納車が今年の6月20日だったようなので4ヶ月経たないうちに6000kmに到達しました。
6,000kmはMVアグスタだけでなく、他のメーカにおいても新車半年または6,000kmの点検時期を意味しています。
多分、アグスタユーザーの中ではトップ100というか、50くらいには入るであろうかという短期間における距離数の多さかと思います。
まぁどんなバイクもクルマも自分が乗れば過走行になり、むしろ4ヶ月で6,000kmは自重している方(学生の頃は半年で5万kmが普通でした)なのですが…
さて話を戻し…
今年に入り、前車KTMの200dukeの距離数が伸びすぎた&そろそろ乗り換えだろうということで、アグスタのアの字も知らない自分が、いきなりアグスタを買うに至り、そして4ヶ月で6000kmを超える距離を走って感じたことをつらつら書いて見ようと思います。
あくまで1個人の感想文です、信じるも信じないもあなた次第。
「所有欲を満たせる”何か”」
MVアグスタというメーカー自体、名前は聞いたことがありましたがF4とか、4気筒のめっちゃ高いバイクしか扱っていないブランドだと思っていました。
ところが、いざ興味を持って調べてみると、100万円台からラインナップがある「あれ、意外ととっつきやすいブランド?」と思うようになったんですね。
元々、KTMの1290スーパーデュークRかカワサキのNinjaH2を買おうと思っていたので排気量の少なさに目を瞑れば「予算内でイタリア車が買える!」というのは凄く魅力的な話でした。イタリア車って好きなんですよね…クルマもバイクも。でもどうしたって高嶺の花だって思っていたのに、予算無いなら買ってしまえ!という気になるのも仕方ない?
そんなアグスタのラインナップにおける【RR】というグレードはいわゆる最上級グレードに当たるようで、標準車に対して高級パーツが付けられていたり、塗装や部品のクオリティが向上しているとのことです。
とはいえ限定車ではなく、誰でも買えるものですが、標準車+30万円という価格設定、800ccで180万円近い定価はお世辞にも「安い」とはいえないものでしょう。
価格は標準車より高くはなっていますが、塗装の質感やエンジンがブラックになっており全体としてのデザインバランスがよくなっているように感じますし、エンジン出力も標準車125馬力に対して、140馬力と向上しており、実際乗ってみると馬力よりも低速トルクが増えたことによる乗りやすさなどもあり別物だこれ!と思うような印象で、なんだかんだで+30万円はそれほど高くはないのではないか?と思うわけです。
納車されて、まず1つ気づいたのはとにかくアグスタがMVというブランドを前面に押し出している感が凄いことです。
たとえば国産で、グリップにまで自社のロゴを入れているメーカーがあるでしょうか?
もしかすると高級なバイクにはホンダのウィングマークだったり、スズキのSだったり、ヤマハの音叉だったりが書いてあるのかもしれませんが、グリップにはなかなかないのではないでしょうか。グリップ横のスイッチボックスにもロゴはあります。
ステップや
エンジン
シートを外した車体側にも…
外したシートにだって勿論…
載せていたら面倒なほど、いたるところに、納車されて数ヶ月して「こんなところにも!」という場所にまで、この【MV】のロゴは入っています。
外部に対してというより、所有するオーナーに対して「あなたはMVアグスタに乗っているのだ」と示しているような気がし、最初の1000kmくらいまでは乗る度に「こんなところにもMVマーク」と発見があって眺める度にニヤニヤしていました。
そんなことからアグスタにはオーナーの所有欲を満たせる何かがあるなと感じます。
「イタリアンデザインは素晴らしい」
バイク界におけるイタリア車と言えば、有名ドコロでドゥカティやマニアックなbimotaなどがありますが‥.これらに共通しているのは独特の美しさ、色気だと思います。
アグスタの3気筒に共通する純正のマフラーデザインが凄く好きです。
はじめてBRUTALEを見た時、特にそのデザインに何かを思うことはなかったのですが、アグスタ横浜さんで試乗車を借り、大黒PAで休憩していたとき、正直BRUTALEの前から見たデザインに関して言えば、「KTMの1290SDRの方がシャープで好きだなぁ」と思いました。
