前回スタッドレスを購入し、やっと週末に交換できた。
超絶格安な中華製スタッドレスへの履き替えは不安と、同時に期待もある。
交換時の走行距離は3.9万kmを超えた。
ジムカーナ12本を走り、3.9万km持ったパイロットスポーツ3はタイヤとしての天寿をまっとうされた気がする。
パイロットスポーツがこうなるってどういうシチュエーションなのか?
それだけの走行に耐えたこのタイヤに最大限の敬意を表したい。
純正タイヤを捨てると同時に純正ホイールへの装着。
新しくホイールを買っても置き場がないし、あえて16インチまで落とす必要もない。
スタッドレス化する場合によくある手法はインチダウン。
タイヤを補足して面圧を増やし雪上でグリップを稼ぐのは定番。
ただそれをしないことにも一定の利点はあるので一長一短。
今回の中華スタッドレスの場合は、氷上性能にかなりの不安があるので、それであれば純正幅のほうが利点もあるだろうということで。
あとは関東圏の場合、そんなに雪は降らない。
そうなるとただでさえ剛性感に乏しいスタッドレスで高速走行に難があるのは避けたいので今回は純正サイズ。
スタッドレスに履き替えて高速走行も試す。
やはりスタッドレスなのでステアリングの軽さは気になるし、どうしたってふらつきが大きくなるのは致し方ない。
東名高速上り線、大井松田のあたりのあの急カーブ区間をいいペースで回れたのでそれなりにグリップはあるのかもしれない。
ロードノイズはかなり煩い。
オーディオのボリュームは死にかけのパイロットスポーツ(PS3)よりも少しあげなきゃいけない感じ。
ブレーキに関してもちょっと効きが弱いと感じるが、そんなものだと思えば気にならない。
加減速はさすがにだるい。タイヤが絶対的に重い。
100km/hを超えたあたりで振動がとんでもなく出て来るし、これは純正のPS3の比ではない。ただ、逆を返せば100km/h以下で走っている限りはそこまで気にならない。
加速時にアクセルを踏みすぎるとトラコンが効いてしまう。
【要車体番号】 レースチップ サブコン FIAT 500X クロスプラス 1.4L turbo【RaceChip Ultimate】アルティメット フィアット 簡単取付 形式31414
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ブーストアップされているので仕方ない。
ただ、ドライでの評価はいずれも7000円/本という価格を考えれば上等。
すべてのことが価格なりで許されてしまう。
可もなく不可もなし、まさにこの言葉が当てはまる。
問題はこの性能でスタッドレスを唄う、その雪上での性能。
今から二年ほど前に、公式がこのような記事をあげていたのを見たことがある。
公式だから当然に色眼鏡はしている。
こういう記事を真面目に受け取れるオトナには残念ながら慣れなかったが、結局自分で走ることもなかったので雪上性能は不明なまま今に至った。
クロスプラスで純正サイズのスタッドレスというところは公式と同じ。
ただ、うちの500Xは遥かに安い中華スタッドレスであることが最大の違い。
イタリアンSUVにしてAWDという駆動方式も謎があるが、そこに怪しげなスタッドレスという組み合わせなのだからもう、全然不安。
過去AWD車両は何台か乗ってきている。ランサーターボにランエボ、社用車ではレガシィB4も使った。それらはいずれもフルタイムAWDで、燃費を犠牲にフルタイムであることの抜群のトラクションや安定感を提供してくれた。
昨今、そこまでフルタイムにこだわるメーカも多くはない。
SUBARUくらいだろうか。
最近はフルタイムAWDそのものがレアキャラ化している気がする。AWDのメリットは乗らなきゃわからない、逆にデメリットも当然ある。大多数にとってフルタイムAWDの燃費の悪さは受け入れられない。安定感を犠牲に燃費を取る。そもそも日本の国土においてフルタイムのAWDが必要なシチュエーションは極めて限定的でもある。
500Xだってご多分もれずにオンデマンド方式を採用している。
兄弟車でもあるレネゲードとの最大の違いは彼が4WDで固定できるのに対して500XはいずれのモードでもAWDへの切替は全自動であるところ。
500Xが雪上をトライする映像はもちろん見ている。
【試乗動画 Fiat 500X ICE HILLS 試乗車内動画 500X アイスヒルズ 雪上試乗
これを見る限りいけないことは絶対にない。
ただ、ハイグレードなタイヤを履いているだろう彼らに対しこちらは格安スタッドレスだ。それで本当に十分な性能を出せるのかは人柱するしか無い。
日曜日、快晴の横浜を朝出発し、そのまま関越道を北上する。
