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PEUGEOT3008 | Honda X-ADV(2021) | Kawasaki Z H2(2021)で主にツーリングに行ったりしているブログです。

ボルボXC40を試乗してみた

 
当時、自分はまだMacユーザーではなくLenovoXシリーズのポンコツPCをカスタマイズしてDebianを突っ込んで動かしていた。クルマ好きでMINIを愛し、LenovoにDebianを同じく突っ込んで使っていた上司。LenovoがもはやIBMではなく中国資本の会社となり俺たちが愛したLenovoは消えたという話になるのはもはや必然だったのかもしれない。
 
さて、ここからが本題

 

今までにまったく興味がなかったボルボだったが、Web広告で流れてきたXC40を見て正直かっこいいなこれと思った。

ニューモデル速報 インポート Vol.50 ボルボ・ディーゼルのすべて

ニューモデル速報 インポート Vol.50 ボルボ・ディーゼルのすべて

 

ボルボのブランドイメージは大多数のそれと同じく「高い安全性」「年より臭いデザイン」の2つだった。よくいう医者はボルボに乗れというのが、まさにその2つのイメージを合わせたもので言いえて妙だ。

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https://www.volvocars.com/jp/cars/new-models/xc40/intellisafe 

安全性にどれだけ気を使っているかはブランドサイトでも見て取れる。 国産車で「トナカイ」と「ヘラジカ」のような大型動物を検知しますなんて記載は見たことがない。そもそも日本の路上にトナカイはいない(ぉ
 
ボルボの母国でスウェーデンではきっとそういう安全性が求められているのだろう。
 
高い安全性はあるにせよ、そのデザインは良くも悪くも古臭い。80年代から大きく変わっていないんじゃないか?とさえ思う、ただ一見してボルボだとわかるデザインではあるし、そもそもボルボのユーザーはデザインに重きを置かないのかもしれない。
 
 
XC40はそんなボルボのイメージをがらりと変えた。

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www.volvocars.com

以前、湯河原の温泉に宿泊したとき500Xの前に停められていたのもXC40だった。

 

古きボルボのデザインを感じさせながらも新しさもある。

 

そんなボルボXC40を試乗しに虎ノ門のボルボまで行ってきた。

若い層にもウケるボルボとなれ

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XC40が狙いを定めたのは既存のユーザーよりも今までボルボに興味がなかった若い世代だろう。マーケティングの結果でもボルボは眠る若い世代を取り込まねばならないという危機感を持っている。特に日本における高齢化社会において若い世代に興味をもってもらえなければ近い未来にじり貧になる。世界的にも同じことなんだろう。
 
だからXC40のデザインはボルボらしさを残しながらもチャレンジングなものになっている。
 
売れ筋のSUVにあって最廉価モデルは389万円となる。

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ミドルクラスSUVの輸入車であることを考えれば十分にリーズナブルだ。確かに廉価モデルはないない尽くしなことが多いけれどボルボの場合は少なくとも安全装備や支援に関しては廉価モデルでも上級グレードと同等のものが装着される。
 

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そこがボルボの哲学なのだろう。国産車では省かれる装備も、ボルボは乗員を守るという点で手を抜かない。生き延びることを大切にする層に人気が出る理由もよくわかる。
 
交通事故は自分だけが気を付けていてもどうにもならない。
 
過去2度に渡るフィアット500Xが追突された事故も自分は完全に停車中に起きた。相手が軽いクルマだったからよかったもののこれがトラックだったりしたら・・・自分が軽自動車で相手がトラックだったら?命すら落としていたかもしれないのだ。
 
ミドルクラスのSUVはその点、車格もあがるので安心感は高い。
 
それにプラスしてボルボはドライバーのミスによる事故を防ごうというところにまで廉価モデルでも気を使う。
 
正直言えば充実してほしいのは安全にかかわる装備で快適装備に関してはそこまで重要なのか?と思う。ナビがついていないとか近場で乗る人には必要ないし、AppleCarplayやスマホナビがあればそちらのほうが今は高性能かつ最新データが見れるので満足度が高い。
 
SUVはもちろんひとりで乗ってもいいけれど、家族を乗せる、大切な家族が運転するということを考えれば安全性に勝る大切なものはない。
 
そういう安全面のアピールとXC40の若々しいデザインはきっと30代くらいのファミリーにウケるのだろうと思われる。
 
XC40のサイズは?
ミドルサイズSUVではプジョー3008やVWティグアンレクサスのUX250よりも短く、全幅は1875mmあるが昨今の輸入車勢でこのクラスなら極端に巨大というわけでもない。
 
全長のわりにホイールベースは2700mmもあるから後部座席も広々している。
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長距離の移動もこれなら平気だろう。
 
プジョーのパノラミックサンルーフのようなガラスルーフが付いていた。
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視界の高さも含めて後部座席の開放感も抜群にいい。
 
廉価モデルには装着できないが、これだけの為に上級グレードを狙いたくなる。
 
試乗したとき、最初はセールスが運転をし、自分は助手席で同行したパートナーは後部座席だったが、自分に運転を変わり助手席に座るようにセールスに言われても後部座席が快適なものだから降りたくないと言っていた。ガラスルーフはそれくらいに特別感がある。
 
プジョー3008に比べても天井は高い気がしたし、頭上の解放感もあるような気がするのはXC40のほうがよりSUVらしいスタイルだからだろうか?
 
