使われているんだろう。
とりあえずエンジンを始動し、数秒もまたずにATをDレンジに入れ、いつもより激しめのシフトショックと共にクルマを早々動かす。
暖気はあまり意味がないと思っている。というのも熱効率が良すぎるディーゼルは数分アイドリングさせた程度では十分に暖まらないし、エンジンだけ暖めても駆動系のオイルは暖まらない。国産とはいえアイシンの8速ATは冷間時のシフトショックが激しい。
3速から2速に落とすときは下手なMT車よりもシフトショックが出る。早々暖めたいのでゆっくりと走り始めた方が結果としてはクルマにもいいし、ディーゼルはエンジンが暖まらないと充分な排ガス浄化ができないので環境的な意味でも走り始めたほうがいい。何よりエンジンに負荷をかけて暖めないと車内が寒い(´;ω;`)ブワッ
鉄の塊は夜間、よく冷える。
プジョーでは絶対に装着したいパノラミックサンルーフ、鉄よりもガラスの方が熱伝導率は低いので車内は冷えないのではと思うが実際ノーマルルーフと温度差があるのだろうか。ディーラーあたりで2台並べて検証してほしい。
ただ視覚効果的にガラスのほうが冷えている感じがする。
数分でまずシートヒーターが温まり、10分も走れば暖房が全開になる。
エンジンの廃熱を使って車内を暖められる内燃機関は冬場に強い。これがEVやPHEVだと暖房に電気を使うのでどうしたって効率が悪くなる。よく手袋をするとか、ストールを巻くとか言う人がいるけどバイクじゃあるまいしなぜ箱の中でそんなことをしなきゃならないんだってのが正直な感想だ。内燃機関が使えるうちはこの暖房の暖かさを感じていたい。
調布から中央道にのり相模湖のあたりまで来た。
下道では予定よりも時間がかかりすぎたのだ。
ここまで来ると気温はマイナス6℃まで下がる。
逆にここまで行くとちょっと暑く感じられ、窓を開けてドライブを楽しむ。
選曲が最悪すぎるがそれは偶然だ。サザンが流れるよりマシだろう。
この気温じゃ桑田佳祐だってダウンジャケットを着て震えながらマンピーのGスポットするレベル。よくわからんけど。
寄り道@精進湖
目前に富士山が見えると、自然とステアリングをそちらに向けていた。
このまま高山まで行くのもなんだかなぁ…と頭の中で悪魔が囁いた。
今年の富士山は降雪量が少ない気がする、見た目で判断しているだけだけど。
だから気温は低いとはいえ今のタイヤでも行けるだろう…と富士五湖を目指した。
やってきたのは精進湖だ。ここであればそのまま山梨に抜けられる。時間的に厳しければそこから再び中央道に乗れるし本栖湖に向かうよりは時間的なメリットも大きい。
何より富士山と記念撮影ができる”バエル”スポットだ。
ここまで来ても積雪はゼロ、凍結すらしていない。なにより二輪車が普通に来ている。絶対寒いよね…と車載温度計がマイナス4℃とかになる中暖房の効いた車内で思う。
若ければバイクで来たかもしれないが、そんなガッツはもうない。
ADV150は都市部で雪が降ったときに楽しむ乗り物としてまだ我慢だ。
湖面はがっつり凍結していた。人がいなけば3008で湖面アタックだ!とか・・・いや、やらないよ?絶対にね。
すけきよーーーーーーになるのがオチ。
それにニュースで世界一美しいSUVの姿を晒すことになる。
スケキヨしていても絵になるSUVなんてプジョー3008しかない。そんなSUVの姿をTVでみた老若男女がディーラーに殺到したら緊急事態宣言を受けて営業をどうするか悩まれているディーラー各所に迷惑がかかる(どやっ
3008のファンとしてはそんな迷惑はかけたくないからね、残念だけど精進湖を走ることはしなかった(当たり前だのクラッカー)
そのまま山梨方面へ下り、あとは国道20号をひたすら西へ…
挑戦、雪
山梨、長野と走っても雪はなかなか姿を見せずこのまま雪なしの高山か?
諏訪湖のあたりまできて同僚にLINEで通話を入れた。雪がまったくないと報告すると、向こうは「高山までくれば雪はあるよ」と教えてくれた。
言葉通りに伊那まで来ると木曽山脈に薄っすらと雪雲が見える。これは期待できる。
R361に入りを権兵衛トンネルの手前まで来ると対向車がかなりの雪をかぶっている。
トンネルを抜けると、チェーン装着所に若干の積雪!