電光掲示板には赤城から長岡あたりまでチェーン規制とあるので群馬から雪が楽しめそうな気配に胸が躍る。
結局、猿ヶ京あたりで雪に出会えた。
スバルとホンダの2台は夏タイヤだったのだろうか、すごくノロノロでしかもまっすぐ走れていない。途中で路肩に止まったが再発進できたかは不安だ。
500X+中華スタッドレスは三国峠を何の不安もなく超えた。
上りも下りも、微塵の不安もない。
限界はそこまで高いとは思わないけれど、逆にAWDとの組み合わせなら不満はない。
雪道で法定速度まで速度をあげても怖いという感覚もない。ステアリングを切った方向にちゃんと進むグリップ感は保たれている。
お世辞なしに書いて十分な性能だ。
山越えついでに親戚の家に顔をだし、場所を借りて遊んでみた。
100km/hからのフルブレーキターンなどは安全な場所じゃなきゃ試せない。
その速度域でもタイヤは十分なグリップがある。
除雪車を追い越すときに対向車線に出なきゃならなかったが、轍を外しても十分にトラクションは保たれる。
これは単純にタイヤの性能だけじゃなく車体側の電子制御の恩恵もある。
http://www.fiat-auto.co.jp/500x/spec/
最近のクルマはいたれりつくせり。ドライではほとんど恩恵を感じない電子制御がこのような路面では全力で顔を出してくる。
スタビリティコントロールが抜群にいい車は今までに乗ったことがない。
ABSが一番のハイテク制御なローテクな車に慣れていると、すべて車がよきに計らおうとする姿勢はなかなか感動する。
最終的にはタイヤのグリップの範囲内でしか制御は効かないにしろ、中華タイヤを車体側がアシストするおかげか全然不安がない。
オンデマンド式AWDの突然AWDになる感覚は相変わらず好きじゃい。ドライでは違和感が薄くとも、低ミュー路ではトラクションが不意に変わるので気持ちが悪い。ただ、大昔に北海道でレンタカーとして出てきた初代ストリームのAWDに比べればオンデマンドも十分に進化したとは思う。あれは正直怖かった。
積極的にAWDになるだろうとドライブムードを切り替える。
こういう場面ではトラクションモードが活きるだろう。
けれど雪上を走っても全然50:50には切り替わらない。
ゲージを眺めていても基本はFWDで、たまに後輪にトルク配分される程度だった。
ちゃんと公式にも書いてあるが低速での走破性を求めたモードなので、法定速度で走っているときに積極的に50:50になるモードではないのかもしれない。
このあたりはレネゲードとは大きな違いだ。
http://www.jeep-japan.com/renegade/performance/
レネゲードのほうが雪道での安心感はある。SNOWモードも気になるところ。
兄弟車ではあるものの、AWDの制御がかなり違っている。
500Xの場合、雪上では基本AUTOかSPORTになる。
AUTOでも何の不満もない。滑れば適度にAWDに切り替わる。
ただ、個人的に速度が乗ってくるとSPORTのほうが楽しいと思えた。
ドライでもSPORTは旋回時にリアにトルク配分が行われ、ぐいっと向きを変えてくれる。
これが雪上ではいい感じにドリフトに持ち込めて面白い。
この動画はSPORTモードだろうか、こんな動きも再現できてしまう。
強烈に面白いので人家がない私道を何往復もしてしまった。
ランエボとは違う楽しみ方がある。
エボが雪道をドリフトをしていてもそれは絵面的には面白みがない。
野球の試合で飛んでくるボールをバットで打つより、竹刀で打ったほうが観客は盛り上がるのと一緒で、500XのようなSUVがドリフトで迫ってくるほうが絵面としてはインパクトがある。
500Xと中華タイヤの組み合わせは心配をよそに問題はない。
ターボエンジンの急激に立ち上がるブーストもなかなか雪上では面白い。
ただ、それはあくまで雪道に慣れたドライバーだから抱く感想で、もし雪道に不慣れであればまた違った印象を持つかもしれない。でもどんなタイヤでも滑るときは、滑る。その限界が高いか、低いか、そこはある程度は運転作法で補えるところでもあると思う。
車間をガンガンつめて、カチンとくるけんドライブをしたいならもう少し高いタイヤのほうがグリップもするだろうし、ブレーキも効くだろうからいいだろうけど、カチンとこない適切な車間を維持したドライブなら特に不満を感じることはないかなと。
今シーズン何度雪道ドライブを楽しめるかはわからないけど、これがあるから冬は楽しい。
帰りの高速道路で4万kmを超えた。
2016年4月納車、 2年めを前に5万kmの大台が見えてくる。
車検まで余裕の期間を残しながらタイミングベルト交換が視野に入ってくる頃。
自重してもこのくらい走ってしまうので、もうどうしようもないねこれは。。。