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PEUGEOT3008 | Honda X-ADV(2021) | Kawasaki Z H2(2021)で主にツーリングに行ったりしているブログです。

ランサーエボリューションは子持ちの家族に不向きな車だったのか。

ランエボに乗っていると周囲から「こんな車で子育てしてるの?」と白い目で見られることがあります。ありますよね、ランエボ&家庭持ちの皆さん?

 

ぼくは親戚からも白い目で見られるし(田舎だからね、うるさい車=暴走族w)、法事に行くことすらも許可されない可哀想な状態で祖母の葬式のときは絶対にエボで来るなよと注意されたくらい、葬式に黄色い車とか長男としてふざけていると言われたほどで、しかもデザインは穴だらけででかい羽根までついている目立つクルマだからね…仕方ない。

 

そんなこともあったし、そもそも嫁さんが運転したがらないという状況も辛いし、だからこそ夏頃から様々なクルマを市場して来ていよいよ2015年も終わろうという時期に差し掛かっているのだけれど…改めて考えてみます。

 

ランエボって家族持ちには不向きなクルマなのか?ってね。

 

世間的にはこんなクルマに「Baby in Car」ステッカー貼って乗っている事自体がふざけているとみなされることも多いんだけど、実際2016年2月でエボを所有してから丸々3年めになり、子供が生まれてからも既に一年半近く使っているクルマ。ハードなクルマは揺さぶられっ子症候群になると脅されたけど結果としては社外車高調入れたハードなクルマですが、子供は元気に生きてます

 

先日も久々に鹿島工業地帯で有人スタンド入ったらお店のおばちゃんに「後ろに子供乗ってる!!こんなクルマなのに子供いるんですね」ってめっちゃ失礼なこと言われたね…どんなクルマなら子供がいていいんだYO!!

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エボってその走行性能ばかりがクローズアップされて、あまり快適性や実用性について話されることってないと思う。そもそもそういうクルマじゃないし、そのままでもWRCのGrNに出てそれなりに戦えるクルマであることを考えればランエボ最強育児マニュアルがあるようなクルマじゃない。

 

だから今回はそんなランエボをあえて利便性という観点で見てみようという意味があるのかないのかよくわからない記事w

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最近のユーティリティが優れ後部座席が可倒するセダンに比べるとリアバルクヘッドに補強が入っているエボは劣る。それでもエボのトランクルームは広大だ。何しろその容量は怒涛の430Lあるらしい。並のスモールSUVの容量を越える。

MAZDA CXー3のすべて (モーターファン別冊 ニューモデル速報)

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この手の本を買うとまずラゲッジサイズをチェックするけれど案外エボより容量が少ないクルマは多く、スモールクラスは350L前後であることが多い。それに比べると高さ方向に余裕はないけれど奥行きではなかなかの容量であることがわかる。

意外かもしれないけどセダン乗りは割りとトランクスペースが広大であることを知っている。エボは第三世代になりボディサイズが拡張したことで様々なサイズがUPしたが、その中でも後部座席足元空間やトランクサイズなどは十分な実用性を持たされた。

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旅行に行くときも、キャンプに行くときも余裕で荷物が積めた。

純正サイズのホイールを無造作に4本積むことが出来る。

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先に書いたとおりランエボは第三世代でそれまでの第二世代に比べるとサイズが大幅にUPした。第二世代まではWRCのグループAという市販車ベースの規格で勝負していたクルマ故にベースのランサーありきだった。ランサーは今では希少な5ナンバーサイズのセダンなので当然小さい。

第二世代最終型と第三世代のホイールベースを較べてみる。

・エボ6:2,510mm

・エボ7:2,625mm(+115mm)

なんと10cm以上もホイールベースが伸びた。

その伸びた分は性能面で言えば高速化するラリーにおける高速時の安定性確保に繋がるけれど今回はそんなことはどうでもいい。

今お伝えしなければならないことはそのホイールベースは後部座席の足元に広大なゆとりを生み出したという結果だけだ。

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チャイルドシートを運転席後ろに搭載し、運転席をぼくのポジションに合わせると

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先日FIAT 500Xに載せた写真があったので較べてみた。 

