ぴよこ☆くらふと☆わ〜くす

PEUGEOT3008 | Honda X-ADV(2021) | Kawasaki Z H2(2021)で主にツーリングに行ったりしているブログです。

突然の死→突然の124スパイダー。

f:id:kumawo0017:20170226120843j:plain

最近息子と触れ合う時間が極端に少なかったので日曜日は思いっきり触れ合おう!!と朝からモラージュ柏で遊んでいた。息子は500Xが大好きなので乗せてあげるだけでも大喜びなのだけど、ちょっと遠出をすると景色を見ながら色々と喋ってくれる。「こいついつのまにこんな言葉を覚えたんだ?」ってはっとすることが結構あって子供も日々成長しているなぁと思う。成長していないのは親だけか?親も親にならなければいけないのに。

f:id:kumawo0017:20170226124524j:plain

モラージュ菖蒲は近所なのでよく行っていたけれど柏は初だ。菖蒲に比べるとかなり小さいし、施設自体も古さを感じてしまう。とはいえ親子ふたりで行くにはその狭さがありがたい。菖蒲くらいの広さになると端から端まで歩くだけで疲弊する。柏には小さいながらも600円で60分遊べる遊び場がある。遊具の数は満足とは言えない気がしないでもないけれど、2歳半くらいの息子であれば大はしゃぎで遊んでいられるくらいのボリューム感だ。このくらいが丁度よかった。

事件はモラージュ柏の帰り道で起きた。流山名物の渋滞にハマっていると、アイドリングストップから復帰せず、エンジンがかからなくなる現象が発生した。

f:id:kumawo0017:20170226143944j:plain

f:id:kumawo0017:20170226143947j:plain

f:id:kumawo0017:20170226143935j:plain

実は以前にも発生している。去年の夏だったか…信号スタートで復帰せず、かなり焦った。今回は渋滞している片側一車線の道路だったのでここでエンジンが掛からないと後続の車から殺されてしまうという焦りもあったけれど同時に「必ず復帰する」という妙な信頼もあり、まずはDレンジからPに入れて、何度かスタートボタンを押して見る。セルは回るがやはりエンジンはかからない。ノロノロと前の車が進み出す中、数秒の猶予をおいて祈る気持ちでボタンを押すとエンジンは再始動した。エラーは相変わらず出るが、走れることは走れる。

そのまま友達の家に息子を預けて、ディーラーへ直行した。

www.abarth.jp

そういえば今週はMCしたアバルトのデビューフェアだった。

f:id:kumawo0017:20170226163011j:plain

色々な意見はあるだろうけど、個人的にはこのデザインのアバルト595のほうが以前のものより好きだったりする。

f:id:kumawo0017:20170226164557j:plain

黄色が標準色になって、バンパーの黒のアクセントもあって凄くいい。格好いい!

今まで正直アバルト500とアバルト595の違いがわからなかったけど、今回からはすべて595になったのでにわかなぼくみたいな好き者には安心だ。

f:id:kumawo0017:20170226164651j:plain

内装の高級感が増した。ステアリングのカーボン・アルカンターラ・レザーの組み合わせはたまらない。ベースとなる500のMCに合わせてこちらも正当な近代化改修が行われた感じ。LEDデイランプとかほんとうらやましい。

500Xも次のMCではこうなってくるのだろうか…

もう1台、気にはなりながら乗ったことがなかったものに乗る機会を得た。

f:id:kumawo0017:20170226172214j:plain

124スパイダー!先日ロードスターRFを試乗してきたばかりなので、その感覚が失われないうちに、ではこちらと比べてどうなのだろう?というのは正直気になっていた。

f:id:kumawo0017:20170226165232j:plain

RFと同じATの試乗車をチョイスした。すいませんね、高齢者なもんで、MTよりもATでスポーツカーに乗りたい人になっている。たぶんMTでスポーツカーを乗りたいと思える時期は25年くらい前に通り過ぎているし、残念ながらその時期に運転免許は持っていない。ATがあるならATに乗る、それがぼくの選択だ。Macが目の前にあるのに、あえて紙とペンと電卓を持って図書館で調べたいことを調べながら仕事をする面倒さを贅沢と呼べる、そういう行為に疲れを憶える年齢だ。便利なものは便利として使えばいい。

 

f:id:kumawo0017:20170226172556j:plain

したがってMTで乗りたくなる車であるロードスターという車はどうしても好きになれなかった。細い低速トルクを6MTで華麗に操る楽しみは確かにあるが、それにしたって線が細すぎるトルクはきつい。そもそもターボカーに慣れている身体に小排気量自然吸気は受け入れがたいものがある。なのでロードスターに興味を持てないのは半ばしかたない。その中で出てきたのがRFだった。

piyoco-craft-works.hateblo.jp

さすがに2000ccもあれば1200kgもない車重の車を走らせるには十分すぎるほどのゆとりがあって、更には低速トルクを強固にできるトルコンつきATで乗ればそれはもう上質な世界がそこにある。風の巻き込みだってRFはオープンよりも遥かに少ない。

マツダ ロードスターRFのすべて (モーターファン別冊)

マツダ ロードスターRFのすべて (モーターファン別冊)

 

だからATで乗るのが似合うロードスターというところでぼくの中での理想形はRFだ。

ではアバルトはどうなのか?