ところが、ふと後ろに回ってしゃがんだとき…
「え、なにこのマフラー…かっこいい」
この三本出しマフラーを含めた車体のデザイン…完璧に心を奪われました。
6,000km走った今でも、出かける度に後ろから眺め、周りの風景に溶け込むこの3本出しのデザインに惚れ惚れし、この独特の色気がイタリアンデザインの魅力なのかなと勝手に思っています。
「エンジンの官能性はんぱない」
エンジンがとてつもなく刺激的で飽きが来ないところも魅力です。
何がいいって言葉で説明するのが難しく、これは正直乗らなきゃ伝わらないとは思いますが…
5000kmを超えてオイルをパノリンを入れ替えたとき、更に回り方がいっそうスムーズになり、機械的にありえないのですが、フリクションロスがゼロになったような(いやいや、絶対にないのだけど)3気筒なのにシルキーな回り方になった気がします。
低回転はツインのようなトルク感、そこからゴリゴリという3気筒ぽい感触になり高回転は4気筒のような…回転域によって性格をがらりと変えるのが3気筒なのかなと思います。特に8,000回転を超えてからの高回転域は背筋に冷たいものが走り、ゾクゾクするような感じがたまりません。
同じ3気筒でもヤマハのMT-09とは感じがぜんぜん違うので興味のある方はやはり一度試乗して、可能ならば8,000rpmを超えた先を体感してもらいたいと思います。
え、でも試乗車ってほとんど国内仕様でしょう?
「日本仕様も十分に官能的なんだけどね」
本国仕様と日本国内仕様の違いは、”例のマフラー”と”回転リミッター”です。
例のマフラー
マフラーに関して言えば、デザインの違いが一番大きいと思っており、日本国内仕様のでデザインは自分が惚れた斜め後ろからの”あのデザイン”ではなかったので当然交換前提でしたが、排気音に関して言えば、本国仕様も日本国内仕様も大きさはそんなに変わらず、そもそもBRUTALEはメカニカルノイズが凄いのでアイドリングくらいでは排気音以上にガチャガチャとしたエンジンからの音の方が目立ちます。
国内仕様のマフラーも、排気音は勇ましく、デザインに目を瞑れるのであれば官能性もパワー感も十分で”全然あり”だと思います。
国内仕様は9000rpmでリミッターが掛かるのですが、実際本国仕様でそれ以上回せるようになってもそこまで回せる場面は公道ではありません。
せいぜい2速まででしょう。3速で13,000まで回せば声には出せない速度域になり、加速感が半端ないので免許と命がいくつあっても足りません。田舎や峠のワインディングでは当然使える領域なのかもしれませんが、自分の生活圏である東京都内の路上で日中そこまで使おうとしたら一週間のうちに3人は轢ける自信がありますし(物騒)、5回は白馬の王子さまに「まてまてー」される気がします。
9,000rpmでも相当速度は乗るのですが、ECUのセッティングで9000まで日常的に使えるようになっており、またそのまわり方も6000rpmを超え、7000rpmあたりで気持ちよくなり9000rpmちょいまで回る。
制限されていながら6000rpm以降の3000rpmでの味付けが巧く、ありがちな”ただリミッター掛けました”というバッサリ9000rpmで切られるような感じではなかったように思うので案外、都内で楽しむにはこのくらいのほうがいいなぁと思いました。
ですので、サーキットや、高回転まで回しきれる広いワインディングであれば13000の恩恵を受けれるかもしれませんが、毎日乗って楽しいという意味では国内仕様も悪くなかったと感じています。
考えてみれば、元々本国仕様で140馬力、国内仕様でも100馬力は超えているようなのでそれでパワーが不十分だと思うことは絶対になく、MT-09が110馬力で十分に速く楽しいように、同じクラスのBRUTALEでも十分に楽しくなるのは勿論のことなんですよね。
ですので試乗の際は、国内仕様でも6000rpm以降の回転域を試してもらい、これが13,000まで続くのかと想像していただければおおよそのイメージは付くのかな?
