平日毎日のようにバイク通勤していると、年に数回だけものすごい渋滞にはまることがある。
時間帯がいつもより数分早い、遅い、事故があった、たった1台の路駐のトラック、etc...ほんの些細なことが切欠で25kmの通勤路をバイクでも2時間かけて走ることがある。通常、この距離は40〜60分で走りきれるのでざっくり倍。
すり抜けがバイクの利点であっても、渋滞をすり抜ける命知らずの原付きみたいなことはできないし、そもそもこういう渋滞になるとトラックばかりで、ハヤブサにしろ、ブルターレにしろ、すり抜けはなかなか厳しい。
脇道にそれても、その脇道が渋滞しているから状況は最悪だ…
そんな珍しい渋滞に、相変わらず30度を超える今日、はまった。
しかも、通勤車両はブルターレだ。
ただでさえ熱を持つバイク、そして熱に弱いとされるアグスタだ。
クーラントを拭くのではないか…たった1、2分の信号待ちでも水温計から目が離せない。
結果水温計はここまであがった。
半分より2目盛上。(写真は今日のではありません、参考ね)
あれ…いつもとそんな変わらない??
そう、いつも半分より1つ上までなのだ。
2時間近く渋滞にはまるような悪条件でもいつもとそんな変わらない?
渋滞を少し抜けたら一気に9000までぶん回してもその程度?
凄くね?
こんなことでも感動できる、イタリア車クオリティΦωΦ
でもこれ、きっとブルターレだからだね。
同じアグスタの800ccでも
フルカウルのF3だと熱が抜けなくて厳しいのかもしれない。
よくF3、F4の夏仕様としてサイドカウルを外す人もいるようだけど(ちなみにハヤブサもあまりに暑いとやばいのでカウル外します)、とにかく如何に放熱させるか?が課題で、逆にこの熱問題をクリアできれば、アグスタも普通に乗れるバイクなんじゃなかろうか?
もちろん水温は平気だったし、クーラントは吹かなかったけど、20kmくらいそんな渋滞にハマって走っていたらギアは明らかに入りが悪くなったし、エンジンレスポンスも悪くなった。オイルも1000km走り交換前なので性能も劣化していたのかもしれないけど、これだけの熱を持つバイクなのでオイルにもやっぱり気を使った方がいいかもしれない…
そんな今日はゲリラ豪雨だった。
昨日、雨降るっていうから電車通勤して、今日は晴れだっていうからバイク通勤にしたのに、昨日は全然雨降らないで、今日はゲリラ…なんだかなぁ。
でも夜には雨は上がっていたし、ちょっと涼しかったので会社帰りにツーリング。
涼しくて気持ちよかった。
13000までは回らないけれど、しっかり9000まで回す。
ちゃんと回さないと回らないエンジンになるし、エンジンに対して気を使うのであれば回さないことよりもよいオイルと冷却管理だと思っているので、時々でもしっかり回せる場所へ連れていくのが重要かと。
そして今日はサスペンションのセッティングをば。
ブルターレ800RRに標準でついてくるMarzocchiのサスは減衰とプリロードの調整が勿論可能です。
最近は多いみたいだけど、サスペンションの左右で伸びと縮みの調整がバラバラだっていう方式。イマイチ原理が理解できず、そもそもなんで左右で伸びと縮みの減衰調整がバラバラなのに機能するんだ?と不思議なんだけどサスペンション剛性があがったとか、コストダウンだとか様々な理由があるようで割りと最近はこの形式しか見ない。
ユーザ側のメリットとしては、減衰調整がバイクに乗りながら可能なこと。
左右両方伸び・縮みの減衰調整機能が付いていると、一般的にサスペンションの頭の部分は縮みの調整で、伸びの調整はホイール側なので降りなきゃセッティングができない。
最近主流の電子制御で減衰調整ができる機構も、左右で伸び・縮みの調整がバラバラなサスペンションが主流になったからできるようになったのでそういったメリットはある。
けどまぁお高いサスペンションやレース向けは未だに昔ながらの両側で減衰調整するものみたいだし、本格派には向かないのかも?
ちなみにブルターレのリアは一般的なモノショックです。これも減衰・プリロード調整可。
ブルターレに乗って思ったのが、とにかく足が硬いこと。
いや、どんなバイクでもそうなんだけど、自分、体重が45kgしかないので、普通の大型バイクに乗ると絶対にサスペンションが硬い。プリロードとかヘタしたら全抜きでもいいくらい。
だいたいこの手の大型バイクは体重が60kgとか70kgの大人を想定しているし、輸入車だとまず大柄な男性を想定してサスペンションのデフォルトのセッティングは出ているはず。
となると小柄な日本人には絶対に合わないし、自分みたいなライトウェイトライダーには絶望的に合わない。
なので基本はプリロードを抜いて、減衰も柔らかめで合わせる。
別にサーキットは走らないし、街乗りメインなので運動性能が悪化することもない。
速度を出すとはいえ、走る場所が通勤で使う首都高くらいなので、路面が悪い首都高で硬い足というのはただただ恐怖しかないのでセッティングする。
プリロードは簡単にはいじれないので(工具を持っていないので)、まずは減衰から。
マイナスドライバーがないので、財布の中に入れている某ランドで作った記念プレート的なもので調整w案外使えるんですよこれ。
伸びは最弱にして、縮は適当な硬さにという定番の減衰。
これで多少走りは柔らかくなったかなぁと。
減衰調整をしていて、Marzocchiのサスペンションって減衰調整のダイヤルにクリック感が皆無なことに気づいた。
ハヤブサは一応一回転とかがわかるように「かちっ」というフィーリングがあるけれど、ブルターレにはそれがない。説明書には「カチッ」と音がすると書いてあるんだけど、このサスペンションが壊れているのか…1ヶ月点検のときに確認しよう。
この角度が一番好きなんだけど、やっぱりマフラーはなぁ…
アグスタジャパンは売れた台数分くらい本国仕様のマフラーは準備しておくべきだと思うんだよね。
かれこれ1ヶ月以上待っているけどまだ本国仕様マフラー届かないみたいだしorz...