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全然スペースが違うことに気づいていただけると思います。

チャイルドシートを付けた側の足元はデッドスペースになるためそこに荷物を置くこともできます。要するにラゲッジとして利用できるんです。するとトランクと合わせて相当の容量が生まれるんですね。

 

助手席に人が座らないなら思いっきり前に出せば足元空間物凄いことに。

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普通に助手席に人が座れるほどの空間を作っても身長168cmの自分が足を伸ばして座ることができます。リアの足元空間はそのへんのBセグSUVよりは広い。後部座席シートはヘッドレストが固定式なので首が痛くなったり、そもそも乗り心地が…という話はあれど座るという単純な機能面に関しては快適そのもの。そもそも嫁さんはこのエボの後部座席で5時間耐えたこともある。

横幅もあるのでタイヤも積める。

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17インチ4本の搭載実績あり。

後部座席にはアームレストもある。

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これが地味に便利。まぐまぐを置ける場所があるのは素晴らしい。

ピジョン マグマグストロー 8ヵ月頃から

ピジョン マグマグストロー 8ヵ月頃から

 

小さいこどもがいる家庭なら移動中に食事をさせなきゃいけないこともあるだろうし、そういうときに広いアームレストがあると食事を一時的に置いたりできるため便利です。エボはフロントシートがRECAROなのでヘッドレストにテーブルを付けることもできないしアームレストの存在は貴重。

ナポレックス(NAPOLEX) トレイ 純正感覚 ソフトリアトレイワイド ブラック JK-59

ナポレックス(NAPOLEX) トレイ 純正感覚 ソフトリアトレイワイド ブラック JK-59

 

後部座席の広さはわかってもらえたと思いますが、フロントはかなり快適。ランエボはグレードで搭載されるレカロシートの生地こそ変化するが、エボ9GSRのシートは皮にアルカンターラとなかなか上品。そしてレカロシートなので圧倒的に長距離は疲れません。このシートに慣れてしまうとどのクルマに試乗してもシートの良さがわかりづらくなるというデメリットがあるほど優れた純正シート。幼児はチャイルドシートなのであまり関係ないですが助手席に嫁さんを乗せたときにそのシートに不満がでることはまずないでしょう。(他のところ、音や振動で文句がでそうだけどw)

 

運転する方としては高性能車なので扱いやすい。

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エボ9で搭載された4G63MIVECターボは下から力強いし、適当なギアに放り込んでもそこそこ走る。6MTはクロス気味なので回転数は高めだけど、100km/h巡航でも爆音で辛いとかはない。

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トルクもありパワーもある。これに慣れてしまうともうどんなクルマでも満足できない。買い替えを検討して様々なクルマを乗っても結局はエボに乗ると「エボっていいクルマだなぁ」と再認識することになり、当て馬にしかならないのです、試乗車。

 

エボは燃費が悪いのはもう致し方ないにしても高速巡航なら案外燃費は出る。今時のエコカーに比べたらふざけた数値だけど、2Lターボのスポーツカーであると踏まえた上で11〜12km/Lは出ているんだから決して馬鹿みたいに悪いわけじゃない。高速道路主体なら満タンで航続距離は650kmに届く。

さすがに街乗りは10km/L越えることがないですが、信号も少ない田舎道であれば9km/Lくらいは出る。フルタイムの4WDで2Lターボエンジン積んでいるクルマがそれだけ走れば十分な気がするけどさ…ハイオクでこの程度の燃費のクルマはあることはあるし、ガソリン代が高くつく?という点で家族持ちに特別いいクルマではないけれど、この今時レアなフルタイム4WDで燃費を悪化させながらもフルタイム4WDであることの利点だって当然ある。

 

全天候型で豪雨だろうが豪雪だろうが何の問題も不安もなく走りきれる走破性の高さはシステムが自動で2WDと4WDを切り替えるオンデマンド式には出せない安心感だと思う。別に悪天候に強いことだけが4WDのメリットではなくってよく霞ヶ浦に行くけれど常磐道は守谷あたりで利根川を渡るときに強風で煽られる。こういうときも4WDで直結気味にしてあげると何事もなかったかのようにまっすぐ走れる。4WDのモードを任意で選べないオンデマンド式にはできない芸当でもあるね。