チェーン装着所には1台のクルマもいないことを確認し、そのまま突っ込みフルブレーキテストを実施した。
「止まらない」
これが率直な感想だった。
もちろん3008にスタッドレスタイヤを履かせたことがないから、スタッドレスタイヤと3008の組み合わせがどの程度の制動力を発揮するのは未知数ではあるけれど、それにしてもABSが効くまでブレーキを踏めばクルマは思いの外、滑走していく。
発進など雪があればCCC LX2はしっかりとその雪面に食らいつく。
噂通り雪には強く、氷には弱い、オールシーズンタイヤの特性が確認できた。
ただ走れないほどじゃない、雪道に慣れている自分としてはこれよりも過酷なタイヤで過去に災害クラスの豪雪と凍結の中を走っている。
それからすればCCC LX2はそれなりに走れると分かった。
再度、同僚に連絡を入れてこのままR361を抜けて高山を目指すと告げた。
ここで念の為サブコンの設定を落とす。
MODE4からMODE1まで下げた。
MODE4では最大トルクは466Nm、ほぼ5.0リッター自然吸気並みのトルクだ。
タイヤが食らいつけば問題ないが、オールシーズンタイヤに鬼トルク、そしてFWDとくればこの路面で高トルクはまったく意味がないどころか逆に邪魔になる。
アナログなクルマではないので滑ればASR(トラコン)が機能してくれるが、ESC関連の制御は基本的には出力制御とブレーキ制御でドライバーの意に反して減速させて制御するものだ。どんなにトルクが出ていても制御されてしまうなら最初から設定を落としたほうがむしろ乗りやすいと思う。
それでも最大トルクは446Nmとノーマルの400Nmに比べればおよそ1.2倍だ。
さぁ先を急ごう。
凍結ばかりの峠越え
R19を木曽大橋で右折し再びR361に入りあとはひたすら進めば高山だ。
ここまで来ると路面にそれなりの雪が見えるようになったが、時間が昼過ぎであったことから除雪が何度か入ったのだろう、積雪というよりは氷の上にうっすらした雪が乗っただけのあまり好きではない路面状態だ。
ブラックアイスバーンほどではないが、この路面も恐ろしい。
突如氷が顔を出せば一瞬でグリップが奪われ、トラクションを失ったクルマは明後日の方向に吹き飛ぶ。
それに対する保険がスタッドレスタイヤだが、オールシーズンタイヤにはそこまでの氷上性能はない。
充分に気をつけながら先へ、先へと進んでいく。
法定速度内であれば案外安心感のあるタイヤだ。
万が一滑ってもすぐにプジョー3008のESCはASRとDSCの統合制御で姿勢を安定させる。
九蔵峠まで来ると凍結は激しさを増す。
途中、工事で上り坂で停車することがあったが普通に発進ができた。
すごい、すごいぞオールシーズンタイヤ!!
さすがに背後にエクストレイルが迫ってきたときはおとなしく道を譲った(ぉ
対向車も少なく、後続車もそこまで多くない。
こんな道ではATもDレンジではなくMボタンを押しマニュアルモードで走らせる。
ついでにスポーツモードにすると適度な重さのステアリングと、アクセルレスポンスがよくなるので雪道では案外走らせやすい。
ATの場合は雪道では積極的にマニュアルモードを使い走らせたい。
特に滑りやすい路面の場合はスタッドレスタイヤでも発進でスリップすることがある。
大抵のATはSNOWモードと呼ばれるスリップを抑えるものや、マニュアルシフトで2速発進ができるようになっている。自分のクルマがどうなのかは一度見ておくと良い。
プジョー3008は2速どころか3速発進すら可能だ。
標準で400NmとFWDにしては桁外れの力があるから滑りやすい路面での発進は多少ナーバスになるがそれでも2速に入れておけば充分に走り出せる。3速発進でも普通に走り出せるし、それでも駄目なら車体側で勝手にASRが機能してスリップを抑えようとしてくれる。
グリップコントロールもあればSNOWに入れておけばよいだろう。
違いは正直わからないが、発進をアシストしてくれるらしい。
余程滑り出した場合はSNOWではなくダイヤルを反時計回りに1つずらせばOFFになる。そこまでの路面は今回はなかったし安全のために解除はしなかった。
効果が大きいのはDSCでとにかく横滑りはしないクルマだ。
わざとクルマを振るような動作をしても、そもそも振ることを許してくれない。
ブレーキが即座に介入し、クルマをまっすぐに留めようとする。
コーナーでフェイントをかけようとしてもそれすら許さない。
絶対に安定させるという鋼の意思を感じるし、しかもこれはオールシーズンタイヤだ。
こんなタイヤでも安心して走れるのは車体側の制御が優秀ということだ。
だからタイヤに不安があっても疲れづらい。
3008は疲れない
雪道は当然ドライよりも気を使う。いつ滑るかわからない路面に、タイヤのグリップを意識しながら走るのはどんなに慣れていたって気を抜けないし、狭い道で対向車がくれば「滑って対向車側にすっ飛んでいくなよ」と祈るような気持ちになる。
そんな状況でもふと思うと3008は全然疲れない。
なんなら写真撮影をどこでしようかな?なんて考えながら走る余裕もあるし、後半はもう雪道いいかなーって感じで鼻歌まじりで走るようになった。
こいつ、すっかりタイヤがオールシーズンだってこと忘れてるぞ?
