プジョー3008は九州まで無給油で行ける?
うちのプジョー3008はディーゼルだ。
ディーゼルエンジンと言えば、日本で導入するブランドはこぞって1000km無給油アタックにチャレンジしていた時期がいつぞやかはあった。要はディーゼルのイメージの悪さを燃費がいいエコな乗り物であるという風にコマーシャルするために必要な企画だったのだと思う。
企画としては東京を出発して九州のどこまで行けるのか?満タンで1000kmを走れるのか?というような単純なもの。気にはなっていたけど、過去に所有したクルマはどれも1000kmを走れる可能性は皆無だった。
でも、プジョー3008ならばやれる!
そう思わせてくれるものをこのクルマは持っている。
だからGWを利用して1000kmを目指すチャレンジをした。
そのまとめが今回のお話しです。
1000kmを走りきるためには
東名高速東京インターから博多駅までは1074kmあり、プジョー3008の燃料タンクは公称52Lなので単純計算リッター21kmで走れれば無給油チャレンジは成功する。
ただプジョー3008のカタログ燃費は17.8km/Lとなっている(ぉ
これでは数値上は925kmしか走れずこれでは山口県の宇部までもたどり着けない計算になる。
諦めたら試合終了だ。
カタログ燃費はあくまでカタログ燃費でしかない(当然)。
無理じゃないと思える要素ももちろんある。
プジョー3008は高速走行の燃費が恐ろしくいい。というよりプジョー全般のディーゼルがそうなのかもしれないけれど1700kgに届く巨体が高速道路では20km/Lを超える燃費を叩き出した。
フル高速道路であればギリギリで福岡までたどり着けるのではないか?
そんな期待を胸に東京から1000kmチャレンジを始めてみた。
新東名「120km/h」区間に絶望する
令和元年5月1日AM0時ジャスト、新年を祝うイベントを千葉で行ったその足でまずは下道で神奈川まで向かうことにした。
なぜか?
お金がないからだよ(´;ω;`)ブワッ
フル高速を行う予算は厳しいので厚木インターまでは下道で行こう。インター手前のスタンドで給油してとにかく1000kmを走れればそれでいい←
日本橋から厚木までは二時間ほどで移動、夜中とは言えやはり時間はそれなりに。
高燃費を叩き出さねばならない状況で雨は厳しい。走行抵抗が増えるのでどうしてもドライよりは燃費が悪化するからだ。仕方ない、天候には逆らえないし、1000kmチャレンジ失敗したときの言い訳にもなる。
満タンで52L入っているけど、カタログのタンク容量以上に燃料が入っているw
これだけ入れても6000円弱で済んでいるのが軽油の魅力だ。
前車フィアット500Xのタンク容量は48Lだったけど、ハイオク指定だったので満タンにすれば7000円を超えてしまった。
酷い渋滞はなかったけれど高速道路は折角だからアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)による走行で極力疲労を軽減させる方向で。
なにしろ先は長い。
1000kmというのはフル高速で平均時速を100km/hで走っても10時間はかかる距離だから無茶な速度を出さず、とにかく流れに逆らわない程度に走行車線を流し続ける。
そして順調に新東名まで進み、120km/h区間がやってきた。
速度的にはプジョー3008は何の問題もない。が、問題なのはその速度で走ると燃費が極端に悪くなる。
プジョー3008はガソリンモデルに先駆けてディーゼルモデルから8速オートマチックトランスミッションを搭載した。6速に対して高速域でアドバンテージがあるかと思えばそうでもなく、実は100km/hにおける回転数は6速も8速も大差がない。この8速化はいわゆる環境対応で低速域で回転数をあげることがなくなり、排ガス規制の測定域で回転数を下げることで規制を突破するためのものだと言われている。
流れに乗るという方針のもとで120km/hはちゃんと出した。
もう少し高速域で回転数が落ちてくれたらなぁ・・・と思わずにいられない。
襲い来る眠気との戦い
ロングドライブの敵は間違いなく睡魔だ。
1000kmアタックをひとりでやるとなれば無理はできない。
出発から4時間後、襲い来る眠気に耐えきれず長篠設楽原PAで仮眠をとった。
今回は1000kmアタックがメインではなく、GWをプジョー3008で車中泊をしながら回るという目的もあった。
車中泊装備をしたリアスペースで15分ほど休み、渋滞が始まる夜明けまでに少しでも距離を稼ぎたいので先を急ぐ。西を目指す人にはもはや恒例行事ではあるけれど京都から大阪を抜けるあたりは朝の渋滞が酷い、なんとしてもそれまでには関西を抜けておきたい気持ちがある。
渋滞は1000kmチャレンジの一番の敵だ。
新名神が名神と合流する草津ジャンクションで数キロの渋滞にぶつかった。
この渋滞でリッターあたり1km程度は燃費が悪化してしまった(´;ω;`)ブワッ
渋滞を抜けたら宝塚までは快適に進めた。
山陽道で20kmを越える渋滞が発生したと情報が入り愕然とする。
線形を考えると山陽道のほうが燃費にはいいが渋滞につかまるのはご免だ。
山陽道と中国道どちらを取るのか?