あの3本出しのデザインがかっこ良くてアグスタの三気筒を選ぶって人が大多数だろうし、わざわざ一本だしで性能低下させたものに興味を惹かれて200万もこの車体に払うか?と言ったら多分違う。ってか自分ならおとなしくMT-09買ってフルチューンしちゃう。なのでドゥカティ同様、購入後にフルパワーが大前提なんだろうし、そこは大きな声で言えなくてもやっぱりマフラーはすぐ手に入る体勢を敷いてほしいよね。
既に大勢の675cc、800ccのオーナーが通ってきた道だろうに、それでも国内に在庫を持たないのがアグスタクオリティ?
そんな日本仕様でちょっとカッコがあれなブルターレですけど、走ればそれでも面白い。
軽さもあるし、とにかく思い通りに走らせられる。
コーナーリングの特性も独特なんだけど慣れると凄く( ・∀・)イイ!!
パワーは日本仕様なのでせいぜい100馬力ちょいと過剰ではないし、9000rpmまでしか回せないので「これからだ!」というところでお預けはくらうものの、その制限範囲内でアグスタジャパンはECUのセッティングを決めているせいか、6000rpmを超えたあたりからちょっとパワーの盛り上がりがある演出になっている。
なので唐突感はすごいけど、逆にこれがないと9000止まりはあんま面白みがないのかも。
また高回転まで回せるエンジンだけど、高速をたらたら4000rpmくらいで走ることもできるくらいのトルクはある。これは標準車から大きな進歩だと思う。ツインインジェクターとECUのセッティングが統合的に効いて高速の巡航性も与えている。
ま、それでもたらたら一定回転数で走るバイクではない…なんかバイクに悪そうな感じがするw
個人的に一番推したいのがやっぱりクイックシフトで、ゼロ発進の1速から2速への繋がりも6,000rpm以上で繋げばドカンという衝撃も薄れるし十分1速から使える。
ダウンもクラッチレスで落とせるし、ブルターレにもスリッパークラッチが標準搭載になったのでその機構に身を任せればクラッチ繋いで回転を合わせなくてもリアがロックすることはない。少なくとも毎日通勤で使っているけど、一度としてリアロックしたことはない。けれどアグスタも説明書で書いているように、回転差が大きくなるような急減速とか一気にダウンした場合の動作保証は微妙なので、たとえばいきなり1速とかの場合はクラッチ使って回転合わせたほうが衝撃とかロックの危険性は薄いかも。
普通の速度域でも十分使えるし、クラッチを使わなくてよいことで疲労感も低くなるのでこれはいい。ほんと一度使うと次のバイクにも欲しくなる機能だと思う。
100馬力そこそこのパワーを、途切れないクイックシフトで扱えばそんなに速度は出ていないのに気分は最高潮。ギアもクロス気味なので100km/h以内で日本仕様なら「俺、すごい攻めてる!」感が出る。
ハヤブサで同じことをやろうとしたら大変なことになる。
そもそもハヤブサは1速で100km/hを超えるし、2秒ちょいで100km/hを超えるバイクなので合法的な速度域で加速や操作を楽しめない。
ブルターレの日本仕様はそこまで過激なものではないから、100km/h以内でも音と操作で速さを感じて楽しめるのでまだ安全かなぁと言う気がする。
あと、音がやっぱり( ・∀・)イイ!!
買うに至り、様々なバイクを試乗し、その中では一番疲れたし、ありえないと思ったアグスタを今所有しているのは、なんだかんだ言っても試乗した時のエンジンの個性、音が忘れられなかったからだ。
ただただ、アイドリングや低速域はメカニカルノイズがガチャガチャうるさいバイクなんだけど、回した時に一気にライダーを虜にする危うい魅力がある。
それを気にいるか、いらないかで、このメーカのバイクを所持するかどうかは決まると思う。
確かに長距離は厳しいだろうし、決して通勤向けではないのも事実だけど、夜とかにさくっと100km程度のツーリングをするくらいならこれほどに楽しいバイクもないだろうというくらいには楽しいし、そこに200万近い金額を払うだけの価値はあったなぁと後悔はしていない。
休日には1ヶ月点検に入れる予定なので、それが終わったらアグスタの課題でもある「エンジンの冷却」を主眼においたチューニングをするつもりです。
熱問題って人間もそうだけど機械にも大きな問題だしね…
出来る範囲のことはやったるでー。