当然ながらロードスターともRFとも違う世界観がそこにある。

FIAT&ABARTH MAGAZINE(フィアット&アバルトマガジン) (NEKO MOOK)

FIAT&ABARTH MAGAZINE(フィアット&アバルトマガジン) (NEKO MOOK)

 

ロードスターで感じるトルクの細さはさすがにターボであるアバルトでは感じられない。いや、正確に書けばブーストが掛かり始めれば…というところではある。 元々、搭載される1.4Lマルチエアターボは低速トルクが分厚いセッティングにはなっていない。そもそもこの排気量で170馬力を叩き出すのだから低速トルクが犠牲になるのは半ば致し方ない。タービンサイズも関係するだろうけど結構頑張っているセッティングだ。500Xの場合は圧縮比も変えているし、セッティングも恐らくアバルトよりも低速よりにトルクをシフトさせ高回転ののびよりも低速トルクを重視したセッティングなので特に自分の500Xで出足のかったるさは感じられない(RaceChipの恩恵もあるが)。

けれどアバルト124に関していえばトルコンが付いていても出足のもっさり感やトルクバンドに入るまでのかったるさは残る。もちろん電スロのセッティングでフィーリングは変わるので本当にトルク不足なのか?というところでもあるけど基本はアクセル全開でブーストを落とさない走らせ方をする車だ。

ニューモデル速報 第516弾 新型ロードスターのすべて

ニューモデル速報 第516弾 新型ロードスターのすべて

 

ロードスターとは違う意味で高回転を意識する。ただパワー感はロードスターの比ではないので1.5Lエンジンの貧弱さに嘆くユーザにとればこの1.4Lマルチエアターボの刺激は毒に感じられるはずだ。

f:id:kumawo0017:20170226174110j:plain

実際、ロードスターからの乗り換えは多いらしく、ディーラーにも下取りのNDとNCが転がっていたくらいだ。ロードスターターボという車は現在はないし、実質アバルトがロードスターターボに相当するモデルだが、かつてのターボはラグジュアリー志向だったがアバルトはイタリアンテイストの中に刺激を秘めるスポーツカーだ。これは確かにMTで乗りたくなる。

f:id:kumawo0017:20170127171133j:plain

別な見方をすればRFとアバルトは一切競合しないモデルに感じた。

f:id:kumawo0017:20170127170131j:plain

RFこそATで乗りたい車だった。スイッチひとつで電動で開くルーフをあけて、ATでまったり乗るにふさわしい味付けだ。これをあえてMTで乗るならばぼくはロードスターのノーマルモデルのほうがよいと思ったけれど、アバルトの場合は絶対にMTで乗りたいとさえ思う。ATのトルコンの恩恵を受けた低速トルクの厚さを活かした乗り方も悪くない。当然、ターボ故に途切れない加速が得られるATはターボラグを減らせるのでメリットもある。けれどあえてMTを使って回転数を意識したドライブをする。その難しさを楽しむ車がアバルト124なんじゃないかと思った。

 

f:id:kumawo0017:20170227084152p:plain

3台を比較してみた。こうしてみるとアバルトのパワーとトルクが突出していることがわけるけれども逆に高回転型のエンジンではないので回す楽しみでいえば断然ロードスターなんだろうなって気がする。あと絶対的に軽いし。スポーツカーである以上、特に貧弱なエンジンを積む車であればあるほどに軽さというのは重要だ。PWR(パワーウェイトレシオ)でみてみればロードスターはおよそ8で、RFは7.2、アバルトは6.8だ。100 kgの重量増もターボ化でお釣りが来るほどに克服している。数値以上に実際に走った感じは違うけれど、何度も書くように競合として考えるならRFではなく本家本元のロードスターだろう。

f:id:kumawo0017:20170226174126j:plain

同じ土台を使いながら3種類のエンジンを用意する。うち1車種はメーカーさえ違うのだから面白い。技術職の本音からすると「意外に載るんだな…」という感じ。当然載るのはどうにでも載るだろうけど、横置きのFWDモデルを前提に作っているFiatのエンジンを縦置きで設計されたロードスターに積むという試みは興味深くどんな風に載っているのか?と疑問だった。結論からいえばほんとそのままマルチエアを縦に積んでいる。

f:id:kumawo0017:20161211085938j:plain

500XやMitoのエンジンレイアウトをそのまま縦にすると出来上がり!

