エラーの原因を探る
取付後、怒涛のエラーラッシュとなったDTE Systems Pedalbox。
これでだめかと諦める前にまずは原因調査をしてみよう。
エラー発生に思い当たるところはある。
単体のスロコンであまりしきい値を超えるような話も聞かず、ともすればしきい値を超えて警告灯を点灯させるだけの理由があるはずで、その理由に思い当たるのはサブコンだ。
商品が悪なのではなく、そもそも自分のプジョー「3008」に適合していない。
180馬力の6速ATモデル用しかラインナップにないのだ。
サブコン単体でもMODE5以上にすると突然アクセルを踏んでも反応しなくなる事象が起きている。
セーフティが入るのかなんなのか理由は定かではないが、もともとそういう不具合が出る以上はサブコンを外して様子を見よう。
サブコンを外してもすぐにエラーは消えなかった。
常時「エンジン故障;要修理」が出続け、「フォルトは常に出ていればデフォルトだ」の精神のもと気にせずにしばらく走る。特にエンジンが吹けないとかもなく、ただランプがついているだけなので「アァここにランプがあるんだな」くらいにしか思わなくなる。
およそ30km程度走ってエンジンをOFFにし、再びONにしたところエラーは消えた。
よし、これで正常な評価ができるぞ。
使ってやるから、もっと寄越せよ3008
サブコンを搭載しても1馬力も出力は向上しないし、トルクだって変化はない。
このパーツがもたらす効果はフィーリングの変化。
https://www.chiptuning.com/jp/pedalbox.html
出力曲線を見ればわかるとおり、ノーマルの状態に比べると20%程度の踏み込み量でスポーツ+モードならアクセルを半分踏み込んだ状態と同じになる。
だったらいつも半分まで一気にアクセルを踏めばいいじゃないかというとそうでもなく、それがスロコンの魅力を説明するのが地味に難しいところでもある。
そもそもなんでこんなパーツがあるのか?
ノーマルの「3008」に乗ったことがあればわかると思うが、「3008」の加速は獰猛で、他ブランドのディーゼルSUVと比べてもその印象は強い。ディーゼルのトルクが蹴り出すように前に進めるから「力強い」と感じる一方でこんな感想も持つ。
「ディーゼルなのに、こんなもんかよお前の力は」
そう、サブコンを付けてトルクが450Nmを超える「3008」なのに加速感はそれにリンクせず、いかにも車体側でセーブしているという印象が強い。
某東京ニュルを走るときも、コーナーの立ち上がりで思いのほか加速しないことに違和感がある。
それはそれでいい。
なぜなら普通に乗るにはそれが一番安全だからで、ノーマルの400Nmというトルクを車体側の制限なく使えたらアクセルワークでコントロールできない人はいたるところでホイールスピンを起こし、コーナーの途中で踏み込んだらアンダーステアで壁に向かって一直線だろう。
純正のオールシーズンタイヤは225幅だが、自分の「3008」は245だ。
これほどのサイズを履いていてもスロコンをスポーツ+にし、アドバンスドグリップコントロールをOFFにして、アクセルをラフに踏めば出だしで強烈なホイールスピンを発生させ、慌てて車体側がトラクションコントロールで制御するような有様だ。
これが本来の力だが、それをセーブし万人が扱いやすいSUVとしているのはメーカーの責任だし、キャラを考えてもそれでいい。
その違和感を取り払い、ありのままの出力を叩き出す。
頭で描いた「これだけトルクがあればこういう加速をするだろう」というイメージと実際のアクセルを踏んだときの感覚がリンクする。
それがスロコンの大きな意味だと思う。
「見せてみろよ、お前の力」
これ以上のレスポンスを望むなら、もう人間とプジョーを阿頼耶識システムで直結するか、一体化させて人知を超えた存在になるしかない。
クランクニィ…
Bluetoothは必要か?
