今更ハヤブサ関連の本なんて腐るほど出ているので買う必要性も感じないのだけどそれでもやはり買ってしまうのは愛故だと思う。モトレジェンドにハヤブサが出ると知り、Amazonで全裸購入し、早速自宅でニヤニヤさせていただいた。
ぼくらの世代にとってGSX1300Rとは、この雑誌の2ページがすべてだったと思う。少なくとも、ぼくにとってGSX1300Rという存在を決定づけたのは紛れもなくこのページだった。
ハヤブサが出た当時のぼくはまだ高校生で、車にもバイクにも今ほどの興味がなかった。自慢できる人生を送ったわけではないけれど、工業高校在籍だったぼくの周囲には暴走族しないなかったし、当時からメンテナンスが好きだったぼくは先輩のバイクを整備しては夜な夜な「戦争行ってくる」と茨城あたりに出かける先輩たちを見送ったり、時折に殿を務めたりしたものだけど、本質的に二輪も四輪も喧嘩しにいくためのツールでしかなかった。なので興味もまったくない。
群馬の出なので周囲は当然これに夢中だったが、ぼくにとって四輪もまた興味の対象外だった。なのできっとつまらない高校生だった。
けれど、ヤングマシンのあの2Pがぼくの人生を変えた。
「325km/h」
公道でその速度を出していいというのは神の啓示に思えた。暴走族は蛇行運転が基本だし、当然公道を暴走しても300km/hなんか出せはしない。もし公道で300km/h出せれば先輩もきっと警察には捕まらなかっただろうなぁ…ってかなんでみんな300km/h出さないの?くらいに思っていた。そこにきて、ハヤブサのあの独特のスタイルだ。これはバイクではない、神だ。公道に舞い降りた神なのだとぼくはそう信じ切った。
それからぼくは二輪にも四輪にも興味を持った。300km/h出す神が公道に舞い降りた、ではそれに歯向かってくるものはなんだろうか?と興味を持つのはエンジニアとして当然のことだ。それから世の中には面白いバイクや車が沢山あるのだと知り今に至ったわけなので人生を変えた1台がハヤブサであったことは間違いない。
内容に関して目新しさはない。
いつぞやのディアゴスティーニのハヤブサを作ったことがある人であればその内容は知っていて当然のことばかりなのだけどたまにこうして別な媒体でそれを見ると改めてハヤブサの美しさを理解できて新鮮な気持ちになれる。
1000円を高いと見るか、安いと見るかは人それぞれだけど、ハヤブサを神とみればその神を映し出したバイブルが1000円で買えるのだからバーゲンプライスもよいところだと思わなきゃいけない!!
ぜひとも買って、その中身をご一読あれ、だ。
モトレジェンド vol.7 GSX1300R HAYABUSA (開発ストーリーから読み取くバイクと人――スズキGSX1300Rハヤブサ編)
- 出版社/メーカー: 三栄書房
- 発売日: 2017/02/24
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログを見る