f:id:kumawo0017:20170226172208j:plain

現代に蘇った124スパイダーはマツダとの共同開発という「それイタ車なの?」って若干の疑問を残すところもあったりするけれど個人的にはエンジンがイタリア製ならイタ車なんだ!と思っているからこれはこれでありじゃないかなぁと。レネゲードだってそういう意味では自分の中ではイタ車だしね。

日本車とコラボした利点は多く、特にベースがロードスターというのは幸いだ。オーナーとしてはチューニングパーツに困ることがほとんどない。輸入車はいちいち修理や改造費で難儀するが、ロードスターの土台を使っているので足回りや内装系などは多くマツダ用のそれが使えるはずで、そこは維持する上でも大きい。いっそ500XXとかいってCX-5をベースにしたSUV出さないだろうか…

新型CX-5のすべて (モーターファン別冊ニューモデル速報 第548弾)

新型CX-5のすべて (モーターファン別冊ニューモデル速報 第548弾)

 

まぁそれこそなんか違う車になっちゃうだろうけどw

f:id:kumawo0017:20170226172234j:plain

124スパイダーはなかなか面白かった。けれど自分が選ぶならいま現時点ではRFのほうだろう。ここまでハードな乗り物はいらないwいまどきアイドリングでゲロゲロ言う車も珍しく、あしまわりもそれなりに硬い。これは休日にひとりで芦ノ湖スカイラインを爆走する車であって、デートカーではないからだ。そのデートカー目線で言えばアバルトならぼくはこちらを選ぶ。

f:id:kumawo0017:20170226174707j:plain

この黄色い可愛らしい奴はずきゅーん!にされてしまう魅力がある。

f:id:kumawo0017:20170226174722j:plain

小さいので仕事でつかうにも便利だし、イタリアンコンパクトという洒落た響きはなかなかいい。国産のコンパクトカーがどれだけ優れていても、この毒は国産には出せないうものだ。その出せない色気に国産の倍の価格を払う。それに見合った世界が手に入るという保証はあるだろう。いつかは595に乗りたいなぁと思いつつ、点検が終わった500Xを引き取った。

f:id:kumawo0017:20170225173744j:plain

124から乗り換えてすぐに500Xのアクセルを踏み込むと、意外とこいつも速いのだ。RaceChipの恩恵は相当にあると思うけど、それでもスポーツカーとして存在する124スパイダーのATからクロスオーバーSUVとして登場した500Xに乗り換えて走行面でアバルトより凄い!と思えるものがある、それだけで500Xは相当に凄いと思う。とにかく加速がいい。アバルトのように刺激あるサウンドは潜まっているが、控えめにもアバルト系のエンジンであることを主張し、9ATはスポーツ走行には不向きだが次々とギアを変え加速する。RaceChipひとつでこのアバルトにも匹敵する怒涛の加速が得られ、乗り換えても500Xって凄い!と思える車なのだ。

FIAT 500X (CARTOPMOOK ニューカー速報プラス)

FIAT 500X (CARTOPMOOK ニューカー速報プラス)

 

500Xの不具合はカムセンサーの異常だったそうだ。きっとあまり頻繁に渋滞を繰り返すと、アイドリングストップの頻度が増し、ちょい動いては止まるの繰り返しでカムシャフトが本来想定される位置にこなくて始動困難になるとかそういう系なんじゃなかろうか。最近の車は高度なセンシングで成り立っているので、どれかひとつにエラーが出れば不具合となるわけで便利なようで不便だ。対策はカムセンサーの交換らしい。とりあえずは渋滞にはまるときだけアイドリングストップをOFFにすればよいだけなのでそれで様子見。どちらいしろ再来月には1年点検なのでそのときに交換だ。そのときは595にでも試乗させていただきたいところで、楽しみは未来にとっておこう。

とにもかくにもアバルトに試乗する機会があって、その日、ぼくの口調に毒が増えた。

誰だって秘めているものはあり、それを抑圧しながら生きている。ただその毒をいつまでも溜め込むことは現実出来ず、どこかで必ず毒を吐く行為が必要だ。それが車であったりバイクであったり…それは人によって違う。けれどアバルトという車はその毒を受け止め、また与える車だ。人生にはこういうパートナーが必要なのだと強く思う。