逆に5,000rpmくらいで走ると振動もあり、ギクシャクするので「なんじゃこりゃ」とよいイメージは抱かないと思います。
「 燃 費 が 悪 い …」
燃費の悪さは想定以上でしたw
普通に考えて、800ccのエンジンなら1300ccのエンジンより高速燃費は劣ることはあっても街乗りで劣ることはないだろうと思うものですが、実際の所ハヤブサ並か、ハヤブサより悪く、平均して13km/L程度です。
都内の渋滞が多い時間帯ばかり走ると10km/Lのときもあるので国産車の800ccクラスの燃費を期待すると絶望すると思いますw
前回記事にしましたが、この燃費は同クラスのMT-09と較べても同じ区間で5km/L以上燃費が劣るので…
燃費を求めるバイクではないわけで、その辺りは性能と官能との引き換えだと思うようにしています。
「官能的で情熱的なエンジンは、とにかく熱い」
800ccで140馬力叩き出す高出力エンジンは発熱がとんでもないです。
空燃比がアイドリング付近はおかしいんじゃないか?と思うほど、とにかく停車すると熱いです。
よく「大排気量のハヤブサは夏場は熱いでしょ?」と聞かれます。
実際熱いです。
でもなぜか800ccのBRUTALEはハヤブサよりも熱いです。
多分ですが、ハヤブサはカウルがあるので熱が直接上に来ることはなく、カウルの隙間から熱が抜けるので、足やシート下が熱くなり、股間が蒸れるような感じや、足首が熱いうことになるのですが、ネイキッドであるBRUTALEはその莫大な熱がすべて真上に来てライダーの顔を直撃する…
涼しかろうと、夏場にジェットタイプのヘルメットをかぶっていたら顎鬚が燃えるのではないかと思うほど暑く、吐き気がしてきました。
4年間、真夏の都内の渋滞にはまりながらの通勤にも耐えてきた自分が初めて「今年はバイク通勤は無理かもしれない」と思ったほどですw
ライダーは耐え難い熱さにさらされてもBRUTALE自体の水温は至って安定しており、オーバーヒートの危険を感じることはなく、ハヤブサみたいに目に見えて水温計の針が赤ゲージに突っ込んで「やばい!」となり、挙句にはクーラント吹き出すみたいなことがない分、精神的な安定はハヤブサより上ですねw
「言うほど壊れない」
「アグスタって壊れるんでしょ?」というのが自分も含めてまず思うことです。
実際Webを徘徊していると壊れたアグスタ情報は確実に目にします。
特に3気筒モデルでそれが顕著で、F3-800ccはよく壊れ、同じエンジンを積むBRUTALEも同じように壊れるのではないか?と思うのは当然だと思います。
ただ実際に所有して4ヶ月、6,000kmを走りエラーを吐いて始動不能になるとか、走行中にエンジンが止まるとか、そもそもエンジンがかからないとか、そういう”致命的な”トラブルはありません。
その代わり些細なトラブルはあり、先日の冷却水が減るとか、ボルトが緩むとか、なぜかオイルフィルターケースの蓋のヘックスローブのボルトが手で緩むほどにゆるくなっていたとか(怖っ)はあり、決してメンテナンスフリーとは言えないですが、特別アグスタだからなぁ…というネガティブな印象はありません。
ハヤブサも1000kmも走ればカウルのボルトが1本なくなるのは普通だし、夏場はクーラントを吹きこぼすので、そういう意味では90年台設計の国産車並の信頼性はあるのでは?と思ってます。
これからだよ、という話かもしれませんが、自分のイメージでは6,000kmの間に一度はディーラーに長期入院くらいするかパーツの交換くらいあるのではないかと思っておたので拍子抜けしているのは事実です。
F3以降の800ccで出ていたトラブルをメーカが真摯に対応して潰すことでアグスタの中でも2015年に発売された最新の800RR以降では小さなトラブルは対策済みになっている箇所が多いのかもしれないという淡い期待をしているのですが、どうでしょうw
工業製品の宿命ですが、最新が最良であるというのはアグスタにも当然当てはまるのだろうと思っており、800ccもF3からはじまり随分と熟成されてきているのではないか。
また発売が当初から延期されたTV800が10万kmテストを行っているなど、800ccクラスの細かなトラブルを潰し、信頼性を向上させたアップデートはBRUTALEシリーズの最新モデルであったRRにも当然適用されているのではないか?という考えもできるわけです。