ふとしたときにタイヤが滑ることはあっても車体側が制御をかけるので危ないことには陥らないし、制動距離だけに気を使えば発進もコーナーリングも特に気を使わない。
なにより乗り心地は抜群にいい。
プジョーは疲れない、それは足回りのよさもあるがシートがいいからだ。
荒れる雪道での衝撃もシートがうまくいなしドライバーへの衝撃は最小限になる。
ラリーカーを作るメーカーだ、雪ですぐに疲れるようなクルマは仮にFWDだとしても出しちゃいけないみたいな信念があるのか、そもそもそんなクルマはフランス人に売れないのか…
普段はスタイリッシュでもありスポーティでもありエレガントでもあるプジョー3008のデザインは雪道に来るとワイルドにも見えてくる。
本当にどこに置いても絵になるクルマだ。このクルマを本当に定価400万円半ばで売りさばいてプジョーは本当に何を考えているのか?通年バーゲンやっているストアかよって思っちゃうくらいにバーゲンプライスだ。
雪道に来てよかった・・・心から思う。
結局なにごともなく高山に到着した。
同僚に「本当にオールシーズンタイヤで来たのか!!」と驚かれたが、当の本人は意外に楽しみながらこれてしまったのでハード感はゼロ。
プジョーなめるな、AWDがいらないぞ!と言い切りオールシーズンタイヤを履かせているのは伊達じゃない。
どこまで行けるのか
高山から富山まではR40を北上し2時間かからないくらいだ。途中でカミオカンデで有名な神岡などを通る。この道は学生の頃からよく使っていたがさすがに今回は自重した。
「オールシーズンタイヤでも来れるかもしれないが、スタックしたら洒落にならない」
同僚の言葉はごもっともだった。
東京から来た人間が富山で迷惑をかけたら、富山をこよなく愛するものとしては失格だ。
2時間で富山に行ける…そんな無念さもあるが楽しみは春まで取っておく。
コロナがどうなっているかは未知であるが、金沢にまた行きたいし、富山ブラックも食べたい。
あゝ富山よ…富山よ。
同僚に別れを告げて高山市内で給油した。
東京から高山までリッター17kmくらいの燃費だった。
霞ヶ浦を回るよりはずっと燃費は落ちたけれど、アップダウンも激しいし、雪もある。そんな中でもこの燃費は優秀だと思う。
まだ1目盛以上軽油は残っていたが万が一に遭難しても洒落にならないし、東京で入れた軽油がそのときに凍結されたら命の危険すらある。
冬場はいつにも増して余裕を持った行動をしたい。
凍結防止剤もいいかもしれないが、そこまで寒い場所に行くわけでもないので今回は見送った。
充分な軽油を補給して先へと急ぐ。
時刻は14時過ぎ、まだ時間がある。
R158の無料区間を白川郷方面へ向かった。
高速道路のような無料区間を進めば東海北陸道の飛騨清見ICに自然と合流できる。
高速道路を利用すれば1時間近い時間の節約になるがスノータイヤ規制が入り、路面がかなり滑りやすくなったため高速を降りることを決意した。
高速道路を使えば距離にして30km、時間にすれば30分未満で着くが・・・。
下道を使うと大きく迂回して距離はなんと2倍の60kmとなり時間にして1時間ほど余計にかかる。
この道を通るのははじめてではない。
金沢に住んでいたときはよく道の駅白川郷までドライブに行き、その帰りはR158で高山まで抜け、R40を北上し、富山経由で帰る一周ルートをよく使っていた。
新しい曲を手に入れるとMP3でCDに焼いてひたすらそれを流しながらドライブしたものだ…っていうのがこのルートだ。
冬場でも関係なく走っていた。当時と違うのはオールシーズンタイヤを履いているという1点だ。
北陸に住んでいて、この時期にノーマルタイヤで白川郷までくるバカはまずいないだろうし(そもそも五箇山を超えられるかも怪しい)、当時オールシーズンタイヤはまだ普及もしていなかった。
スタッドレスタイヤはブリヂストンのMZシリーズが好きだった。
社会人になって奮発しREVO1を買ってみたものの凍結が弱くMZ-03の方が食ったのも印象深い。
どちらも白川郷に来る分には問題ないし、オールシーズンよりはもちろん雪道で使える。
R156に入り雪壁は高さを増す。
除雪されていなければ走れなかっただろう。
幸いにして降雪はないので視界は良好だ。
路肩の雪壁が吸音材のように周囲の音をかき消して、非常に静かだ。