悪路走破性で言えば数年前の豪雪時に夏タイヤで積雪30cmの中を何事もなく走って、止まって帰ってこれる。突然の雪でもドライバーがそれなりならクルマは答えてくれる。この性能は単純に速く走るためではなく、ドライバーと唯一無二の信頼を築き上げて安全運転に寄与する。

自動ブレーキやレーンアシストだけが安全運転に繋がるデバイスじゃない。システムが動作しない環境下ではクルマとドライバーの信頼関係が最後は物を言うんじゃないかな。少しでも不安があるクルマだとドライバーは限界付近で危険を感じて動きがかたまりやすい。でもクルマを信用できるなら、回避運動だろうがなんだろうができる。

 

家族持ちに向いているかどうか?という観点では正直微妙だけれども、このクルマものすごく子供受けがいい。洗車していると通りがかりの中学生くらいに「エボや!」と注目されるし、公園に行っても小学生くらいの男の子から熱い視線を感じる。特に小さな男の子からの熱視線。黄色ボディと如何にもこういうガンダム風な見た目は子供受けがいいのだろうか?そういう幼児研究をしている方にエボを好きになる理由を伺ってみたいものだけれどとにかく人気がある。

もし子供が男の子であるならば、ランエボに乗っているだけでパパはヒーローだ。さすがに保育所にも通っていない現時点で息子がパパを鼻高々に語ることはないだろうけれど、もしお子さんが小学生くらいであればランエボに乗る父の姿は憧れになることだろう。

そういう意味では親子関係を良好にするツールとしてエボは家族持ちに向いていると無理やり解釈できないだろうか?

 

ぱっと思いつくだけでこのくらい。追記があれば書いていきたい。

 

逆に不満点は何か?

唯一の不満といえば小回りの効かなさ。最小回転半径が5.9mというその辺のLLクラスのミニバンよりも小回りが効かないエボを狭路で使うと曲がりきれない可能性が出てくるし、実際曲がれなかったことはある。

はじめての場所に行くには勇気がありますw

ただそれを除けばほとんどクルマ自体に不都合も不満もない。普通に家族で使えるし、我が家では休日になると普通に家族三人でどこへでもでかけます。燃費が悪いとはいえ、電車で三人で移動するよりは楽だし場所によっては安くあがるので別に問題にならないわけです。

 

では?と聞かれた時、それはやはりランニングコストがすべてだと思います。

コストは単純にお金もありますが、時間的な面もあります。

エボシリーズは最早新車で買えないクルマです。

中古で入手したクルマは状態によってはメンテナンス費用が半端無くかかるし、それを浮かすために自宅で整備すると時間も掛かるわけです。

ランサーエボリューション定番トラブル解決事典 (別冊ベストカーガイド・赤バッジシリーズ)

ランサーエボリューション定番トラブル解決事典 (別冊ベストカーガイド・赤バッジシリーズ)

 

この本にメンテの勘所的なものが書いてある。基本は頑丈なクルマなんだけど割りとどうでもいいところが壊れやすいし、消耗品がいちいち高い。4WDなのでオイルだけでもデフ、トランスファー、リアデフ、ACDポンプなどなど。パワステやフルードも含めればとにかく駆動箇所が多いためオイルが使われる場所も多く、1箇所1箇所の使用量は少なくても工賃などを計算していくと毎回数万円コースだ。

 

駆動系の負荷も大きいし、第三世代になるとACDポンプ故障も定番トラブルとして出てくる。これが部品代が高いので数十万円。クラッチ交換も10〜20万円の間くらい。そもそもエボの第三世代でももう10年選手になる。経年劣化などを考えると購入時の状態によっては車体価格よりもメンテ費用が上回ることはある。

 

エボでエコランするという人はあまりいないだろうし、家庭持ちでも週末はワインディングを走る!みたいな使い方を想定されているのであれば万全な状態にするには相応の金額を費やす必要がありますし、消耗品を考えると余程家計に余裕がないと”パパのお小遣い”レベルでは維持が厳しいと思います。