バイク自体の信頼性アップデートも勿論ですが、不具合が出づらい要因として自分の乗り方も関係しているのではないかと思っており、それはBRUTALEを毎日通勤で使うという大半のアグスタオーナーがしないであろう使い方をし、毎日往復50kmをそこそこ回しながら走ることでバッテリーも充電され、たまの週末しか乗らないから起こるようなトラブルも起きづらいのかもしれません。
とはいえ、ツーリングにいけば数分走っては止まるみたいなこともやっており、セルもその都度回したりしますが特に不具合も起きないのでやっぱり信頼性アップデートも行われているとみてよいのかとは思っています。
故障を避けることとして、雨の日は乗らないを意識的に心がけているのもあるかもしれません。やっぱり電装系のトラブルが起きやすいみたいなので、水場を避ける努力は必須かと…でもツーリング途中で雨とかあるとねぇ…
「長距離には不向き」
”雨の日には乗らない”ということに関連しますが、基本的に長距離には使いません。
確実に晴れているという状況下で東京-名古屋の往復はしましたが、あとは長野とか富士山までとか関東圏でのツーリングがメインなので泊まりがけでどこかに行くということはしていません。
雨を避けるという理由もありますが、そもそも長距離を走りたいと思えるような性格のバイクではないことも大きな理由です。
まずシートが硬く、通勤レベルでもお尻が痛くなりゲルザブ必須、300kmも走ると股関節が脱臼するのではないかと思うほど痛みを発し、翌日は会社に来る整体師のゴッドハンドで施術を受けないとダメなレベルの疲労感を味わいます。
疲労というより筋肉痛かな…
様々なところで書かれているのですが、このRRのエンジンは性格が長距離向きではなく、巡航がとにかく苦手なのです。
普通のバイクであれば100km/hで巡航することは当然なんともなく、そもそも国産車であればそのくらいの速度域で快適になるようなセッティングにはなっているはずですがBRUTALEで100km/h巡航しろと言われたらライダーが感じるのはただの苦痛です。
では「もっと回して140km/hくらいで走ればいいのか?」と問われれば今度はネイキッド故の風圧でそこまで飛ばしたいとは思えないんですよね…
ホイールベースが短いことや、フロントが軽いことは街乗りやワインディングでは武器になるのですが、逆を言えば高速安定性に欠くということにもなりますし、そうなるとロングホイールベースで矢のようにまっすぐ走ることが楽さに繋がります。
上記のようなことからBRUTALEは巡航ではなく、とにかく”加減速を繰り返す”という扱い方をしたときにものすごく気持ちがよいバイクであると思います。
フル加速し、コーナーで減速し、立ち上がりでまた加速する…これをひたすら繰り返せるワインディング・ロードは最高です。
そんな特性なので高速走行は不向きなのですが(もちろん東京名古屋を日帰りできるくらいなので出来ないことはないのですが)、そもそもアグスタがBRUTALEで長距離走ることを想定して作っているとは思えず
そんなことに使いたいのであればストラダーレだったりTV800だったりを用意したのでそちらをどうぞ☆ということに間違いはありません。
BRUTALEは週末に都内から箱根まで行って伊豆スカを軽く走り、どっかでランチして午後には帰宅して洗車してバイクを眺めるような優雅な使い方がお似合いな気がします。
そういう意味では日本車にあるような「たとえレーサーでも1000km走ることはできるし、通勤・通学にも使えて週末にサーキットも峠も行ける性能と信頼性」を期待してはいけないでしょうね。
使うことはできるが、それが「本来の用途ではない」と明確に分かるだけで、楽しいか?と言われたらどうだろうなぁ…と微妙な顔をするでしょう。
そう考えると日本車の万能で壊れないという性格は凄いなぁ…
ただその特化した性能というのが個性であり、輸入車の、もっといえばイタリア車の面白さなのかと思います。
「とはいえ通勤快速!」
いやいや…アグスタを通勤に使うなよ。
何度も書きますが、BRUTALEの正しい使い方は週末のワインディングを嗜むことで、決して平日に都内の渋滞を1時間も走るという用途を想定して作られているようには思えません。