XC40を走らせてみる
 
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流行りのディスプレイを採用するところもいい。必要な情報はすべて表示されているから最高だ。せっかくのフルデジタルなのに時計や外気温などの表示が別なディスプレイに表示されるプジョーのようなのはもう少し考えて欲しいと思うけれどそういう不満もない。
 
試乗車は250馬力、最大トルク350Nmを誇るAWDだった。一見すればハイパフォーマンスに感じるが、ドライビングの感触はあまりにも普通だった。言葉を変えれば刺激もなにもない平凡な走りだった。
 
それもそうだろう、XC40のカタログ上の重量は1690kgだ、今回の試乗で大人3人ものっていればその車重は1800kg近くになる。このくらいの車重になるとガソリンエンジンよりもディーゼルかPHEVのほうがトルクが出せるので快適になるはずだ。
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ただそれが不満なのかと言われると動力性能に関しては不満を覚えない。というのも8速ATなので細かなギアチェンジでトルクの美味しいところを引き出しているようでゆったりしたクルーザーのような乗り味を楽しめる。そもそもハイパワーで飛ばすクルマではないのでキャラクタァとしては間違っていない。
 
ゆったりしたハンドリングもそれが似合っている。
 
安全に重きを置くボルボはこんな取り組みもはじめるようだ。

www.vcj-press.jp

ポールスターのような狂気に満ちたクルマもリリースする反面、普通のモデルはとことん安全を追求しようという意識の表れだとすればこのスペックはXC40らしさという意味で間違いじゃない。

 

ただ不満があるとすれば、この車重をガソリンターボで引っ張る以上、街乗り燃費も高速燃費もいまどきのミドルクラスSUVとしては満足できるものではないということ。せめてディーゼルかPHEVのラインナップがあればよいが、リッター10kmを下回るような実用燃費をハイオクで動かせる余裕がある層じゃなければ手が出しづらいかもしれない。

 
 
革新的なインテリア
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電気自動車テスラのようなセンターディスプレイはまるでiPadのそれだ。
 
Apple iPad Pro (10.5インチ, Wi-Fi, 512GB) - ゴールド

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プジョーのi-Cockpitもエアコンなどの操作をディスプレイで集約してしまったが、ボルボは更に上を行っている気がする。

 

操作自体はタブレットを当たり前に使っている若い世代であれば説明書すらいらないかもしれない扱いやすさだ。この辺りも老人に寄りそうボルボではなく、若い世代に積極的にアピールしていく今後のボルボを表している気がする。

 

もちろん、安全面で言えば一発で操作が決まる物理ボタンのほうがいいのだろうけど、これはもう時代なんだと思う。

 

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ホームボタンがあったりとなかなかタブレットしている。
 
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収納についても日本車のそれを研究したかのように不足はないと感じる。きっと日本でもウケる車になると思う。
 
 
先進装備と安全について
 
ボルボの先進装備は半自動運転に近いものが付いている。クルーズコントロールも停止から発進までできるので国産車のそれと近いものがあるし、安全装備も充実している。
 
安全面で凄いと感じたのは後部座席の背もたれだった。
 
これはぜひ試してもらいたいが、倒した状態から起こすときに考えられないくらいの重さを感じる。お世辞でも「女性でも楽々起こせます」なんて言えるようなものじゃないし、片手では無理だろう。この重さは後部から追突されたときに乗員を守るための強度を出すためらしい。シートだけで1tの衝撃を受け止め破損せず乗員を守るという。普通に考えればそこまでの強度は不要なはずだし、現にどのクルマもそこまで重くはない。そこまでして安全面に気を使うのがボルボだ。
 
テールランプのデザインもバックドアを避け、路上駐車をしてラゲッジから荷物をおろすときバックドアにランプがかかるとライトの明かりが不十分になるためテールランプはあえてバックドアを避ける形状を取得しランプの面積を確保しているそう。
 
 
安全をデザインに盛り込んだのがスカンジナビアデザインのボルボなのか。
 
よくよく見ればシンプルなデザインは輸入車でありながらBMWやメルセデスのような嫌味がない。値段は安くはないが、ボルボに乗っていますと言われても偉そうな感じもしないのだ。むしろ真面目な印象すら受ける。
 
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フィアット500Xの後継車としてこれほどの魅力的なクルマはない。
 
そう思ったがいくつか検討事項はある。
 
まず燃費。実燃費はまだユーザーレビューが少ないのではっきりしないが1800kgに届く車体をガソリンターボエンジンで動かすというだけで高燃費とは思えない。車体サイズから考えても空気抵抗で高速燃費は伸び悩むだろう。ハイオクなところはフィアット500Xと差はないが、だったら間違いなく軽量かつ1.4Lの燃費もいいターボエンジンを積む方が絶対にいい。
 
次に価格。安くはない、そんなことは承知だし、それを承知で見積もりを出してもらったが550万円に届く金額で燃費の悪いクルマを買うというのは維持を考えるとなかなかチャレンジングだ。
 
そして納期。今すぐにでも乗り換えたいのに肝心のクルマは来年まで来ない。増税もあるし、この時点で残念である。
 
 
ただ悩ましいクルマだ。
 
安全はお金には代えられない、そこをどうとらえるか。
 
そして長い納期を耐えられる中古車でも用意しなければいけないのか・・・その辺りも要検討事項ではあった。