 

クラッチが滑った時に嫁さんに「20万円出して」って言ったら「その20万円で中古のSUV買えば」って言われたほどでクルマに興味が無い人からすれば消耗品交換でうん十万は理解し難いでしょうね…

 

自分が2年半で交換したパーツを列挙すると

・タイヤ交換(4本)x2回+スタッドレスタイヤ1セット

・ラジエータパンク

・足回りフルブッシュ交換

・2次エアソレノイドバルブ破損、交換

・ブローオフバルブ車検通らず純正交換

・マフラー穴あき車検通らず交換

・ブレーキディスク、パッド交換

・タービン交換x2回(インコネル、マグ)

・プロペラシャフトマウント交換

・エンジン、ミッションマウント交換

・ACDポンプ交換

・クラッチ交換(社外カーボンから純正へ戻し)

・リアカムボルト交換

・タイロッドエンド交換(ガタが出た。

・四輪ハブベアリング交換(ガタが出た。

・プラグ交換x2回

・プラグコート交換(失火した)

・タイミングベルト交換

・エンジンオイル交換(3000kmごと)

・車高調交換(抜けた)

etc...

 

記録していた消耗品&工賃だけで200万円超えてるんですよね…

 

120万円で買ったクルマに年間100万円以上の整備費用…

 

もちろん安く買ったエボなので程度がよければ…という話はあるかもしれないんですが、いつどこが壊れ、そのときいくら掛かるのか?というところである程度覚悟は必要です。

 

部品供給自体は第三世代に関しては問題なし。アフターパーツも多々出ている。ただ純正部品は年々値上がり傾向にあるのでそこは覚悟。整備費用だけでなく自動車保険も見てみるとエボは自動車保険も高いッ

事故率も盗難率も高いクルマなので車体保険を付けると保険会社や等級でも変わるんですが自分の場合は年間15万円です。車体保険170万円しかついていないのに、次に買おうとしたクルマで380万円車体保険付きにしたときの見積もり16万円に迫る勢い。なので検討している人はまず自動車保険の見積もりをもらって、「現実的にその金額を毎年払ってもよいと思えるか」を考えたほうがよろしいでしょうね…

 

最低限の整備、維持費だけでなくECU交換や補強など各種チューニングもしたのでなんだかんだで300万に届く金額を費やしました。そこにガソリン代なども加算されるのでとてもじゃないけれど今の自分の所得では維持が厳しい。

 

新車に乗り換えた方が生活は楽になるって思えたんですよね。

(というよりよく2年間維持できたものだと感心するw)

 

子持ちの家庭にとってエボが不向きであるかどうかは、結局のところ中古車として存在しているエボを買いそれなりの整備費用or時間を使ってまで維持し続けることができるかどうか?に尽きると自分は思います。

 

満足度は高い車で、セダンが嫌いなのでなければ十分快適で使いやすい車です。

 

どんなクルマを試乗しても「エボより乗り心地いいね」くらいの話は出てきますが、群を抜いてエボより、良いというものは無いです。

 

こんな車を出していた三菱は本当に凄いメーカだったと思ったんですが、エボも生産中止でパジェロも消すかもって話を聞いているとどこに向かっているんだろう三菱はって思うわけです(´;ω;`)ブワッ

 

電気自動車屋になろうとしているのかもしれませんが一流のブランドを捨てるのはどうかと思うorz...

 

一度消えたブランドが復活する例は当然多くのメーカであることで、アルトワークスのように15年経って復活し大歓迎されるみたいなこともあるかもしれませんが、アルトワークスは一応ベースのアルトがそれなりに続いていて派生グレードとしてのワークス復活でした。

 

ランエボは既に国内にベースとなるランサーがありませんからね。。。

 

そもそもエボXはランサーではなくギャランフォルティスエボリューションだろって気がしないでもないし、そういう意味で自分の中ではランサーのエボリューションは9で終わったと思っているのですが、いつかランサーブランドが国内で復活するようなことがあればその派生グレードとして期待することにします。

 

そのときには自分も状況が代わってもう一度エボに戻れるかもしれませんしね…

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