それでもBRUTALEは真夏の35℃を超える中、都内の渋滞も耐えきりましたし、今でも晴れの日は通勤に使って距離が伸びているわけで…
普通に毎日使えてしまうんですよね…
これが頻繁に故障するバイクであれば、”通勤ができない(故障的な意味で)”になるわけで、会社に毎日遅刻するかもしれないと思いながら使うのは事実上不可能になるわけで自然と距離も伸びず週末ライナー化するはずですが、事実として毎日順調に距離が伸び、使えているということがBRUTALE800RRが信頼性が高くなっているのではと先の信頼性アップデートを思った理由です。
車体も小回りが効かない、ポジションもきついレーサーで通勤するより、軽量で取り回しがよいBRUTALEは通勤に向いており、かつクイックシフトが搭載されているので案外楽ちんなんです。
クイックシフトは本当にできが良く、アエラのステップとの相乗効果もありシフトの入りが半端無く気持ちいいのです。足首をコクンと動かせばシフトが入り、息継ぎなしに加速する感覚…そしてダウンもスリッパークラッチがあるので回転を意識せずにいけるので楽。スポーツモードのときしかダウンができないのは残念ですが、ノーマルモードでもアップは使えるので、その分クラッチを握る時間は減るので手首への負担が少なくなるのがよいですね。
都内の渋滞でクラッチを握る時間が1秒でも減るのは嬉しい事なんですよ、ほんと。
また元々の性能が高いので、”通勤GP”と言われる朝の通勤路、原付などに混ざって走っていても加減速は600ccや750ccのレーサーにも負けないし、ブレーキも強力でABSもついているので安心して止まることもできる、車体が軽く短いホイールベースもあり咄嗟の回避運動能力も優れていて、ハヤブサなら絶対によけきれないだろう場面も200duke並の軽い取り回しで回避できたりします。
車体サイズもその辺の250cc並か!と思うほどに小さいので都内の狭い駐輪場にも停めやすい。
都内って平地ばかりのイメージがありますが、実は結構アップダウンが激しく、駐輪場にも傾斜があったり、トリッキーな場所にあることが多いのです。
そもそも極小スペースに車用は無理だから二輪用駐輪場作ったよ!みたいな場所も多いので切り返しもしなきゃ入れなかったり、ハヤブサでやると息が上がるような場所が多いわけですがBRUTALEの190kg台の車重であれば案外余裕でいけます。
ハヤブサは車検証で250kgですからね…つらい。
通勤に使うバイクではない気がするアグスタですが、意外と使いやすいバイクではあるので、同じ3気筒シリーズのリヴァーレやストラダーレ、TVなんかはもっと扱いやすいと思います。
でも、もしかするとシート高が低いのでそれら兄弟車よりも扱いやすい??
「やっぱりワインディングが最高」
こんな高性能で楽しいバイクを通勤だけに使うのは勿体無い。
盆栽用でもなく、やはりバイクは走ってなんぼなもので、BRUTALEはワインディングが楽しいバイクです。
直線は所詮800ccなので思ったよりスピードは出ないので首◯高などハイスピードで走るところは正直ハヤブサなどのリッターを超えるクラスに劣ることは間違いないですが、いざコーナーリングが始まると凄く気持ちいい曲がり方をして、コーナー中盤から出口にかけて加速していくときのフィーリングが速さよりも気持ちよさがあって楽しいんですよ。
軽さもあるので、たとえ破綻するような状況になっても立て直せる可能性が高い。
トラコンやABSも信頼できるのでそういう意味でもワインディングを楽しく走るということにかけては最高のクラスだと思います。
パワーも公称140馬力はあり、13000rpmまで回せるシチュエーションがあればパワーを不満に感じることはないと思います。
あくまで最高速が伸びないだけで、FSWみたいなサーキットでは苦戦すると思いますが、逆にミニサーキットなら面白いとか、そういう感じです。
「程よいパワーと扱いやすい実用的トルク」
最近のバイクはリッタークラスであれば当たり前に200馬力の世界になります。
1輪で200馬力って馬鹿?と思うようなパワーを電子制御で抑えこむ、普通のライダーなら電子制御なしに扱いきれない特性を抑えこむことでどこでも使えるようにしているのは凄いわけですが、”バイクに乗せられている感”は強いと思います。