ちなみにこの商品、Bluetoothがついておりスマホアプリを入れるとスマホ側でセッティングが可能になる。
(iPhone11Pro/iOS13でも問題なく使えた)
通常販売だとBluetoothレスより数千円程度安く、自分ならBluetoothなしを選ぶのだが、それが付いていても1.6万円だったし、そもそもそれしかAmazonになかったのでBluetoothありを買った。
サブコンの場合は本体がエンジンルームなので、セッティングをするためにボンネットを開けなければ行けないという面倒さがあり、Bluetoothの恩恵はある。
とはいえサブコンも一度セッティングしたらそんなに何度もするか?という話でもあり、必要性は特段感じていないが、スロコンの場合は本体が車内にあるため余計に必要性を感じない。
人にもよるが、自分は見える位置にセットしたのであまり恩恵がない。
ただアプリ側でしかできないこともあるし、プログラムの更新もアプリ経由で行えるらしいのでそれはそれでメリットがあるのかもしれない。
(予め各モードの感度を設定できるぽい)
プログラムの更新ってそんな頻繁に入るのかな?w
どちらを買うべきか悩んでいるならお財布に余裕があるならBluetooth、なければ割安なBluetoothなしで十分だ。
雪行きて進軍、滑る路面でこそ活きるレスポンス
取り付けた翌日は3月なのに都内で雪が降るような珍しい1日だった。
最低気温は車載温度計で2℃まで行った。
こんなふうにならないように慎重なドライブが求められるが、逆にスロコンの効果を試すには最高の日和と言える。
自分のイメージするレスポンスと近づくというのは、操作にそれだけ違和感がなくなるということで、滑ったときのアクセルワークがかなりわかりやすい。
もちろん人それぞれなので一概には言えないが、滑りやすい路面でレスポンスがよいと運転しづらいとなればスロコンでノーマルに戻すか、レスポンスを落とせばいい。
自分にちょうどいい塩梅を探すのもこのパーツの魅力であり、それがチューニング。
サブコンを撤去したというのにとてつもなく「3008」が速く感じられる。
人間の感覚というのは本当に不思議で曖昧だ。
スロコンのメリットはサブコンと違い大きく燃費に影響しないことにもある。
なぜならただレスポンスが変わっているだけなので出力がノーマルから向上するわけではないからだ。
もし燃費が悪くなったように感じるのだとすれば、それは乗り方を変えていないからで、先程のスロコンのグラフを見るとわかるようにちょい踏みでアクセル開度がノーマルよりも大きくなる。
いつもと同じ量、ペダルを踏めばその分燃料は多く吹かれてしまうので当然燃費が悪くなる、なので乗り方を少しだけ変えてあげれば燃費は普段と大きく変わることはない。
スポーツ+でアクセルを半分くらい踏むと瞬間燃費計が恐ろしい数字を叩き出すので精神衛生上はかなり悪い。
ぼくの場合はスポーツ+でレスポンスをマイナス3にしたり、プラス3にしたりの範囲で変えているが、ドライバーの癖や乗り方次第で調整できるのがメリット。
ノーマルが封印した力をどのように使うかはアナタ次第で、そこが本当に面白い。
「サブコン」か「スロコン」かという話はたまにあるが、最初に買うなら「スロコン」を推したい。
ぼくは最初に「サブコン」を買っているが、あれは適合外の商品を試したいという理由と、ボーナス後で余裕があったから最初に買っておかないと辛いという状況からw
そうでなければスロコンのほうが体感の割合は大きいので間違いなくそちらを選ぶ。
前車フィアット「500X」も最後の1年くらいはサブコンがついているふり(多分ディーラーで外されていたw)でスロコンオンリーでジムカーナなどにも出ていたが、それでも特に遅いと感じることがなかったことからも人間の感覚的にはスロコンがいい。
サブコンで上がる出力は、サーキットユースでなければ必要ないし、高速道路でもノーマルの出力で不自由はない。馬力は上がらないが、スロコンで馬力が上がったように錯覚できるので実際高速道路でも不満は出ないはずだ。
もしそれでもパワー不足を感じるなら、そのときにサブコンを検討してはどうだろう。