線形は悪化するが、渋滞するよりはいい。時間も短縮できるしなということで中国道を進む。
宝塚で朝食と休憩を行う。
車中泊対応させたプジョー3008は意外と快適だ。
そう1000kmチャレンジに欠かせない要素として疲れないことがある。
どんなクルマでも今どきのクルマなら1000kmくらいは余裕で連続走行は可能だろうけど、ドライバーが疲れるか疲れないかというのは話が別だ。
プジョー3008のシートは絶品でヘルニア持ちの自分でも苦痛がない。
ほんのすこしの時間を休憩し先を急ぐ。
宝塚から先は天気も好転したのでやっとサンルーフをオープンできた。
開けると空気抵抗的にどうなんだろうという疑問もあるけれどサンルーフが開けられるときに開けないのは罪だ、ギルティ。
だから開ける。
システムVS人間、エコの戦い
中国道の線形の悪さは定評がある。雨の日の中国道で事故死された芸能人の方もいらっしゃったと思うけどここを高速道路と呼ぶなら首都高のほうがまだ高速道路している気がする。
神戸あたりで600kmを迎え燃料計はまだ半分以上残っている。
改めてプジョー3008の燃費の良さに驚いてしまう(´;ω;`)
なんならここで東京に戻って1000kmとしてもいいんじゃないか?
これから先の中国道ではどうせ燃費が極悪化するぞ?
迷いを打ち消し、ひたすらに西を目指す。
中国道に入り、多用してきたACCの利用をやめた。
ACCは便利で快適になるツールではあるけれど燃費の面では都合が悪い。
なぜなら設定速度に合わせるためにアクセルもブレーキも多様してしまうからだ。
生身の人間であれば90km/hで走りたいと思ったら下り坂では100km/hまで惰性で加速し、登坂では80kmに落としてでも燃費をよくしようとはできる。でも機械はそうはいかない。人間が設定した速度で走ろうとするため登りだろうが下りだろうが設定速度で走る。
燃料には余裕があるとはいえ、中国道の線形が悪化した区間で燃費は一気に悪化した。
プジョー3008の燃費
下関に入ったあたりでついに貧乏ランプが点灯した。
秋吉台を過ぎて下関まで向かうアップダウンは下りはアクセルオフで慣性で走り切る。
壇ノ浦で最後の休憩。
ここは必ず立ち寄る場所。
関門橋を見るとテンションが上がる。
長い旅ももうすぐ終わるのだと・・・そして無給油チャレンジも橋の向こう側でいよいよ終わりなのだと、ここで関門橋を眺めるといろいろと感慨深いものがある。
壇ノ浦を出て関門橋を渡り、九州へ上陸!
そして・・・。。
小倉を過ぎたところで厚木から1000kmを到達!
キタワァ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゚゚・* !!!!!
福岡県は芦屋基地までドライブしたところで貧乏ランプが点滅。
いよいよ燃料は限界だ、52Lの軽油を飲み込んだ。
プジョー3008で1000kmは可能
車載コンピュータ上での平均燃費は20km/Lだった。52Lの給油量だったことを考えるとまずまず正確な数値を出している。
条件は序盤の大雨に中国道と整っていたとは言えないところもあったけど、北九州からはほぼ下道だったことも考えればかなり優秀な成績で、すべての行程を高速道路で行けるならもしかすれば佐賀県あたりまでは到達できた可能性もある。
改めてプジョー3008に搭載される2000ccのディーゼルターボエンジンは素晴らしい。
圧倒的なトルクと獰猛な加速を見せる荒々しい性格ながらおとなしく走れば1700kgの巨体をこれだけの燃費で走らせるのだ。
100km/h程度で巡行していればディーゼルのサウンドが耳につくこともない。
軽油のコストの低さもあいまって燃料費6300円で九州まで行けた。
往復でも1.2万円程度の燃料費で済む。
もちろん単純な燃費だけを追い求めるならハイブリッドやPHEVだって当然選択肢には入るだろうけれど、純粋な内燃機関でこれだけやれるならぼくは内燃機関にこだわりたい。電動機には電動機の良さはあれど、いずれそれが主力になるのだから乗れるうちに内燃機関に乗っておきたいと思うのはエゴだろうか。
フランスではバカンスに行くために一日にかなりの距離を車で移動するという。だから長距離が快適なクルマでなければだめだからプジョーの車はとにかく疲れませんよとぼくはセールスだった時代にお客様にそう説明してきたが、それはあくまで受け売りで、いざ自分でそれをやってみると本当に疲れない、長距離が得意なクルマだと知れた。
1000kmチャレンジやってよかったなぁ。
九州レポはまた後日☆ミ