BRUTALEは140馬力で、これが”程良いか”と聞かれればオーバースペックであることには違いないのですが、140馬力を発生するのは13000rpmであり、そこまで回せることなんかほとんどないわけで、日常的にはもっと下の回転域のパワーとトルクが重要になってきます。
RRには標準車のBRUTALEに比べて増えた低速トルクが増えており、それが乗りやすさに繋がっています。
さすがに標準車のBRUTALEは低速トルクがなさすぎて、通勤で毎日乗るにはしんどい感じがしましたが、これであれば全然毎日乗れる!と思えてしまう不思議。
扱いやすいトルクもありますが、音の演出とトルクの出方が刺激的でそれほど速度が出ていなくても楽しめる、満足できるものがあります。100km/h出ていなくても、耳から入る音の情報で「結構速度出てる!」と錯覚し、フロントの軽さもありちょっと怖さを感じながら走れる、でも実際それほど速度はでていないので、リッターのレーサーでなどで走るよりはまだ安全な速度域だったりする。
このとっつきやすさは素晴らしい。
「じゃあ、誰にでもオススメできる?」
答えはもちろん否です。
特に最初の1台や、1台所有しかできないという状況であれば尚更で、自分の場合、ハヤブサが駐輪場で待機しているという現実があるので何の考えもなくアグスタ、BRUTALEに手を出すことができましたが、毎日バイクを楽しみたいとか、ツーリングも何の不安もなく行きたいということであれば他に選択肢は多々あります。
特に、通勤に使いたいという人がいれば「やめとけ、ってかそんな用途に使いたいなら180万円でMT-09とセローとカブでも買ったほうがいい」というアドバイスを自分はすると思います。1台の値段で国産なら大型・中型・原付買えるし楽しみの幅も広がりますw
あくまで使えるというだけで、それに向いているか?というのはまた別問題です。
信頼性が上がっているように感じても、それはもしかすると錯覚かもしれず、ある日突然致命的なトラブルが出て、乗れない日が続くかもしれません。
部品だってオイルフィルターの納期に1ヶ月掛かるような状況でした…
ハヤブサなんて99年発売の初期モデルの部品だって数日でメーカから届きます。
最新のバイクなのにオイルフィルター程度の在庫が日本にない(これは在庫しないアグスタジャパン側の問題な気がしますが)他の部品も下手をすれば数ヶ月ざらに届かないとかあるようで、そのあたりを国産車と同じに考えているといざというときに絶望するかもしれません。
何より販売店の数も限られており、その販売店の実力にもアグスタを楽しめるか?というのは掛かっているような気がします。
自分が買ったMVアグスタ横浜さんは母体がDUCATIのスペシャリスト集団なので同じイタ車のアグスタでも安心して任せることができるのでは?と勝手に思っています。
アグスタ横浜のお店自体、というかスタッフさんの人柄も緩く、(人によってどう感じるかはありますが)特に強く売ることもしなかったし(というかこのとき周ったディーラーでは一番売る気が感じられなかったw)、でも親身に相談には乗ってくれる感じが気に入りました(生意気w)
天邪鬼なので、売る気がないと感じた人から買いたくなっちゃうんですよね…
関東圏はアグスタのディーラーに恵まれているので、埼玉に住んでいる自分の場合、茨木を除く関東圏すべてのディーラーが1時間圏内に入ります。
一番近いところは多分15分もあれば着きますw
なのにあえて自宅から一番遠いMVアグスタ横浜で購入したのには上記の安心感などもあるのですが、まぁそれはまた別な機会に。
簡潔に書くなら「買うだけならどこでもできるので、アフターフォローを考えてお店は選んだほうがいいよね」ってことですね。
散々書きましたが、BRUTALEはものすごく個性的で楽しいバイクだと思います。
MVアグスタというメーカー・ブランドを知るエントリーモデルとしてはちょっとお高い気もしますけど、価格以上の価値は確実にあるといえます。
誰にでも大手を振ってオススメというわけにはいきませんが、この強烈な個性や魅力に少しでも引き込まれるものがあるのであれば是非とも足を踏み込んで欲しいと思いますね。
人生は短く、ライダーである以上いつどうなるかなんてわからないので、乗れるときに乗りたいものに乗らなきゃ、大きな後悔をすると思うのです。
さて、次は10,000km!
このペースだと年明け早々には迎えちゃいそうですね…
少しペース自重しないと!!