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現職のインフラエンジニアが”インフラエンジニアになるための教科書”を読んでみた。

なになに面白そうなタイトルの本が出ました。

現場のインフラ屋が教える インフラエンジニアになるための教科書

現場のインフラ屋が教える インフラエンジニアになるための教科書

 

一応インフラエンジニアとして8年(うち5年はインフラ兼ひとり情シス兼社内SE)やってきた人間なので今更”インフラエンジニアになるための”というタイトルの本を読むのもどうなの?という気もするんだけど、逆に今読むからこそ!ってのもあるんじゃないかなぁという気もして安くはないんだけど買ってみました。

 

手っ取り早く感想を書けばこの値段を払ってでも読む価値はあったし、280P近い内容ながら割りと面白く読めました。もちろんこちらも無知ではないし、今更感のある内容がほとんどだけどむしろ8年という割と長いエンジニア生活の中で日々感じていたことや必要に迫られて学んだことがまとめて書いてあるこの手の本は特にインフラでは少ない気がするので復習としても良かったです。

 

本著のメインターゲットは2〜3年めのインフラエンジニアとのことですが、ガチガチのインフラエンジニアでなくても、ぼくのようにインフラエンジニアだったけど今や社内情シス的な業務についている人も読んで損は全然ないし、むしろその手の業務に興味があるという人は読んでおくと「どんなことをするのか」のイメージが湧きます、まさにここに書いてあることを中小企業のインフラエンジニア(という名の情シス)であったぼくは経験してきたし、こういうことが好きならとてもこの仕事に向くよ!と言えます。

 

自分がインフラを始めたころはインフラエンジニアって未経験でも入口は広くとられていて、営業職からエンジニアに転向するときもSEではなくインフラとして採用されています。その中で将来はどうなるのか?と考えた時に、

 

・サーバ

・ネットワーク

・ヘルプデスク

 

みたいな分岐点はやっぱりあって、ぼくはネットワークで入った人間なので当時の上司にも「じゃあ最終的には通信キャリアの仕事やんなきゃね」とか言われてましたけど、本当にそれでいいのか?それしか選択肢はないのか?とか疑問に思ったこともあり(相当無知だった)、自分のキャリアを考えたときに結局大手に常駐する仕事はしたくないなぁ…と中小企業の社内SE・情シスとして転職することになりました。

 

こうなると求められる知識は一気に、本著に書かれているような幅広いものとなります。逆に中小企業だからこそ、一人がやる仕事はとても多くて、インフラだけできりゃいいってものじゃないし、サーバだけ分かればいいってものでもなくなる。クラウド、クラウドって言うけど、それには当然メリット・デメリットはあって、安易に採用すると地獄を見ることもあるし、AWSなんか便利すぎて気が付くとサーバ台数が中小企業でも数百台規模にまで膨れ上がり、最早自分ひとりでメンテできる範疇は超えてしまうわけです。そうなると必然的にインフラをコードで管理することの重要性を理解します。

本著でも触れていますが「インフラエンジニアはコードが書けなくても生きていける」時代ではなくなっていると実務を通して痛感しました。

サーバ/インフラエンジニア養成読本 DevOps編 [Infrastructure as Code を実践するノウハウが満載! ] (Software Design plus)

サーバ/インフラエンジニア養成読本 DevOps編 [Infrastructure as Code を実践するノウハウが満載! ] (Software Design plus)

 

DevOpsやInfrastructure as Codeにしても多分使う、使わないは別として中小でインフラエンジニアという”何でも屋”の役割を任されるとどこかで一度は経験しなきゃいけないし、それが必要になる場面が出てきます。そのときに学べばいいことですが、本著を読めば”覚悟”はできます。大勢の人がその実務の中で経験した”あるある”がまとめられており、これからもこういう仕事を続けたいのであれば本著に一読の価値はありではないかと思いました。

 

本著で触れている内容はこれだけ知っていれば話ができるという簡単なものであることは事実ですが、そもそも一冊ですべての知識を突き詰めようなんて無理な話です。単体項目だけで専門書が出ているほどなんだしね。しかも書かれている内容は誰もが通る道だとしても、当然使わない知識や経験があるわけです。アジャイルとかにしても向き、不向きはあるし、ネットワーク技術ひとつとってももしかするとネットワークは外注に丸投げでconfigをいじることなんて一生ないかもしれない。でも必要になったら学べばいいんです。

 

本著の範囲が広いことからも分かるように、多くの知識が必要とされるエンジニアなのでいちいちすべてを詳細に覚えるのは無理で、それぞれ得意不得意はでてくるし興味のあるなしはどうしてもあります。

 

ぼくは正直、むかしはオンプレ大好き人間でサーバを解体してカスタマイズするの大好き!でしたが今やAWS大好き人間だし、オンプレなんか年に1度も最近は触れていません。実機をラックマウントしてdebianかなんか突っ込んでコンソールログインしたときに最初からEmacsが入っていない事実にびっくりして「viってどう使うんだっけwwwww」と焦ります。それでも試験じゃないんだから制限時間もないし(当然障害時なんかは時間は求められますが…)、ググればいくらでも情報はあるわけなのでそのときに調べればいいんです。どうせ全部詳細まで勉強してもいざというときには思い出せません(きりっ

 

1週間で CCNAの基礎が学べる本 第2版 (徹底攻略)

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CCNAとか散々勉強したけれど、Cisco製品なんかもう6年以上は触ってないし(無線LANルータがMerakiだからCiscoっちゃCiscoだけど。。)、たとえばVLAN組んでみろと言われても既に覚えちゃいないのでやばいですwそれどころかYamahaのルータしか触ってないのでCiscoのコマンドとか地味に覚えてない。ま、そんなものです。

 

”何を学べばよいのかわからない”

 

そんなインフラエンジニアとしてある程度経験を積んできた人が次の一歩を踏み出すために本著は何かしらの手がかりになるのではないかなぁと思いました。

 

なのでぼくはこの本を現職を辞する前に後任者に残して行きたいと思います。

 

しかし、なんでこの手の本って電子書籍化しないんだろうなぁ…orz

 

重いので持ち運びが難儀してせっかくの電車通勤なのに読む時間がなかなかとれず大変でした。。。

現場のインフラ屋が教える インフラエンジニアになるための教科書

現場のインフラ屋が教える インフラエンジニアになるための教科書