この雪中の静寂が好きだ、夜明け前にザッザッという雪の中を歩く誰かの足音を聞きながらぼんやりするのが好きだ。
ただただ寒いだけの関東平野部でこの感覚が味わえない、早く雪国に帰りたい。
雪は迷惑なときもあるけれど、やっぱり雪国に生まれ育った人間としては”あるべきものがない”というのは違和感だ。
走ることおよそ1時間、目的地の白川郷へと到着した。
なんど見ても雪と3008の構図はいい、これが似合うというのはやはりSUVなんだなと思う。オフロードが得意とはそれほどまでは思わないけど、そういう場所に置いたってやっぱり絵になる。世界一美しいSUVは3008、異論は認めない(どやっ
Return to Tokyo
白川郷での滞在はものの数分だった。
昔からそうだ、ゴールは決めてもそこで何かをするわけではない。
今から17年くらい前になるだろうか?世間が成人式と騒ぎ立てる中、二十歳の自分は成人式に行かず徳島県は宍喰駅に向かって下道12時間をぽんこつアルトワークスとともに走っていた。そこで缶コーヒーを1杯飲んで帰るだけだ。別に温泉とか何か崇高な目的があったわけじゃない。
ゴールを決めるのは、それがないとどこまでも行ってしまうから。
自制の意味合いが強い。
白川郷と言えば「ひぐらしのなく頃に」の前原邸。
とてもじゃないがおはぎを届けられるような状況じゃない(ぉ
「ひぐらし~」の原作ゲームで使われた背景はおおよそこの白川郷のあたりにあり、当時の聖地訪問先としては有名だった。もともと「ひぐらし~」を知る前から何度かドライブには行っていたが、ゲームでそれを知りさらに足を運ぶようになった。
時間的な関係やコロナのこともあるので白川郷の村内散策は諦めた。
特に自重もしていないが、関東圏からきた人間がここで不用意に人と接触するのはあまり気分がよいものではないだろう。
ちなみに1日を通して、人と対面した回数はゼロだ。食事は前日に買ったコンビニ飯だし、あとは公衆トイレと自販機とガソリンスタンドくらいしか用事がない。そもそもひとりでドライブしていて対面イベントが発生する回数はもともと少ないし、緊急事態宣言うんぬん関係なく今まで通りのスタイルを貫いている。
時間的な都合で帰りは高速道路を選択する。
特に規制もなく普通に走ることができた。そもそも白川郷まで来れるクルマに対してスノータイヤ規制をあえて語る必要はない。そもそも夏タイヤじゃ除雪されていても道中の路面状況からしてたどり着けない。
ICの入口はものすごい雪壁で余裕で3008の全高を超えている。
若干の凍結はあるものの速度が低いこともあり普通に走れてしまう。
白川郷ICから高速に乗り、最初のPAで持ってきたおにぎりを食べて遅めのランチだ。
最近おなかも減らないのでこれくらいで一日持つ。
本当にただ運転しているだけの1日だけれどそれがいい。
ステアリングさえ握っていればストレス発散になる単純な仕様だ。
食事代と軽油代、どちらが高いのかって話はあるけどね。
もと来た道をひたすらに戻るだけだ。
日が暮れ、気温は一気に下がる。
あれから雪が降った感じもなく、路面の雪は一気に氷となる。
明らかに往路よりも滑りやすくなった。
ただもう慣れたものだ。
オールシーズンタイヤでも結構攻めてしまえる。
ジモティと思われるインプレッサには引き離されたもののついていこうと思えるくらいのグリップはこのマイナス10℃の世界でも保たれている。
木曽に向かうにつれて路面の雪は姿を消し、ブラックアイスバーンがところどころ出現するようになったが、速度を控えめ…とはいえ制限速度くらいであれば滑ってもESCのおかげで安定してそこを抜けることができる。
一日を通して雪道ドライブは非常にイージーだった。
木曽大橋が近づくと道路からは雪が消え始めた。
さいごに該当の下で美しいSUVを激写する。
ほんと絵になる。
そのままR19を北上し群馬を抜けるルートで無事に帰宅。
なんだかんだ755km…うち300kmは雪道だ。
案外普通に走れるじゃないか、しかもこれだけの距離をほぼ下道で走って、雪もあったにも関わらず疲労感は全然ない。(さすがに眠かったがw)
雪道を走り、一層のこと3008というクルマが好きになった。
もう乗り換えなんてできないんじゃないか?なんでこんなクルマ作ったんだよ…そうフランス方面を見ながら恨み節のひとつでも投げてやりたい、そんな気持ちでプジョー3008の初の雪道ロングランを終えた。